過去の議事録

2010年3月23日(火)開催 第80回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
「Science Xitalk(サイエンス サイトーク)」

出席者(敬称略)

委員長山野 勝 
委員宮台真司  萩原健太 野地秩嘉 谷川真理 高尾佐姫子
(田中副委員長欠席)

局側出席者

 加藤 社長

 入江 取締役

 水野 番組審議会事務局長

 崎山 プロデューサー

委員の主な発言

◇ラジオにこんな番組があったのだ、と今までにない新鮮味を感じました。日曜の夜9時からの30分間、ゆっくりと楽しく面白く聞かせてもらいました。

◇ゲストの人選が素晴らしいと思いました。この日の岩田さんの話も分かりやすくエピソードも豊富で、非常に興味深く聞かせてもらいました。

◇非常に良心的な番組だと思いました。薄っぺらな情報ではなくて、もっと深いものをじっくりと聞かせる、ひとつのテーマについて専門的な立場からなるべく分かりやすい言葉で語ってくれる、これが素晴らしいと感じました。この手の科学番組は、NHKのテレビで少しやっているくらいでラジオではほとんど無いだけに、ぜひ長く続けていってほしいなと思いました。

◇科学のそれぞれの分野の専門家であるゲストに対して、受け答えする日垣さんが素人としての感想を言ったときの方が聞きやすく、専門家同士の話のようになったときは距離が遠くなったと感じました。

◇今回のテーマでは、感染症それ自体の話がもっと出てくるのかと思ったのですが、いろいろな事柄がメディアを通じてどう広まっていくかという話と、一般的なリスクをどう回避するように考えればいいのかという話に終始していたところが、少々物足りなく感じました。しかし全体としてはとても面白く聞けました。
こういう番組が長年に亘ってしっかりと続いていることを心強く感じました。

◇ラジオを含めたマスメディアは、可処分時間から考えてインターネットメディアを競争相手とするのはもう無理だと思います。むしろ人々のインターネットライフにうまく埋め込まれるように、組み込まれるようにポータル化していく、これが大事だという気がします。だから番組はかっちりとディープに作ってほしいのです。そうすることによってポータルになれるし、ネットワークのハブになれる。ハブにならないと可処分時間から考えて生き残れないと思います。
「Science Xitalk」が、番組がスタートした11年前からインターネットやポッドキャスティングを利用してきたのは大変良いことだと思います。そうした流れを前提とすれば、例えば、「この問題についてもう少しお知りになりたい方は、番組のウェブサイトにアクセスしていただければ、いろいろなデータベースにそこから飛ぶことができます」といったようなアナウンスができればいいのかなと思いました。

◇サイエンス番組の肝は、もちろん目からうろこが落ちるというところにあるのですが、うろこの落ちる方向が人々の不安を煽る方向ではなく、クールダウンする方向にあるということが大事なのだと思います。マスメディア全体が、不安を煽ることによってポピュラーになるという法則を使おうとする中で、むしろ、煽られた不安を癒したり、クールダウンするマスコミの存在理由が出てくるのだと思います。

(TBSラジオ番組審議会事務局)