明慶大学医学部を優秀な成績で卒業し、明慶大学病院で将来を嘱望されている心臓外科医。自信家だが、それだけの高い技術を持っている。最先端の医療技術、医療機器は医学の進歩に欠かせないと信じている。
早くに父を亡くし、女手ひとつで育ててくれた母親のためにも、奨学金で進学した。沢口教授の娘・光香とは婚約者という間柄である。
沢口から「山の診療所に行って欲しい」と言われ、少なからずショックを受ける。出向いたところは診療所とは名ばかりの、まともな医療機器もなければ薬もない。山荘の娘・遥たちとの出会いで、医者の役割とは、医療とは何かということに直面する。