過去の議事録

2003年5月26日(月)開催 第12回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
「玉川美沙 Bravo!」5月17日(土)22時〜23時30分

出席者(敬称略)

委員長吉越浩一郎 
副委員長山野 勝 
委員ヨーコ・ゼッターランド 萩原健太 宮台真司 二宮清純 石橋エリ

局側出席者

 清水 社長

 大沢 取締役

 斎藤 編成局長

 鈴木 番組審議会事務局長

 碧海 プロデューサー

 今井 プロデューサー

番組内容について

この番組は、人気DJ・玉川美沙が土曜の夜の生放送という立地を生かし、エンタテインメント情報を中心とした番組です。
その週に起こった事や、翌週の話題で楽しみ、タイムリーな話題は特集を組んで伝えます。手が届かない話題でなく、ぐいっと手を伸ばせば届くような身近な情報を心がけています。また、音楽も交え、気楽な気分で聴いてもらえる番組です。

議事の概要(主な意見)

◇今回の話題が「アートな休日」とという事で、アートな分野は非常に苦手で、どう聞こうかドキドキしていたんですが、聞いている内に気楽に聞けました。一時間半の中で一つの特集でしたが、少しづつ形を変えながら、先取り情報だったり、最新の情報だったり、「へえ!」と思う情報だったりで、軽いんだけど、情報が幅広く盛り込まれていて、あっという間の一時間半でした。

◇あえて申し上げると、情報は幅が広いわけですけど、逆に言うとデプス、深さがあるわけではないので、アーティスティックな、それこそマニアックな方々が聞いて、満足できるような情報が入っているわけではないですね。ちょと食い足りないという感じがしました。少しデプスを喋れる方がいらっしゃるといいのではないかと思います。

◇この番組自体は、音楽番組と打ち出しているわけではないと思いますので、的はずれかもしれませんが、ゲストが来たコーナーでは、そこを聞いて思うのは、「わかるわかる」というミュージシャンに対する聞き手の立場ですが、聞いていて「ちょっとつらいな」という感想は持ちました。情報に関しては、ラジオならではの何か切り口はないものかなという感想は抱きました。

◇玉川美沙さんの話し方は、非常に人なつっこくて、かといってベタベタしないですね。一つ問題と言いましょうか、情報の並列でなくて、何かメリハリをつけるとか、今週は、これが売り物という強弱みたいなものがあった方が引きつける事が出来るんじゃないか、そんな気がします。また、何か一つ二つぐらいは、彼女自身の得た情報みたいなものがあった方が、彼女が番組自体をガバナンスできる、そういうところがあると思います。

◇誰がこの番組を聞くのかと思ったら、土曜日に家に帰っている三十代の寂しいOLとか主婦とか、そういった人達が聞いているとしたらちょっと弱いなというのが、正直な感想です。若い時から、深夜放送どっぷりの世代にとっては、女性パーソナリティーに求めるものが結構高いのではないかと思うんです。例えば、カリスマ性とかびっくりするほどの知識とか情報量を持っているとか。彼女の個性を生かすには、例えば、新しいスポットから中継するとか、土曜の夜の喧噪が彼女を通して伝わって来るとか、ここぞというものが欲しいなと思ってしまいました。

◇この番組は、情報誌的な構成になっていると思いました。質の高いというか、清潔感の溢れた総合情報誌といった感じがしました。あえて言えば、良い意味での猥雑さというのが足りなくて、センスはいいんですがパンチが足りないのでは。私は、リスナーの対象に入っていないと思いますが、こういうのが今の音楽界の状況なのかというのが分かったような気がしました。

◇何を置いても、玉川さんのイントネーションを含めた「〜ね」とか「な〜」とか、それが何となく心地いいんですね。非常に、リズムもいいし、声もかわいらしく聞こえてくるし、話の切れもいいですね。ただ、確かにパンチというか深みというか、そこら辺のところが何かあるかも知れませんね。

(TBSラジオ番組審議会事務局)