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撮影レポート 福士蒼汰 篇

2017.11.28

“花・鳥・風・月”、加えて“極”とSeasonごとにキャストはもちろん脚本と演出を大胆に変更しながら、さまざまな趣向を凝らしてきた劇団☆新感線の『髑髏城の七人』。いよいよ、その第4弾目となる“月髑髏”は、なんと新感線史上初の試みでもある“ダブルチーム”で臨む、チャレンジ企画となります。“上弦の月”と“下弦の月”、それぞれに初参加の若手注目株が多数揃い、期待値も勢いもキラキラ度もMAX! 今回もまたヴィジュアル撮影の模様と、その当日に行ったミニインタビューをお届けいたします!!
まずは“上弦の月”で<捨之介>を演じる福士蒼汰さんから、ご紹介しましょう!

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時間をかけてヘアメイクを整え、衣裳をつけて福士さんが粋な着流し姿で控室から現れた瞬間、「また、新しい捨之介が生まれた!」とスタジオ内の温度は急上昇。「この世のものとも思えないくらい、カッコイイ!」などとスタッフたちから絶賛されつつも、「あれ? もしかして緊張してる?」と聞かれると目をパチパチとまばたきさせる福士さん。そんなリアクションさえも「初々しい〜!」と大好評です。

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今回もアートディレクターの河野真一さん、カメラマンの野波浩さんを筆頭に、信頼の厚いお馴染みのスタッフ陣で撮影に挑みます。さらに、現場の殺陣指導にあたったのは横山一敏さん。ちなみに“上弦”の出演者でもあるのですが、実は横山さん、福士さんとは『仮面ライダーフォーゼ』で既に共演しているという旧知の仲。知った顔を見つけた福士さん、すぐさま話しかけに行き、緊張もほぐれてきたのか徐々に柔らかい笑顔に。

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ちなみに“Season月”の衣裳を手がけている生澤美子さんによると、今回の捨之介の着物のベースはいのうえさんのリクエストに合わせて白と黒にしてあり、そこに“上弦”と“下弦”とでは飾り帯の色合いを変えるなどして、違う色で差し色を入れているとのこと。“上弦”の捨之介の差し色はブルー。“上弦”“下弦”とも二体の髑髏が捨之介を包むかのようなデザインが手描きされており、凝りに凝った着物になっています。

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野波さんから「ちょっとすけこましの雰囲気もありつつ、でも目線は強めで」などと捨之介像を説明された福士さん。フロアの中央に立つなり、早速「顔は左に向けて、そこからゆっくり戻して」「傘を持つ手を顔に近づけて」「肘はもっと張って」「口のはじでニカッと笑って」「次は女を口説く顔で」などなど具体的だったり抽象的だったり、さまざまなリクエストが飛び交う中、各カットごとに丁寧に反応していきます。

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今回も、時にスタジオ内に風を起こしつつ、ドラマティックな撮影を行っていきます。ヘアメイク担当の宮内宏明さんもブロワーを駆使して、福士さんの髪を吹き上げるのですが、風を当てる前に既に逆毛を立ててみたり、風になびきやすいようにセットしたりと工夫を凝らしている様子。モニターでそのなびき具合を慎重にチェックしていた野波さんも河野さんも「お、これはいいね〜!」と、揃って満足げな笑顔を見せていました。

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“Season月”の捨之介が手にする小道具は、番傘。それを肩に担いで福士さんがポーズをとると、これが初舞台とは思えないほど立ち姿がさまになっています。この傘も、閉じたもの、完全に開いたもの、半開きで固定したもの、それぞれを使い分けながら撮影は進みます。その最中、照明の位置を微調整するためにちょっとした待ち時間が発生すると、傘をくるくると回しながらスタンバイする福士さん。さらに野波さんが「サイドの髪で顔が隠れちゃうなあ」と呟くと、それが聞こえたのか福士さんが自らふーっと口でサイドの髪を吹き上げてニッコリ。また、サーキュレーターなどの風で着流しの裾が大きく太ももまでめくれ過ぎてしまったりするとすぐに気づいて自分の手で直す場面も見られたりし、最初の固さはすっかり消えて、なんだか余裕すら生まれてきたようにも見えます。

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動きのあるカットの撮影に突入すると、横山さんの指導を受けながら、傘やキセルなどの小道具を使ったり、刀を抜いて構えたり、ダイナミックに振り下ろしたりと、舞台さながらのアクションが繰り広げられていきます。河野さんから「もう、我慢ならねえ!って表情を出してみて」と言われ、頷いた福士さんは早速自ら着物の裾をまくって、周囲を睨みながら腰を落とし、刀をゆっくりと抜いてポーズ。「おっ、いいね、それそれ!」と言いながら、シャッターを切っていく野波さん。

長時間にわたる撮影を無事に終えた福士さんに、その感想や、今回この作品で初舞台に臨む意気込みなどを聞いてみました。

——おつかれさまでした! まずはスチール撮影の感想をうかがいたいのですが。捨之介の衣裳を着てみて、いかがでしたか。
あの衣裳を着せて頂き、あの髪型とメイクにした途端、「捨之介だあ!」と思いました(笑)。いよいよ、自分が捨之介をやるんだという実感が湧いてきた気がします。

——さんざん風に吹かれて、キツイ体勢でポーズをとらされていましたが。
改めて着流しを着て、男として大きく見せるというのは、本当に難しいなと思いました。きっと見せ方のコツがあるんでしょうけど、それを初めて実感しました。でも以前に映画で着流しを着る機会があって、その際に日舞を少しだけなんですが教わったことがあったんです。その時によく言われたのが“肘を張る”ということで、こういう見せ方があるんだなと面白く思ったことを思い出しながらやっていました。そういう風にやると、男らしく、大きく見えるんだと思います。

——ご自分で、撮られた姿をモニターでご覧になってどうでしたか。
実は、あまり見てないんです。自分の写真は恥ずかしくてそんなに見たくないほうなので、遠目から雰囲気を確認していたくらいで。だけど、遠目からでもすごくいい雰囲気に撮って頂いたんじゃないかなと思います(笑)。

——“Season花”を観劇時に小栗旬さんからアドバイスされて、事前にふだんから雪駄を履くようにして慣れておいたことが、今日の撮影でも活きたんじゃないですか?
確かに、そうかもしれないです。やっぱり初めて履くよりも、ふだんから雪駄に馴染んでいたから、動きにしても気持ちにしてもスムーズだったように思います。

——今回の衣裳も、ちょっと変わったデザインで素敵でした。
スタッフの方たちのこだわりがすごく強く、デザインにも出ていたように思います。衣裳合わせをしている段階で、ここにもうちょっと白を足してほしいとか、ここは逆に白を少なめにしてほしいとか、ものすごく細かく話し合われているのを見ていたので。そうやって出来上がった衣裳を自分が身にまとって、それをいかにうまく見せようかということには責任を感じつつも、とても楽しい撮影でした。それだけ気合いを入れて作って頂き、さらに効果を計算して美しい照明を当てて頂いて。そういう空間に今、自分がいられることがうれしかったですし、さらに気合いも入って、やってくださったそれぞれのスタッフの方々のためにも頑張ろうという気持ちになるのを感じました。

——みんなで福士さんを素敵に見せよう、カッコよく撮ろうという人たちが大勢周りにいたわけですからね。みんな大喜びだったと思います。
大喜びしていただけたのなら、本当に嬉しいです。その分、身体は確かにキツかったですが(笑)。

——そして今回は新感線史上初の試みでもある、ダブルチーム制です。まったく同じ脚本と演出で、キャストの違うふたつのチームが上演することになるわけですが。福士さんにとってご自分のチーム“上弦の月”はどんな方が揃った印象ですか。
三浦翔平さんとは7年前にドラマで共演させて頂いたことがありますし、須賀健太くんは『仮面ライダーフォーゼ』の映画版でご一緒したことがあります。あの時は自分が先生役で、須賀くんは生徒役だったんです。

——先生と生徒が、今回は捨之介と兵庫に。
なっちゃいました(笑)。それから、横山(一敏)さんがいてくださるというのも、心強くて。

——横山さんも『フォーゼ』でご一緒されていたそうですね。
そうです、それも悪役で大ボスの側近という、一番強い役で。最後の最後まで、勝てなかった相手だったんです。今回、同じチームで出演できるなんて、とてもうれしいです。

——『フォーゼ』は中島かずきさんの脚本でしたから、このカンパニーで一番馴染みがある方は中島さんかもしれないですね。中島さんの書いたセリフを、また口にできることに関してはいかがですか。
中島さんの書かれる脚本には、胸がアツくなるセリフがすごくたくさんあるなと『フォーゼ』の時から思っていました。特に暑苦しいわけではないし、サラッと言えたりもするんですが、その中にもとてもアツいものを持っているようなセリフが多いというイメージがあります。

——『髑髏城の七人』の中にもそういうセリフは。
たくさんあります、しかもそのセリフに合わせて、カンカン!効果音が鳴るので(笑)。ものすごく気持ちよさそうだなと思います。

——今日は、いのうえひでのりさんともチラッとだけお会いになっていた様子でしたが。
本番中で、かつ稽古中の時期なのに、こちらのスチール撮影にも顔を出してくださったそうで。控室の鏡越しにチラッと見られていたのを感じていたんですが、「うん!」と言いながら出ていかれたので、あれはどういう思いの頷きだったんだろう?と思っていたんですが。

——そのあとニコニコされていたので、満足だったんじゃないかと(笑)。
そうですか、だとしたら嬉しいんですが(笑)。

——これまで抱いていた劇団☆新感線のイメージはどんな感じでしたか。
チケットがなかなかとれない劇団だという印象と、憧れの場所でもありました。その場所にいろいろな先輩方が、それもふだん舞台をあまりやられていない方も含めて参加されていて。そこから舞台の世界で活躍されている方も多そうですし。そういう意味でも、もし自分もこの場所に立つことができたら何か新たに感じるもの、得られるものが絶対あるはずだと思ったので、ぜひやらせていただきたいと思ったわけです。

——初舞台で新感線を選んだというのは、それが理由のひとつでもあった。
中島さんとのつながりもありましたし、色々なタイミングが合ったということだと思うんです。だけど初舞台なのに劇団☆新感線の主役をというのは、すごく責任もいるし、プレッシャーもかかるだろうし。でもなかなかできることではないですし、だからこそやりたい!という思いもありました。自分にとって、絶対に大きなステップになるはずですから。

——では、最後に意気込みを語っていただけますか。
初舞台ですが、最年少捨之介として新しい風を吹かせていけたらと思っています。楽しんで思いっきり演じたいと思っていますので、この冬、劇場までぜひお越しください!