過去の議事録

2006年5月22日(月)開催 第42回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
「〜ちょいモテおやじ養成番組〜ものほん」

出席者(敬称略)

委員長吉越浩一郎 
副委員長山野 勝 
委員萩原健太 野地秩嘉 田中里沙 多田羅万由美
(宮台委員欠席)

局側出席者

 清水 社長

 大沢 取締役

 入江 局長

 千葉 番組審議会事務局長

 安村 番組審議会担当部長

 坂元 プロデューサー

番組の説明について

4月3日に始まりました新番組で、2時間の生放送です。一応、対象としては50歳の男性というターゲットを考えて番組をスタートしました。タイトルにあります「ちょいモテおやじ」という言葉なんですが、今、世の中で言われている「ちょいワル」という言葉ではなくて、「ちょいモテ」というふうにあえてしているんですが、「ちょいワル」というイメージが、どうしても皮ジャンであったり、破れたジーパンを履きましょうみたいなイメージが強くて、さすがに50歳の、現在働いている方にその格好はできないだろうということで、そこまで求めるのはどうだろうと。
それより、もうちょっと下げて、もうちょっと格好いいファッションであったり、遊び方であったり、休日の過ごし方であったり、趣味であったりというものが提案できないだろうかというコンセプトで、「ちょいモテ」という、ちょっとソフトな感じのタイトルにしています。
「ものほん」というのは、いわゆる業界用語ではありますけど、「本物」ということで、今の50歳ぐらいの大人たちが若いころにあこがれたオートバイであったり、ファッションであったり、かつて大人がやっている格好いいとあこがれたものをいま一度検証をしてみて、なぜあのときに、若者であった人たちがそれにあこがれて、今でもまだ一流品として残っているものはなぜ一流なんだろうかというところを改めて掘り下げてみると面白いのではないか。そんなうんちくを番組でご紹介することによって、今の大人たちが、どこか酒飲み話の席でもいいので、「こんなこと知ってる?」というようなうんちくをちょっと語れるだけで、ちょっといかした大人のふりができるのではないだろうかというものが提案できればということで番組をつくっております。

審議委員の主な発言

★ たまたま車の中で聞いて、夜景の話やイベリコ豚のハムの話などテレビと違って、想像しながら聞くのが楽しかった。また、イベリコ豚のハムの話はわかりやすく、食べてみたいと思いました。

★ モツの話を聞いて、食べに行ってみたいという気になりました。また、モツ料理が戦後に始まったと聞いて新しい知識として人に語れるなと思いました。

★ 音楽は60年代、70年代の曲が中心で、多少聞いたことはありましたが、あまり知りませんでした。

★ アシスタントの鳥越さやかさんは以前J‐WAVEに出ていましたが、その時より落ち着いていて、すごくよかったと思いました。

★ 今回聞いてみて、TBSラジオの個性というものが少しわかりました。FM局と比べて聴いてみると、FM局はパーソナリティーの放し飼いみたいな感じで、TBSの方は制作者の手がすごく入っていてきっちり、まじめにやっているんだなというのが伝わってきました。

★ 情報番組での情報の扱い方について、薀蓄をたくさん語るというのはいいと思いますが、向く人と向かない人がいると思います。イベリコ豚の先生は学校の先生のようでいかがなものかと思いました。

★ 昔の話を昔の情報として扱うと、なにか同窓会みたいな感じがします。現在との接点を考えて取り扱うのが大切だと思いました。特にハンチングの話にそういうものを感じました。

★ 普段(火曜〜日曜)は野球をやっている時間で、そういったリスナーに向けているのか、そうではないのか聞いている人の顔がちょっと分かりにくいと思いました。

★ 大人の情報というのであれば、音楽とか広告とか、もう少しソフィスティケイトされたかっこよさげなものにした方がいいんじゃないかなと思いました。

★ プレゼントの当選確率がラジオはテレビに比べて高そうな気がするので、もっとプレゼントをやったほうがいいと思いました。

★ 交通情報に比べて天気予報が少ない気がしました。天気予報はラジオにとって重要な情報のひとつだと思いますし、もっと天気予報を上手に入れてもらえると実用的だと思いました。

★ 昔の情報の扱い方について、私はそれはそれでいいと思いました。今の若い世代にへりくだる文化というのは必要ないと思いますので、堂々と古い世代が古い情報を扱うことはとてもいいことだと考えます。音楽にせよ情報にせよある意味、提案になっていて面白いと思います。

★ 「ちょいモテおやじ養成講座」というコンセプトに対して、出演者の2人が<養成する側>なのか<される側>なのかが明確ではない気がします。ゲストを迎えたところでは、<される側>になっていいと思いますが、それ以外のところでは<する側>にまわって、その見識が非常に薄っぺらい付け焼刃的な感じが気になりました。

★ 音楽がたくさんかかってよい感じはありましたが、鳥越さんのアーチストの紹介が不十分であったり、メールのリアクションがリスナーとのキャッチボールになっていなくて上滑りのような気がしました。

★ 音楽の合間に入る当時の流行を語る部分も、ちょっと知ったかぶりというか共感みたいなものが伝わって来ない気がしました。知らないことは知らないなりに「なるほど、こういうことがあったのか。」と事実を提示するほうがよいと思いました。

★ 昔の情報や当時の曲の取り上げ方が中途半端で、タイトルの「ものほん(本物)」というテーマとは少しかけ離れているような気がしました。

★ この番組でモテるおじさんが養成できるかは疑問ですが、おじ様達の生活に楽しみを提供する上では大いに役立っていると思いました。

★ 生活のちょっとしたことへのこだわりが、薀蓄として1つ1つのコーナーになっていて、そのコーナーのイントロのような説明が「ものほん」のコンセプトにもなっていると思いました。また、その説明による雰囲気作りが楽しいなと感じました。ラジオドラマは落ちがすごかったです。

★ 難波さんの仕切り方が、流していく感じでラジオっぽくなく、テレビに近いような気がしました。

★ イベリコ豚の話はよく聞く話なので、重いナァと思っていましたが、専門家のお話を聞くと、なるほどなと思いました。ただ、やはり、詳しく深くというよりは、さらりと流して仕切っていくように、ちょっと感じました。

★ メール紹介のところでは、新番組なので、どこでどうゆう聞かれ方をしているのかリスナー像がもっと出るとリスナーのマインドが高まって、リスナーが広がって、番組のブランディングにもつながってゆくのではと感じました。

★ 1つ1つのコーナーがよく出来ているので、どこから聞いても楽しめて、きちんと作られているのでターゲットの50代の心をガシッと捕らえられる番組だと思いました。

★ 音楽は素敵な曲がかかって楽しめましたが、時間の関係で途中までしかからず、短かったりして残念でした。しかし、番組としてはまた聞いてみたいと思いました。

★ 大きく分けて、[おとなミシュラン]、「大人塾」、「ユトリロ主義」、「おとなの夜話」、「ショート・ショート・ミステリー」の5つぐらいのコーナーがありますが、「おとなの夜話」がこの番組の主旨に一番あっていると思いました。

★ 「おとなの夜話」のスポーツコレクターの前野重雄さんの話は特におもしろかった。大人のこだわった価値観とかある種の少年性のようなものがよく伝わって来て一番面白かったです。

★ 原口まさあきさんの「赤坂エンタメ情報」は、ここだけ、今風の話で、大人の流れで来ていて、なにか全体の流れを断ち切る感じがして、少し違和感がありました。ですから、最後に持っていった方がいいのではと感じました。

★ 「おとなミシュラン」でイベリコ豚、「大人塾」の方でモツ料理と料理が2つ重なりましたが、イベリコのほうはよく分かりませんが、モツの方は、具体的な店名なども出て来て好感が持てました。50歳くらいの人は世代的にはイベリコよりモツのような気がしました。

★ 音楽情報でよかったのは、曲をかける前にその当時の流行語などを紹介してくれるところです。ただ、日本の曲もかけて欲しいと思いました。

★ 薀蓄に関してはもう少し深みのある話が欲しい気がしましたが、普段、十分使えると思いました。新番組なので今後の軌道修正に期待したいと思います。

★ リスナーの中には「イベリコ豚」は「イベリ子豚」と聞こえる人もいるのでは?また、イベリコ豚のなんたるかより、プレゼントのほうに引っ張られている気がしましたが、スペイン料理文化アカデミーの渡辺万理さんの話はうんちく話しとしては十分使えて、私はいいなと思いました。

★ モツについては、居酒屋では牛や馬や豚や鳥などいろいろな生のモツを食べなきゃならないわけで、ちょいモテるのも大変だなと思って聞いていました。

★ 鳥越さんについては声がかわいいのに、「冬でも上から3番目のボタンまであけている。」と仰っていたので、声とイメージが違うのだなと思いました。

★ 音楽については、昔の若者はAMラジオから洋楽を学んだようなところがあって、演出上、洋楽オンリーなのはありだと思いますが、選曲がいわゆる懐かしの洋楽ポップス風の定番ばかりだなと感じました。

★ ハンチングの話にしてもオジサンたちは、多分みんな若い人のことがわからなくて、自信がなくなっていると思いますが、オジサンは昨日今日じゃないんだよという流れが全体にこの番組で出せて、若い人にいろいろ教えてやれれば痛快な感じがします。

★ 50代の男性は当然、昔のことをよく知っているわけで、その人達に訴求するためにはそれ以上の情報を与えないと物足りないと思います。ですから、ゲストの人選が重要で、なるべく細かいディテールについて語れる方がいい気がします。

(TBSラジオ番組審議会事務局)