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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

がんの体験者が話を聞いてくれる相談窓口

放送日:2012年04月21日
担当:楠葉絵美


今日は、文京区にある東京都立駒込病院で行われている
「がん患者の相談窓口」についてお伝えしました。

専門の担当者が相談を受け付ける窓口は、各病院にありますが、
この「がん患者の相談窓口」はちょっと違うんです。

相談を受ける側も「がんの体験者」、つまり患者なんです。

相談窓口を開いているNPO法人 キャンサーネットジャパン
理事 川上祥子さんはこうした窓口の必要性をこう話します。
『治療に関する情報はお医者さんからもらえば良いけど、
副作用とかどう対処してどう乗り切ってきたかとか、
家族にどう話したとか、会社にはどんな風にカミングアウトしたか、
どういう風にガンと向き合ってきたか、生活の中でのガンとの向き合い方っていうのは、
先生や看護師からなかなか情報提供してもらえない部分だと思うので、
そういうところで患者さんの知恵っていうのが役立つんじゃないかなと。』

確かに、病気で感じる不安は、同じ病気の経験者にしかわからないことかもしれません。

この「駒込病院のがん患者相談窓口」では、
電話相談だけではなく、直接会って話をすることが出来ます。
週に2回、火曜日と金曜日の午後1時から4時まで、
がんを体験した相談員がいて、訪れた患者さんの話を聞いています。

まだ始まったばかりなので、ほとんどが電話相談ですが、
繰り返し訪れる人も多いそうです。

相談員は現在7人、全員ががんの体験者です。
2人ずつ交代制で相談を受けています。

相談員でご自身も乳がんの治療をしている菅原園恵さんに聞きました。
『ここまで話しちゃいけないっていうのは患者同士って無いような気がします。
家庭の事情とかも初めて会っても話せたりとか、体の部分とか悩みとか
精神的な辛さとか悩みっていうのは、気を遣わなくても患者さん同士なら
誰でも話せるような気がしますよね。
全くわからない人が聞く「うんうん」って言うよりも
経験があって気持ちがわかる人間が「うんうん、そうだね」って 言う方が全然違うと思うので、
それはすごく役に立ってるんじゃないかなって自分では思いますけどね。』

家族にも話せない体の痛みや辛さも、同じ経験者なら相談出来るのかもしれません。

相談員の中からも、「私の時はこういう相談窓口がなかったけど、
あったら良かったのになぁ。」という話が出ていました。
相談員の丸山薫さんは、治療中に同じがん患者と出会ったことが
とても大きく影響したと話しています。
『本当にあの時の出会いが無かったらどうなってたんだろうっていうのは
今でも思ってますね。
その方に今後の治療とかセカンドオピニオンとっていくのにどうしたら良いかって
相談をしたんですけど、最後に帰る時に「いつでもいらしてください。
いつでもいます。」って、その方ももちろん経験者だし、
そのひと言が・・・・・・私は初めてそこで涙が出たという感じで、
うちではあんまり泣けなかったりするじゃないですか。
それで本当にあの出会いが無かったらっていうのは今でも思いますね。』

私が取材に行った日も、電話相談が何件かありました。
「治療は本当に効いているのか・・・」「もう治療をやめて死にたい・・・」
「全て諦めたい・・・」というような弱気な声がほとんどでした。

そのたびに相談員は「私もそうだった」
「私の治療より良い治療を受けられているので羨ましいですよ。」
と励まして、最初は弱気だった相談者も、電話を切る頃には
同じがん患者である相談員の体調を気遣うほどになっていました。

がんの治療は長くかかると言いますから、
その分、1人で考える時間があると不安になることも多いそうです。

相談員もがん患者ですが、皆さんの精神面については、
皆さんもがんになった時は精神的に不安定でしたが、
ある程度の治療が終わり、自分の体験を乗り越えている人が
相談員になっているので「大丈夫!」と仰っていました。

中には再発している人もいますが、体調が安定しているし、
再発したという体験も誰かに話すことで、その人の心の支えになればと活動を続けています。


病院の中にこうした「がんの体験者相談窓口」があるのは
現在は東京都内に2ヶ所で(都立駒込病院と武蔵野赤十字病院)
東京都は今後増やす計画だそうです。


がんの薬の開発が進んでいる話はよく聞きますが、こうした心の支えも大切なことです。
身の回りの人には遠慮して話せないことでも、こうした場所なら話せるかもしれません。

今月から始まったばかりですが、大切にしていきたい場所です。

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