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「しんゆりリボンズハウス」を訪れた池田リポーター |
「がん検診」などで「がん」が見つかり、手術や治療を病院で受けた後も、自宅で、治療を続けたり、後遺症に悩みながら生活している人は多いとみられます。そういう方に少しでも心地よく、楽しく、地域で生活をしてもらうため、患者同士の交流などができる「リボンズハウス」を池田智子・リポーターが取材しました。
「リボンズハウス」の設置を進めているのは「治療と生活をつなぐ」ことを目的に活動しているNPO法人「キャンサーリボンズ」です。池田リポーターは川崎市麻生区、小田急線新百合ヶ丘駅の近くに去年の4月にオープンした「しんゆりリボンズハウス」にお邪魔しました。
ここでは例えば、生活上の不安や悩みを患者同士で話をする「グループカウンセリング」が週一回ほど、専門の医師の丸田俊彦さんによって、開かれています。
グループカウンセリングに参加したことがあるという一人の女性は、「どんどん落ち込んでいかないように、自分の居場所を探したくて、ここに辿りつきました。参加者の方と今もメール交換したりするぐらい仲良くなったりして、お互い、励ましあって、前向きさをいただいています」と話します。また、悩むタイプではないけど、新しく一歩を踏み出す時に何かないか、ということで来るようになった女性は、「がんもいろいろ種類があるし、悩みもそれぞれだなあ、と色々考えさせられました」と話していました。
「しんゆりリボンズハウス」には他にも様々なプログラムがありますが、「キャンサーリボンズ」副理事長の岡山慶子さんは「中でも、『働く』ということと『美しさ』ということに力を入れています」と説明します。2人に1人ががんになる時代、働きながら、という人も多いですし、自分らしさ、美しさ、を持って生活するということは大事です。
「働く」ということに関しては、治療をしながら働いた経験がある先輩の患者さんの話を聞く機会などを設けて、職場復帰を支援しています。
また、「美しさ」ということに関しては、元気に見えるようなメーク法のアドバイスや、自分にあった色を考えるカラーコーディネートの講座があります。また、治療の副作用で、髪や眉の毛が抜けたときに使う「医療用のかつら」も、おしゃれなものが色々とあるということで、そういう情報も提供しています。
話を聞いた二人の女性も利用したことがあり、一人の女性は「髪が全部抜けてしまって、女性としてはこれ以上落ち込むことはありません。でも、きれいにして外に出かけるだけでも、少なくともその日だけでも明るい気持ちになれます」と話します。また、もう一人の女性は、「抗がん剤の副作用で爪がぼろぼろなんです。なので、プロの方に娘と一緒にネイルをやってもらいました。すごくキレイにやっていただいて、すごいうれしかったです」と話していました。
「髪や爪のことは、ささいなことのように思えるけど、ささいではないんですよ」とお二人は話していて、池田リポーターも思わず、うなずいていました。
新百合ヶ丘駅近くのビルの1階にある「しんゆりリボンズハウス」は壁も、ソファや机などの家具も明るい色調で、とても開放的な雰囲気です。ガラス越しに、外の風景や、隣のお花屋さんも見えるようになっていて、気軽に立ち寄れる、街のサロンという感じの場所です。
他の「リボンズハウス」は大きな病院の中にあることが多いのですが、「キャンサーリボンズ」副理事長の岡山さんは、「しんゆりリボンズハウス」のように、街中、例えばショッピングモールの中にあって、気軽に入れるようなところに今後は増やして行きたいと話していました。(下の写真はNPO法人「キャンサーリボンズ」提供)
▽ビューティ・コーナー
山崎多賀子さん(乳がん体験者の美容ジャーナリスト・キャンサーリボンズ理事)チョイスの化粧品や、ワンポイント・レッスンのメモなどが並ぶ。
セルフエステやネイルケア、ハンドマッサージなどを体験できる。(実施日はホームページなどで確認して下さい)
▽カラーコーディネイト・セミナー
顔色を明るく、華やかに。
関連情報・お問い合わせ先
- NPO法人「キャンサーリボンズ」
http://www.ribbonz.jp/