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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

障害者と球児をつなぐ赤い糸 〜エコボール事業〜

放送日:2013年07月20日
担当:岡本祥子

まもなく夏の甲子園が始まりますが、 高校の硬式野球部で使って傷んだ練習ボールを直している場所を取材してきました。

ボールを直しているのは、神奈川県座間市の「NPO法人 きづき」です。
ここは精神障害者の就労支援に取り組んでいる作業所で、利用者が練習で傷んだボールを1針1針、手縫いで再生しているんです。
始めたきっかけを「NPO法人 きづき」代表の岩田文子に伺いました。

『新しい皮ではなくて、古い今まで使っていた皮をそのまま剥いで1球50円でやっている京都の事業所があったんですね。
それってすごいエコだなと思って去年の夏に行ったんです。
そしたらやっている方たちがとっても良い顔をしていきいきとしていて。
それでできたボールも高校さんの方に持って行ってつながりがあるなと思って。』
京都で行われている活動に感銘を受けて、自分達でも始めたということなんです。

この事業は、横浜大洋ホエールズのピッチャーだった大門(だいもん)和彦(かずひこ)さんが考案し、京都の福祉施設で始まりました。縫い直したボールは「エコボール」といいます。
「NPO法人 きづき」では、去年の秋から始めました「エコボール」を見せてもらうと、皮は汚れてはいますがしっかり真っ赤な糸できれいに縫い直されていました!

この硬い皮を縫うには、それなりの技術がいるのではと感じたのですが、修理の技術は、元高校球児だった作業所の向かいにあるスポーツ用品店のご主人、森谷美佐夫さんが当時は毎日ボールを縫っていたということで、詳しく教えてくれているので技術面でも問題はありませんでした。
エコボールを通じて、地域の方とのつながりも生まれているんですね。

取材をした日は利用者の女性3人がボールを直していました。
解れた糸をカットし、皮をほぐして縫い直した後、ゴムハンマーで形を整えます。
作業時間は1球あたり、20分から1時間かかります。

作業中の女性に話を伺うと『楽しいです。学生時代に弟が野球をやっていたもので、ボール拾いに行ってあげたりとか、そういう時を思い出します。』というお話や『他の利用者さんが高校に届けてくださったときに、すごく喜ばれたとか、礼儀が正しかったとかというのを間接的に聞いて。ああやっていてよかったなって。
   エコボールとのご縁が持てたことというのがすごく、人とのご縁と一緒というか、同じように嬉しく思いました。』と
ボールへの懐かしさや、高校生の役に立っているというやりがいを強く感じているようでした。

NPO法人 きづきでは現在、県内の4つの高校から依頼を受けています。
県立では地元の座間総合高校、座間高校、大和高校、そして私立では甲子園に出場経験のある横浜隼人高校です。
その中の一つ、県立座間高校 硬式野球部 上山泉監督にエコボールの取り組みについて聞くと『練習球ですと1ダース毎日練習に使うと、1カ月もつかもたないかというぐらいですかね。
それはもうほとんどタダに近いようなお値段でやってもらっていただいているので、一つ一つ本当に丁寧に仕上げていただいているので、それでまた1カ月位延命するというような。 本当にそういう意味では助かっています。』と話してくださいました。

通常、糸が切れたボールはテープで巻いてティーバッティング用に回すしかないそうです。
硬式球は試合用で1球およそ千円。練習用でも500〜600円かかるので1球50円で使えるエコボールは節約にもつながっているそうです。

続いて主将の小野秀昂(おのほだか)さんにも話を聞くと『自分達が使って、1回壊れてしまったボールをもう1回修繕して使えるということは、一緒に練習やってきたという気持ちもありますし、ボールなんですけど、部員の一人であり、一緒に夏を目指してやってきている仲間だと思うんで。
そういった意味で、縫い目を直してもらえるというのはありがたいことです。』と、部員の皆さんに道具の大切さや感謝の気持ちというのが芽生えているのを感じました。

「エコボール」事業は現在5つの府県、6つの作業所で行われていて、他の施設では社会人野球のチームからオーダーがあるなど活動の輪は広がっているようです。
ただし、せっかく修理しても工賃として利用者になかなか還元されていないということで、NPO法人 きづきでは協賛金を募集するなどして対応しています。
今後いかにして支援を増やしていくかが課題だと岩田代表は話していました。

1つのボールから福祉・教育・地域のネットワークが出来上がっていますよね。
ボールの赤い糸が障害者の支援になり、社会とのつながりになる「エコボール事業」。
どんどん応援していきたいですね。

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