人形町の人々

各話に登場する人物を紹介します!

寺田玄一役 原田芳雄さんからのコメント

(写真) ぼくも下町出身で、舞台となっている人形町から浅草、吉原を抜けた先の、三ノ輪の住人だったんですよ。子供の頃はお酉様の芝居小屋が楽しくてね。縁日の日は親父が店を出していて、店番をさせられました。
成長期は、一刻も早くあの町を出たくて仕方なかったけれど、後々になって良さがわかります。今はこうして撮影で近くに来ると、つい懐かしい場所に足が向きますね。

ぼくは電車好きなので、撮影のあと久しぶりに三ノ輪に行って、都電荒川線の写真を撮っていたら、おせっかいなおばさんがいて「こっちからだともっといい写真が撮れるわよ!」って教えてくれたんです。そういう雰囲気が下町ですよ。そんな、町の住人が繋がっていって一つのミステリーを構築して、その主軸のほかに下町の物語もありながら進んでいく、という手法は面白いですね。人形町というステージを与えていただいて、下町出身の身としては、細胞が震えるくらい嬉しかったです(笑)。

(写真)ぼくの演じる「寺田玄一」は、保守的な職人です。職人というのは、自分の仕事をどこまでも探求して、満足することはないんですよ。満足してしまったら、そこで止まってしまいますからね。ぼくの父親は人形師でしたから、今回の話は、とてもよくわかるんです。職人は、人間関係については不器用ですけれど、一人一人と深く付き合おうとする。そうやって相手のことを知りたいんですが、自分が知る前に、勝手に動かれてしまうと、ヘソを曲げてしまうんですね。
今回のドラマは、加賀刑事と若い松宮刑事、職人・玄一と弟子の米岡、またその家族と、それぞれの関係がうまく出ています。加賀刑事が刑事としての仕事だけでなく、捜査対象の人物に見出せる人間関係を、きちんと見せていると思いますよ。
加賀役の阿部さんもいいですね。テレビや映画だけでなく、芝居もよく観にいっていますが、どんどん良くなっていて、共演するのが楽しみです。

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