過去の議事録

2007年1月22日(月)開催 第48回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
「久米宏 ラジオなんですけど」

出席者(敬称略)

委員長吉越浩一郎 
副委員長山野 勝 
委員宮台真司 萩原健太 野地秩嘉 田中里沙 多田羅万由美

局側出席者

清水 社長

余田 編成制作局長

入江 番組審議会事務局長

河野 経営企画室長

中村 プロデューサー

番組内容について

久米宏氏が21年ぶりにラジオに復帰。アシスタントは小島慶子アナウンサー。土曜日の2時間生放送。オープニングで毎週必ず久米さん自身が赤坂近辺で生レポート。それに続く主な内容は「今週のエンターテインメント」テレビ、映画、音楽だけでなく、社会、年賀状、カラス問題など幅広いテーマについて語り合うコーナー。「今週のスポットライト」今回は田中眞紀子さんですが、特に有名人にこだわっているわけではなく、南極の極地研究所の人など、有名・無名を問わず現場の話を持っている方に30分という時間をかけて聞いてみようというゲストコーナーです。

委員の主な発言

★ この回のときは安倍総理の「美しい国へ」という本でしたし、先週は「武士の一分」を取り上げていましたけれども、世の中の評価がそれなりに定まっているテーマを取り上げるのは、時間が経てば経つほど難しいことですし、相当深くないとやっても意味がなかったりとか、やる方も非常に勇気が必要だと思います。
★ 田中眞紀子さんのトークの中にも、小島慶子さんがいいさじかげんで入っていらっしゃるので、非常に力のある方だと思いました。
★ 聞いた話が物すごく後に残る番組です。こんな話を言っていたなということが鮮明に残る番組は珍しいですね。
★ TBSというのはもともと比較的リベラルな局イメージがあります。それが特に若手のスタッフによってつくられた一連のニュースバラエティー番組の色を与えていると思います。そうしたTBSラジオの特性を考えたとき、久米宏さんがラジオに21年ぶりにお戻りになる、しかもこの時期にお戻りになるということは非常にエポックメイキングというよりもドンピシャですね。
★ 久米さんの力を信頼して、比較的久米さんの立場とは違うような人たちに意見を言わせてみて、リスナーに考えさせるようなところがあると、もっといいのかなと思いました。例えば「美しい国へ」を取り上げるときは、安倍晋三さんのファンとか強力なサポーターである政治家とかにあえて意見を言わせるところがあった方がいいのかなという気がするんです。
★ 僕はどちらかというと、もっと言っちゃえばいいのになと思いました。バランスをとらなくていいんじゃないかなということなんですけれども、テレビで出来ないことをやると言っているこの番組の1つのコンセプトみたいなものに対して、ちょっとぬるい感じを与えてしまっていたかなというのを感じました。
★ 久米宏という人の個性を容認できる人にはとても楽しいんでしょうけれども、それがちょっと鼻につくという人にとっては結構きついものがあるのかなと思います。ただ、それだけ久米宏という個性がよく出た2時間だと思いますので、それはそれで楽しめると思います。
★ 一番感じたのは、テレビとラジオとメディアの違いというか、同じ人が違うメディアに出ているのに、ラジオは久米さんが冒頭から楽しそうに喋っていて、その楽しさが伝わってきたというのが一番意外というか驚きでした。
★ 田中眞紀子さんが、小さい時には植木屋さんになりたかったという話は意外でしたし、久米さんがパイロットになりたかったというのも、これなんか私にとっては初めて知った情報ですね。
★ 私、久米宏はテレビで見ていて、何だか嫌だなあと思っていたんですが、今回聞いて、なかなかのものだなと見直してきたんですね。ということは、テレビでは彼自身が表現できないものが何かあるんじゃないかと思うんです。
★ インタビュアーとして目立ち過ぎるというか、確かに聞き手じゃないんですね。話し相手であって、同格の立場で相手と話している。それはそれでもまたいいんじゃないかなという気がします。やっぱり彼はここから出発したんだなという、原点がすばらしいものがあるなというのはこの回を聞いて思いました。

(TBSラジオ番組審議会事務局)