過去の議事録

2008年4月28日(月)開催 第61回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
「MIXUP」

出席者(敬称略)

委員長山野 勝 
副委員長田中珍彦 
委員宮台真司 萩原健太 谷川真理 海東めぐみ
(野地委員欠席)

局側出席者

余田 社長

入江 取締役

水野 番組審議会事務局長

三宅 プロデューサー

河野 経営企画室長

番組内容について

『MIXUP』は土曜日の深夜2時から4時までの放送。パーソナリティーは中村貴子。「新たな音楽との出会い・人生を豊かにする音楽との出会い」をコンセプトに、もっともっと音楽を好きになることを目標に掲げて放送している番組です。中に「坂本真綾 地図と手紙と恋のうた」というコーナー番組を内包する2時間。番組開始からちょうど2周年。

委員の主な発言

★ 曲の最初から終わりまで全部聞かせてもらえるというのは、すごくいいんじゃないかなというのを感じました。ジャンルもいろいろ新曲があったり懐かしい曲があったりと幅広く富んでいたので、それもそれなりに楽しめたということは感じました。
★ 音楽についての情報がもう少しあるといいのかなと思いました。
★ 「MIXUPアーティスト」のところで、中村貴子さんは大橋卓弥さんの個性、パーソナリティーをちゃんと引き出していて、素晴しいインタビュアーだなと思いました。
★ 音楽シーン全体の中でスキマスイッチがとっている位置、あるいはとろうとしている位置、あるいはそこで得ている評価、あるいはそこで得ている評価が作っている意図と一致しているのかどうかといったようなことが知りたいと思います。作り手からすると、狙いと、狙い通りかどうかについての自己評価ということでしょうか。そうしたことが少し入ってくるとコミットする人もそうでない人も聞けるような雰囲気になるのかなと思いました。
★ 音楽を完奏するということも含めて、余り奇をてらった構成にもなっていないですし、きっちりつくられていると思うんですが、アーティスト寄りといいますか、批評性がないという部分が気になりました。
★ 今、音楽はインターネットを通じてパソコンなどを使って受容するというのが普通のパターンになってきている中で、ラジオの持っている役割というのは、もっと出会い頭の異化効果というんですか、「何だこれ、全然わからねえな」「全然面白くねえな」とか思っても、それが後になって熟成されてきて、自分の中で、あれはこういうことだったんだというのがようやくわかるみたいな、その1つのとば口としての役割があってもいいんじゃないかと思います。
★ DJの声をなるべく少なくして本当に音楽だけを2時間たっぷり聞かせてもらえるようなのもいいんじゃないのかなと感じました。
★ きちんと構成された音楽番組をAM局で流しているということにびっくりしました。音楽と言えばFMというイメージがいまだにあるもので。
★ 他の歌番組なんかだったら、時間がなくてカットされるようなコメントを、ちゃんと短い時間の中で端的に表現されていて、特別にファンじゃなくても、とてもわかりやすくて好感が持てる曲紹介とかインタビューを流されていたなと思いました。
★ 坂本さんのコーナーというのは誕生日で盛り上がっていましたから、特殊な日だったんだろうと思いますけれども、何のためにあったコーナーなのかなと違和感がありました。
★ 坂本さんのコーナーは、戸田恵子さんのメッセージが非常に心がこもっていて、ジーンと来ました。坂本さんも発声がすごくきれいですね。言葉の表現の仕方がきれいで、私は、特にこれは音楽には関係なかったかもしれませんけれども、なかなか温かい雰囲気が出てよかったかなと思いました。
★ 今のテレビの音楽番組のあり方は、喋りが面白ければファンがつく、喋りが面白くないと売れないみたいなそういう方向性が危険性をはらんでいると思うんです。だから、もっと音楽そのもの、どんなに嫌なやつがやっていてもいい曲はいい曲だというのを根底にしたほうがいいような気がするんです。どんなにいい人でも、曲がつまらなかったらつまらないということをわからせる番組であってほしいと思います。非常に難しいことですけれども、その心意気みたいなものがどこか根底にあってほしいと思います。

(TBSラジオ番組審議会事務局)