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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

車椅子でも海釣りOK!!

放送日:2007年06月16日
船の後部で釣りを楽しむ
船の後部で釣りを楽しむ
車椅子でも乗れる「釣り船」が各地に登場し、インターネットや口コミで広まっています。平井麻枝子・情報キャスターが東京湾に面する横浜市の「金沢漁港」で取材しました。
「金沢漁港」に立ち並ぶ10軒ほどの船宿の中で、車椅子でも乗れる釣り船があるのは船宿「忠彦丸」。取材した日は、午前7時半の出港を前に、車椅子に乗った横浜市在住の54歳の男性とその仲間が釣り竿の手入れや身支度などの準備をしていました。この男性は10年以上釣りの経験があるということですが、交通事故で車椅子生活になってからは初めての「海釣り」です。
船宿のある岸壁から浮き桟橋までは段差がなく、車椅子で行くことができます。その後まず、車椅子だけを船に乗せ、それから船宿のスタッフや仲間たちが男性を支えて、「第39和彦丸」に乗り込みました。
釣れそうになると、平井キャスターも思わず身を乗り出す
釣れそうになると、平井キャスターも思わず身を乗り出す
男性が乗り込んだのは比較的波もかぶりにくく、揺れも少ない船の後ろの方です。そこで、車椅子に座ったまま、釣り糸をたらします。誘った仲間の男性は「もともと釣り仲間で、こういう状態になってからも、行こうねって言っていたんです。この船宿にもよく来てたんだけど、インターネットで何が釣れるかな?と見てみたら、車いすでも乗れると書いてあったから、誘ったんです」と話します。
車椅子の男性は、釣りは2年ぐらい休んでいたということで、最初はちょっと不安そうな様子でしたが、徐々に調子が出てきました。横浜八景島シーパラダイスが一望できる海で、ちょっと雨交じりのお天気で波も少し高かったんですが、およそ4時間、おしゃべりをしながらも、真剣モードで釣りを楽しみました。「釣果」はかさご1にあじ4。「疲れました。帰ってお昼寝したい」と話しますが、とても楽しそうでした。また一人、「忠彦丸」に車椅子の常連さんが増えそうです。

車いすを乗せられるように改造されたクルーザー船
車いすを乗せられるように改造されたクルーザー船
「忠彦丸」の黒川和彦さんは代々金沢漁港の漁師ですが、漁業の衰退への危機感から漁港をなんとか活気付けたいと思い、数年前にクルーザー船を購入しました。クルーザー船は普通の釣り船より後ろのほうが広いので、そこにちょっとした工夫をしたんです。一番後ろの座席を取り払うと、広くフラットなスペースになり、車椅子を最大3台並べることができます。また、普通の船宿の「桟橋」はたいてい階段になっています。そこで、魚を台車で陸揚げするためにスロープになっている漁港の広い浮き桟橋を利用して、車いすで船のそばまで行けるようにしたんです。
黒川さんは「交通事故とかで、急に足が駄目になっちゃったりすると、自分でどうしたらいいか、夢がなくなると思うんだよね。夢をそういう人たちに与えるのも自分たちの商売でしょ? 仕事のうちに入るんだから、アシストしてあげようかな?というのが一番のきっかけでした」と話します。
改造して、すぐにやってきたのは「ネットで見た」という10代の若者2人。その2人から、口コミで広まっていき、今では、車椅子のお得意さまは40人近いそうです。口コミでそこまで広がるということは、それだけ車椅子になっても釣りをしたい、という人がたくさんいるということ。「他のお客さんの迷惑にならないか、とか遠慮せずに気軽に参加してほしい」と黒川さんは話します。
黒川さんは横浜市漁業協同組合の副組合長(金沢支所長)もつとめています。漁港全体の取組みにもしたいし、行政にも協力してもらいたいと話していました。また、認知症のお年寄りにも、船に乗って海の空気をいっぱい味わい、元気になってほしいと、現在参加者を募っているそうです。形にしたいアイディアはどんどん膨らんでいるようです。こうやって、「海のバリアフリー」が進んでいけば、黒川さんの希望どおり、金沢漁港もきっと賑やかになってゆくでしょう。

同じような試みは、まだ少ないとはいえ、各地の漁港や海釣り公園などで着実に広がってきているようです。「さらにたくさんの人が海を身近に感じ、海を楽しめるようになればいいな」と思った平井キャスターでした。

問い合わせは金沢漁港の「忠彦丸」 045−701−3086