いきもの
Q. ゾウはネズミが嫌いってきいたんだけどなんでですか? (小4・おとこ)
A. そうだね、よく本などに書いてあったりするよね。僕も小さい頃そういう本を読んだことがあります。じゃあ実際にはどうなのかというと、ゾウはとっても体が大きいでしょう?だけど、実はとっても神経がこまやかで、いろいろなことを観察しているんだよ。
だから、あんなに大きな体なのに、自分のまわりで自分には見えないような小さな動物がカサカサって動いたりすると「何だろう?」って気になっちゃうんだよ。哺乳(ほにゅう)動物は特にそうで、聴覚(ちょうかく)という、音を聞く力や、嗅覚(きゅうかく)という、においを感じる力なんかはすぐれているけど、ものをよ〜く見るっていう力は弱い、という動物が多いんだよね。
だから、自分の周りをカサカサカサカサ動いているものがいるのに、姿がよく見えなくてそれが何だかわからない・・・という状況だと、ゾウみたいな大きな動物でも、やっぱりドキドキしちゃうと思うんだ。
だから、それを「恐がる」とか「嫌う」っていう言い方をするんだと思います。実際に動物園で見てるとね、実は動物園って、結構ネズミがいるんだよ、困っちゃうんだけどね。それはたぶん、大きなスペースの中で暖房されていて暖かいし、ちゃんとエサもついているから、外からネズミ達が入ってきちゃうんだと思うんですけどね。
だから、動物園の動物達でも、ネズミに慣れちゃってるものもいるようです。ということは、日頃そばに来ないような動物が自分のそばに来たりだとか、何かよくわからない動物がカサカサ身の回りを動いてる・・・ということが、あんなに大きなゾウでも怖いんだと思いますよ。

上野動物園・葛西 宣宏 先生

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