過去の議事録

2008年6月23日(月)開催 第63回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
「宮川賢のパカパカ行進曲!!」

出席者(敬称略)

委員長山野 勝 
委員宮台真司 萩原健太 野地秩嘉 谷川真理 海東めぐみ
(田中副委員長欠席)

局側出席者

余田 社長

入江 取締役

水野 番組審議会事務局長

池田 プロデューサー

河野 経営企画室長

番組内容について

『宮川賢のパカパカ行進曲!!』は土曜日の午後3時から4時55分までの生放送。番組のスタートは2001年4月。週に1回はバカを吐き出してすっきりしようというコンセプトのもとに始まった。平日やった失敗も週末に告白してすっきりすることによって、週明けから新しい1週間を送っていただこうという番組。これまで出場した人の面白い話を集めたCDも、この夏発売のもので第4弾。第1弾と第2弾は全日空の機内サービスに採用していただいた。

委員の主な発言

★ すごく好感を持って最初から楽しく聞かせていただきました。宮川さんは、ツッコミとか言葉がとても荒いんですけれども、私にとっては全然嫌味ではなくて、すんなりと入っていけました。
★ 2時間、失敗談で聞いていると、もちろん相手さんは素人さんですからうまく喋れない。それがいいことでもあるんですけれども、飽きてくるという部分もすごくあって、その部分で2時間ずっと聞いているのは、私にとってはちょっと難しかった。
★ 私も電話で取材とか受けさせていただいたことがあるんですけれども、自分の言いたいことがめちゃめちゃになっちゃったりする場合がたまにあるので、素人でも本当に上手に話されているなと感心しました。
★ 最近のブログの文化なんかでもそうなんですが、何でそんなにみんなに自分のことを面白いと思って公開しているのというようなことにちょっと疑問を持っているもので、この手の聴取者の失敗談みたいなものを電話で話すという企画だと少し抵抗があります。
★ 昔に比べれば何となく面白いというか器用な喋りをする素人さんも増えているんですけれども、やっぱりスキルはないですから、スキルがない分、下ネタに走るし貧乏ネタに走る。その辺がトゥーマッチな感じで、面白くなくなっちゃいました。
★ 途中で宮川さんがまとめて全部紹介するコーナーがあるじゃないですか。あれで十分足りているじゃないかと思いました。
★ 一番面白かったのは、かなり年齢いっているのにフリーターが多いという、逆に今の日本のやばい状況みたいなのがこういう番組を通して、その人たちに危機感がないというのもやばいことだなというのも含めて、これは2〜3年後相当やばいことになるなということが伝わってきたのが一番興味深かった。
★ 下ネタが多くて素人臭いわけですけれども、そのことをまさに含み込んだ形で、場として機能しているなという気がするんです。とりわけフリーターや無職がふえつつあるということも、それがまさに場として機能していることをよくあらわしているという気がいたします。
★ フリーターメディアというかワーキングプアメディアみたいな、そういう方向で包摂的に展開していく。キーワードは、ある程度緩いということ。素人っぽさがあって、なおかつちゃんと包摂的に機能して、それで場を組織する人間というのが、宮川さんだけど余り主張しない。場のコーディネーションに比較的気を使い続けるという形ですね。その意味で言うと、すごく伝統的な形をとっているようでいて、やっぱりすごく今っぽい番組だと思いました。
★ 声はでかいんだけど元気いっぱいじゃないんです。そのだるい感じが何かまた聞きたくなるんです。オンとオフで言えば、これはオフの番組で、だるくなりながら笑う。笑いながら何となく力が抜けていくような感じでいいと思うんです。
★ ばかばかしい話なんですけれども、話の後ろ側にある人生の哀歓というんでしょうか、話している人はどういうふうに生きてきて、今どうなっているかなという、その人生模様が何か見えてくるような感じがするんです。平凡な人生を生きている人の中にも何か生き生きとしたものもあるし、また悲しいものもある、そういうものが見えてくるというのが、何となくこの番組を支えているのかなと思いました。

(TBSラジオ番組審議会事務局)