過去の議事録

2004年1月26日(月)開催 第18回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
「ウルトラQ倶楽部」1月11日(日)午後19時30分〜20時00分

出席者(敬称略)

委員長吉越浩一郎 
副委員長山野 勝 
委員ヨーコ・ゼッターランド 宮台真司 二宮清純 石橋エリ
(萩原委員欠席)

局側出席者

 清水 社長

 大沢 取締役

 斎藤 編成局長

 鈴木 番組審議会事務局長

 飯島 プロデューサー

番組内容について

昭和四十一年のテレビ放映以来、今でも根強いファンの支持を得ている「ウルトラシリーズ」のベースとなった「ウルトラQ」が、当時のスタッフ・出演者で三十七年ぶりに復活。四十代男性をターゲットにした番組は、オリジナル脚本によるラジオドラマ版「ウルトラQ」と、当時のスタッフ・キャストによる撮影裏話等を披露する座談会の二部構成となっています。

議事の概要(主な意見)

◇僕らの世代にとって非常に思い入れが深くて、細かい事を言い出すと切りがないので、一番大事な事を言いますと、少し年少のの世代もターゲットに入れて、取り込んで行く。「ウルトラQ」を楽しむというよりも、当時の時代を理解して、いろいろな問題があるから、こういう警句に満ちたものが作られたわけですが、そうした凸凹のあった光と闇がはっきりしていた時代というのはどういうものだったのかという事を知らせて行くと良いのかなと思いました。

◇非常にまとまりもいいですし、ノスタルジックな気持ちも擽られるんですが、決定的に当時と状況が違うのは、今は現実が空想の部分を超えてしまったところがあると思う。何か、今目の前にある危機みたいなものを想定させるような、今だからできる仕掛けがあってもいいんじゃないか。やっぱり「ウルトラQ」はすごいわ、四〇年経って蘇ったらもっとすごくなっていたぞみたいなそういう驚きを与えて頂きたい。もう少しサムシングを加えて頂きたいという感じはました。

◇単純に番組として、やっぱり映像で見るより音声で聞いた方が効果があるんだなという事に、改めて驚かされました。音声そのものの効果音とかメッセージ性の効果も含めて、そういった時代をもう一度、人間の反省すべき材料として伝えていって頂けたらと思いました。

◇私は「ウルトラセブン」の世代の人間なので、「ウルトラセブン」だったらどうだろうかと置き換えて考えてみました。私の中で、「ウルトラセブン」の世界は完結していて、これ以上前にも後ろにも進まないものであって、自分の中では止まっていて欲しいと思います。もし現代になって、あの時演じていた俳優さんが年令を重ねて、出演されていたらと考えた時に、撮影裏話をされたりするのは、すごく嫌なんです。「ウルトラQ」のファンにそういう人はいないんでしょうか?

◇思い出したのは、NHKの「新諸国物語」の世界で、その時の音楽とせりふの音というのがまだ頭に残っています。ラジオの場合は、聞く人によってそれぞれ自分の想像が頭の中で広がっていくという、そういういい機能を持っていると思うんです。この番組を聞いても、そのこととダブって非常に懐かしさを感じました。ドラマ性からいうと、当時のものは比較的単純ですが、その単純さの中に、人の気持ちに訴えるというようなところがあるかと思います。「ウルトラQ」も話は極めて単純ですね。その単純さが逆にいいのかなと思います。そうは言いながらも、やっぱり、今の時点で聞いても面白いという、そういう要素が何か加わると更にいいのかなと思いました。

◇私も、昔よく「SFマガジンを読んでいましたが、いわゆる現実が空想を超えてしまっているところがあるので、もっと何かすごいものが出てきて、それでエーッという感じになったら、もっと感激したと思うんですが、そこのとこがちょっと・・・。セピア色の中に想い出したんですが、子供の頃に聞いたラジオ番組というのは、非常に怖かったという覚えがあります。ラジオというのは、それ以上にもっと夢とか、恐怖を膨らませるということができるのではないかと思うので、今回、ダイオキシンと水銀と聞いた時にはちょっとがっかりした事も確かで、何かもう一工夫あってもいいかなという気がしました。連続番組という形でラジオを続けていけば面白いのかなという気もします。

(TBSラジオ番組審議会事務局)