過去の議事録

2005年10月24日(月)開催 第35回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
「初田啓介の激アツ!ビバ!プロ野球!」

出席者(敬称略)

委員長吉越浩一郎 
副委員長山野 勝 
委員萩原健太 田中里沙 加藤悦子
(宮台委員、赤池委員欠席)

局側出席者

 清水 社長

 大沢 取締役

 入江 編成局長

 碧海 スポーツ部長

 千葉 番組審議会事務局長

 竹谷 プロデューサー

番組内容について

放送時間は、月曜日が6時から8時、火曜日−金曜日は5時50分から8時で、火−金は2時間10分、月曜日は2時間という番組です。パーソナリティーはTBSアナウンスセンターの初田啓介、アシスタントは青木真麻です。番組コメンテーターとしてTBSプロ野球解説者の槙原さん、栗山さん、川口さんに出演頂いています。
番組の考え方は10月からプロ野球のオフ期に正面から野球と向かい合ってみようというものです。オフには野球自体は行われていませんが、シーズン中に野球を一生懸命ラジオで聞いてくださっている方にオフの間も満足頂けるような野球に対してディープな番組ができればいいかなと思っています。
この番組は本当に野球オンリーで今攻めていますので、これが、シーズン中にナイターを聞いて頂いている方にうまくマッチしてくれれば、半年たったときにも、またナイターが始まるな、じゃTBSラジオのナイターを聞こうかなというふうになってくれないかなと思っています。

議事の概要(主な意見)

◇多くの選手との電話での掛け合いがありましたが、選手の皆さんや解説者の方は野球に関しての何かひとつのテーマが出てくると、本当にたくさんの引き出しを持っていて、こんなに出てくるんだというふうな質問がパンパン出てきました。私なんかも専門の雑誌をつくっていますけれども、プロの視点で、みんながプロだと、プロ同士の議論てこんなふうに密度が高くなっていくんだなという感じでした。会話が冴えているという感じなので、リスナーとしてもどんどん引きつけられるところがありました。みんながそれぞれ、多分ちょっとずつ違う意見も持っているので、その微妙なぶつかり合いも面白いというか、そういうところを楽しませていただきました。

◇この日の放送は、ロッテがリーグ優勝をしたことなどもあってでしょうが、ゲストの方々も豪華な人たちがたくさん出てきて、この番組でなければ聞けないことというのをすごく深く聞いてくださっていると思いました。清水投手の、一夜明けて、「博多であの後どうしたんですか」とかそういうリアルなものや、いい試合だったから語りたいという人が多分たくさんいたと思うので、この番組を聞いた人たちには本当に面白かったのではと思いました。

◇番組は本当に一枚岩になってプロ同士の議論ということで、本当に面白く聞けて、私は大満足という感じです。ただ、これから本当のオフに入っていきますので、どんなテーマで、リスナーの人に聞こうという気を起こさせるかというのが課題になってくると思いますので、そこをぜひ期待したいなと思いました。

◇野球中継を聞いていると、野球をやっていた人しかかかわっていないようなところが常々感じられるんですね。評論家と言われる人も当然経験者の人ばかりで。技術論とか精神論みたいなものは非常に伝わるんですけれども、客としてこういうドラマが見たいとかというところを押さえてくれている評論家の方がすごく少ないなというのが僕の実感です。例えば映画評論にせよ、音楽評論にせよ、何でもほかの評論というのは、受け手、それを見る側、聞く側のプロというのがもっと何らかの形でかかわっていることが多いんです。ですから、野球も、実はプロ野球に関して言えば、見るプロというのもいると思うんです。

◇番組を聞いてみて、最新の試合から、世界の盗塁王、福本さんの緊急出演があったり、稲尾さん、田淵さんのコーナーがあったりで、また野球以外のお話もたくさん入っていたので、とても聞きやすく、また初田さんのテンポのよい喋りで、それほど野球に詳しくない私にでもすごく楽しく2時間よく聞かせていただきました。

◇初田さんの滑舌のよさとに加えて力強い感じの声、これが全体を引き締めていて、野球を中継しているアナウンサーは野球をよく知っていて、しかもポイントを外さずに質問をしたりするような、そういう司会ぶりが抜群によかったなと思いました。

◇非常に広い層の人たちを拾っている番組になり得るんじゃないかなと思います。こういった番組が、しかもオフシーズンに向けて毎日やっていくわけなんで、どういった話題をとらえていくのかというのが非常に難しいところが残るでしょうが、野球の層を広げていく意味でも、ますますいい方向に動いてくれるんじゃないかと思い、非常に期待したいと思います。

◇10の質問というのが最初にありましたけれども、この1つ目の回答が、電話で最初のつなぎなのか、回答が一言パッと言うだけではちょっと聞きづらいというのがありました。あと、10の質問が終わった後のゴングの音が大き過ぎるかなみたいなこともちょっと思いました。

◇僕はプロ野球中継を見ていて、いつも非常に不満に思うのは、日本では予想ばっかりしているところです。予想なんかいいじゃないか、現在起こったことを逆に吟味する姿勢がないから、ペナントレースが始まる前からどこが優勝するとか、順位予想とか、次の球はどうなりますかという話が多いですよね。でも、次の球がどうなるかなんてことはそれぞれが考えた方がいいわけで、投げられた球について、これがどうだったんだということをもっと知りたいなと思っています。

◇野球にそれほど詳しくない者でも非常によくかみ砕いた内容だったので、最後まで聞きましたら、結構面白いなというのが全体の印象です。

◇全般的にバランスがとれていて、つまり、実際のプロ野球の中継じゃないけれども、プロ野球ファンにとってはこたえられないような、そういう快さが全般的に横溢していましたので、よかったなと思いました。

◇オフに入ってからのこの番組が、野球界で起こっているいろんなことをきっちり解析してくれるということがあるとうれしいなと思います。

◇番組は非常にプロっぽくて、初田さんも野球経験者でいらっしゃるので、やる側の気持ちみたいな方にどうしても全体的な発想というか、そういったものが流れてしまう感じがします。ですから何かうまくそこら辺で、お金を出して野球を見ているんだとか、もちろん、お金を出さなくてもラジオとかテレビで何十年間もずっと見てきたんだぞというような、そういうプロみたいな人をぜひ発掘をしていただいて、そういう面白い両者の絡みみたいなものがちょっとでもこの中に入ってくると、僕としてはさらに面白いんじゃないかと思いました。とても難しいと思いますが・・

◇私のような余りプロ野球をよく知らない者には、後半の「頑張れ、田淵君と松下君」というコーナーですか、稲尾さんが出て話されたお父さんの話がとても面白かったですね。稲尾さんのお父さんが双葉山がまだ相撲界に入る前に相撲をとって負けたという話は初めて聞いたので、ヘエと思って大変面白かったですね。また稲尾さんはよく漁師の櫓をこいで足腰を鍛えたというのは昔から聞いていたのですが、そうした目的よりも、船が動くので、そのバランス感覚を保つのに大変役に立ったよことなどを稲尾さんの口から出たりして、さらに面白さが出ましたね。江夏さんも砲丸投げをやっていたのでバランスがいいんだという話もあったりして、雑誌で言えばコラム的な部分だと思うんですけれども、これがすごく面白かったですね。

◇どうしてもファンの視点というと、例えば、全く知らない女子高生にプロ野球を教えるというような企画はテレビでもやっていて、そういう方向に行きがちです。でも、そういう全く知らない人ではなくてと、何十年も見てきた人ならではの、やる側のことはわからないけど、見る側としてはこういうものを望んでいるんだという視点が少しでも入ったら、なかなか最強なラインナップになるんじゃないかなと感じました。

(TBSラジオ番組審議会事務局)