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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

高次脳機能障害をご存じですか?

放送日:2005年10月22日
「ナノ」の集まりで話し合う患者の家族たち
「高次脳機能障害」という障害があります。身体の障害のように目に見える障害ではなく、脳の中で記憶や感情を司る部分「高次脳」が傷ついたことによって起こる障害です。
具体的には、「ものを覚えられない」とか「計算ができない」。他にも症状は様々で、「感情を抑えられない」とか「急に怒りっぽく」なるという人も中にはいます。
「高次脳機能障害」への理解はまだまだ進んでいません。見た目にわかりにくいので、例えば忘れっぽくなったり、職場で会議に集中できなくなったりすると、周囲から「怠けているのでは」と誤解されることも多いということです。法律も未整備ですし、最近までは医者の間でも認知度が低く、障害の診断基準も決まったばかりです。そのため、医者が正確な診断をすることが出来ず、障害者手帳がとりにくかったり、公的な介護サービスが受けられず、患者を抱える家族に経済的・肉体的に大きな負担がかかっていました。
これまで声をあげてきたのは、患者とその家族たちです。今回取材した「ナノ」というサークルは、埼玉県の三郷市周辺の患者と家族を中心に活動しています。週に1回集まり、お茶を飲みながら和やかなムードで近況を話したり、時には真剣に病院やリハビリセンターの対応について、それぞれの体験を話し合ったりして情報を交換します。
この日参加していた女性はご主人が重い高次脳機能障害を負っています。「主人が再び就労することは難しいとわかり、何とか在宅介護でもやっていきたいと思っていたところ、このサークルに出会いました。心穏やかに生活できる場所を求めている人たちが私と同じようにいることがわかって嬉しいです」と話していました。周りに同じような障害を持つ人がいるかどうかもわからず不安だった家族にとっては心のよりどころになっているようです。
また、「ナノ」の代表谷口真知子さんは息子さんが重い障害を負っています。「障害を負った息子を抱えて、どこにも行く場がありませんでした。私のように介護している人が集まれる場所を作ろうと思ったのが動き出した直接の動機です。障害をもった人を私達家族だけで抱えるのではなく、できるだけ多くの人にかかわってもらえる活動に広げていきたい」と話していました。
「ナノ」ではキャンプをしたり、お祭りに参加して親睦を深めていますが、この障害に理解を持ったボランティアも参加していますし、専門医も参加して医者の立場からアドバイスや障害者手帳を受けられるように支援をしています。谷口さんは、「将来は家族だけで患者の介護を抱え込まないで、暮らしていけるような仕組みを求めて行きたい」と話していました。
もちろん、比較的軽い症状の患者の中にはリハビリが上手くいって元の仕事に戻ったり、元の仕事でなくても働くことはできるようになった人もいます。ただ、診断基準ができたのが今年というように、理解のある医者や治療やリハビリのできる病院はまだまだ少ない状況です。
厚生労働省の推計で患者は現在、全国に少なくとも30万人といわれます。交通事故や水の事故は減らない一方、緊急救命医療の進歩で、患者の数は年々増加しています。「高次脳機能障害」への理解がいま求められています。