先日行なわれた、LGBT成人式について清水ディレクターが取材しました。
LGBTは、以前このコーナーでも取り上げましたが、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、そして、性同一性障害などのトランスジェンダー。この単語の頭文字の略ですが、こうしたセクシュアル・マイノリティと呼ばれる人たちをメインとした成人式が行なわれました。
LGBT成人式企画した早稲田大学の学生団体Re:Bit(リビット)の関谷隼人さんにこの式を開いたきっかけについて、伺いました。
僕はFTMパンセクシャル=体は女性で心は男性で、着たくもない振り袖を着ると「おめでとう」と言われるのに、ありのままの自分だとおめでとうと言ってもらえなくて、あまり着たくない格好をして我慢してるのに、その方が周りの人が喜ぶのはすごく、何だろうと思っていた。本当は参加しづらい人がいると思う、地域の成人式に。そういう人みんなが参加しやすい成人式になっていったら。
関谷さん自身は、成人の日に振り袖を着たそうなんですが、周りの人の反応などを考えると振り袖でも、紋付羽織袴でも参加しづらいと考え、写真を撮っただけで成人式自体には参加されなかったそうなんです。
そういう想いをしている人たちが参加出来るようにと、3年前からLGBT成人式を始めました。
今年は世田谷区内の学校で、200人くらいの人が参加して行なわれました。成人式では、新成人がLGBTの人とじっくり話が出来るように、ワークショップやアフターパーティーなどが行なわれたほか、新成人代表のあいさつや、世田谷区長のあいさつがありました。
LGBT成人式に参加した方にお話を伺いました。
・自分が想像していたよりもちゃんとしていて、偏見や差別を受ける社会だからそういう面では、偉い方々にもこういう式に来てもらって自分たちからしてみたら、とても嬉しいことだなと思いました。
・普通の成人式の時に、式典には出なかったんですが、振り袖を着て写真だけ撮ろうと家族の中でなって、おばあちゃんのために諦めて撮った。ただ、せっかく人生に一度ということで、自分が自分らしくいれるようにスーツ着て出ようと。本当に良かったと思っています。
参加者の皆さんは、自分らしい姿で参加できる成人式を喜んでいました。
ただ、LGBT成人式を企画したRe:Bit(リビット)の関谷さんは、最終的にはこのLGBT成人式がなくなってほしい、と話していました。
普段の地元の成人式に出づらいからLGBT成人式に出るという状況があると思う。だったら、その地元の成人式をどんな人でも出やすくする方法って何なのかを最近考えていて、既存の成人式に働きかけるべきなのか、それともLGBT成人式という一時のオアシスを作っていくべきなのかどっちがいいのかとは思ってるが、LGBT成人式を行なって、その結果理解してくれる人が増えて、地域の一般的な成人式の形も変わっていけば、一石二鳥だとは思ってます。
LGBTの人たちにとっては、LGBT成人式が成功したからと言ってLGBTに対する偏見など、根本的な問題が解消されたわけではないので、LGBTの人も含めて、だれでも気兼ねなく参加できる成人式になればいいと仰っていました。
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