過去の議事録

2011年5月23日(月)開催 第92回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
「森本毅郎 スタンバイ!」 5月12日放送分について

出席者(敬称略)

委員長山野 勝 
副委員長田中珍彦 
委員萩原健太 谷川真理 水科孝之 二木 薫 
(宮台委員欠席)

局側出席者

 加藤 社長

 橋本 番組審議会事務局長

 入江 取締役

 鯨井 プロデューサー

 大庭 ディレクター

委員の主な発言

◇冒頭の「ヘッドライン」のマーケット情報の部分で、為替の解説の方が後半になるにつれてすごく早口になってきて、6時台という時間帯を考えると、ちょっと聞いているほうとしてはテンポが早過ぎる気がしました。

◇番組全体のトピックとして、放射能汚染、東電支援、浜岡原発など、国民の関心の高い話題が多くて興味深く聞けたんですけれども、ただ、国際的なニュースより若干ドメスティックなニュースに偏っている印象を受けました。

◇長寿番組ということで、全体的に安定していると思います。安定している反面、「現場にアタック」とか「日本全国8時です」というコーナータイトルの古い感じというのは否めないかなとも思いました。
あとは、このコーナーがあるからこの番組を聞くという感じではなくて、全体的にその番組が好きで聞くというのはわかっているんですが、例えば先月取り上げた「大沢悠里のゆうゆうワイド」の毒蝮さんのコーナーとか、「デイ・キャッチ!」だったら「デイ・キャッチャーズボイス」とか、日がわりコラムの「メキキの聞き耳」とか、このコーナーを聞きたいなというものに欠けるところもあるのかなという感じがしました。

◇「聴く朝刊」をコンセプトにということで、朝の番組としてはニュースを中心として森本さんとアシスタントの遠藤さんの声が非常に落ちついていて、聞きやすくてよかったと思います。どこをどうしてほしいとか、そういうのがほとんどないという感想です。

◇全体の論調というか、ある方向に、森本さんたちはこちらなんだなという感じは何となく受けるんですけれども、すごくフラットに伝えている印象が強いですよね。それでも、実際はちょっとこちら寄りだなとかいうのをよく聞いていくとわかるんです。非常にフラットにそういうのを伝えているように見えるところが、長所でもあり短所でもあるみたいに感じたのは事実です。だから、若干その危険性も含めてですけれども、この人はこちらという感じの多少乱暴なプレゼンテーションのほうが伝わりやすいというところもあるんでしょうけれども、それをあえて排しているような感じの見せ方になっているので、そこがどちらに転ぶのかなというのがちょっと気にはなりました。でも、森本さんというのはそういうスタイルなんだろうなとは思いました。ただ、何となく、これがフラットだと伝わるのも怖いなという感じはちょっと受けました。

◇「スクランブル」というとコーナーで、ロシアの北方領土侵略の話を取り上げていました。これは、震災の前から僕は随分気になっていたことで、大体ロシアと日本はうまくいっていないわけですから、政治としてはもう少しちゃんと対応すべきじゃないかというのが思っていたことだったわけですけれども、この震災によってそれが全部後ろに引いてしまっていて、引いている間にロシアはさまざまなことをやっているわけです。報道も政治もそうですけれども、大事なものを1点だけやっていればいいという話ではないと思っている中で、ここで転じてロシアの問題を表に出してくれたということは、僕にしてみれば、他のいつも聞いている同じようなものの中では喝采に値するんじゃないかなという気がいたしました。

◇余り文句を言うところはないんですが、例えば22年間続けて、制作側とすると、もっと新しいものをつくろうと考えがちになると思います。私は全然これを変える必要はないと思うんですけれども、新しいものを作るとなると、この2人を外して違う人でやるしかないのかなと思います。つまり、この2人の段階で、小手先であそこをいじって、こちらをいじってどうするという問題ではないのかなと思います。誤解のないように申し上げますけれども、この番組をやめろというのではなくて、基本的にそれほど完成形に近い形にあるのかなと思いました。

(TBSラジオ番組審議会事務局)