土曜朝イチエンタ。堀尾正明＋PLUS!│人権TODAY

3/12　『聴覚障害者に異常を知ら...』

堀尾正明（ほりおまさあき）

生年月日：1955年4月24日
出身地：埼玉県
趣味：ゴルフ

大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀（ながみねゆき）
TBSアナウンサー

生年月日：1963年6月28日
出身地：埼玉県
趣味：演劇鑑賞、相撲観戦

●出身高校：埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学：立命館大学　文学部　中国文学科
●身長：153cm
●血液型：O型
●入社年度：1987年

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

コンビニのような気軽に寄れるクリニックを目指す

放送日:2007年04月28日

去年の１１月に新宿駅西口に「コラボクリニック新宿」という診療所がオープンしました。東京大学や早稲田大学、多摩美術大学などの学生たちが協力して作ったクリニックです。｢コラボ｣という名前は、「学生と医師、そして患者さんのコラボレーションで作り上げていく診療所にしたい」という願いが込められています。

インタビューに答える城口洋平さん

このクリニックが生まれたのは、東京大学２年の城口洋平さんが去年、ゼミの先生から「日本の医療を便利にしてみないか」と問いかけられ、手をあげたのがきっかけだそうです。城口さんは中村愛美・情報キャスターのインタビューに「駅前だったりとか、便利な場所にちょっとした病院があって、大きな検査は必要としていないんだけど、ちょっと体調が悪いときに診に行ける。例えば、自分の体の血糖値だったり、血圧だったり、少し調べに行ける。そして、仕事帰りとか、24時間とは言わないですけれども、好きな時に行ける。そんなコンビニのようなクリニックがありえるんじゃないかと思ったんです」と話します。
城口さんは同じゼミの学生を中心に仲間を集め、開設のための最低限のお金はゼミの先生が出資しました。「つて」をたどって、研究所や病院に勤務している医師に医療面のバックアップや、診療のアルバイトを頼みました。
場所は、通勤客が多い新宿駅の西口から歩いて３分のオフィスビル。診療時間は、会社員が仕事帰りに寄りやすい平日の午後６時から午後９時までにしました。
そして、診療の仕方にも学生達は様々なアイディアを出しています。例えば、診察する医師は１人ですが、診察室は２つあります。一つの部屋で患者さんの診察をしている間、もう一つの部屋では順番待ちの患者さんに看護師が問診をするんです。患者さんは「待たされているという感じ」がなくなり、診察の効率もあがるという効果を狙っています。
また「問診票」も工夫しています。せき、頭痛、腹痛、だるいといった症状を、ない、少しある、辛い、ひどい、などの４段階に分けて丸をつけるんです。「咳がひどいけど、鼻水も少し」という感じで症状が複雑だと、うまく医師に伝えられないことがありますが、全体的な状況を一目で分かるようにする効果を狙っています。結果、医師と患者さんのコミュニケーションをより密になるわけです。中村キャスターが取材した日が担当だった田中祐次医師は「僕ら医師からはこのアイデアはでないんです」と話します。ただ、田中医師によりますと、学生のアイデアだけではなく、街で会社員にアンケートをとったり、看護師や医師のアドバイスを取り入れて、改善してきているそうです。まさに学生と医療従事者、そして患者の「コラボレーション」なんです。

「コラボクリニック新宿」を取材する中村キャスター

学生達は医療に関する経験や知識は余りありませんが、様々なアイデアを持っています。医師も交えたミーティングを週２回、経営会議を月１回開くほか、ひんぱんにメールで連絡をとったり、議論をしています。４月の初めに東京大学医科学研究所の一室で開かれたミーティングに中村キャスターも同席させてもらいました。最近加わったばかりで、クリニックのホームページなど主にインターネット関連を担当している東京工業大学２年の高畑さんは、「こういう会議があったりとか、本気で考えるってことは普通のバイトじゃできないこと。すごい大きなことを任されていることに楽しみを感じます」と話します。
問診票や、クリニックの内装、診察券のデザインを担当した東京芸術大学大学院の古賀さんは、「デザインを専門にしている人たちで集まってやってると、美しさを求める方向に行きがちなんですが、こっちでは、美しいかもしれないけど使いづらいとか、率直な意見が聞けるのが、最初は抵抗があったんですけど、今はありがたいです」と話します。古賀さんは、「コラボクリニック新宿」に参加して以来、公共に役立つ、社会性のあるようなデザインの仕事に関わっていこうと思うようになったそうです。
また、取材した日に診療所の受付を担当していた早稲田大学２年の山田さんは、患者さんに安らぎを与えるような対応をしたいので、独自の「接遇マニュアル」を作ってゆきたい、と話していました。すでに何回もモデルチェンジしているという「コラボクリニック新宿」ですが、これからも患者の声をもっと取り入れて、より良いものにして行きたいということで、ミーティングでの活発な議論に中村キャスターも圧倒されていました。

患者の視点を医療に生かそうという動きは様々ですが、この「コラボレーション」も１つのヒントになりそうです。

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