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インタビュー

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真野響子さん(谷村万里子役)

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ご出演されている感想を聞かせてください。

詩情あふれる本で、会話の余韻というのでしょうか、いい雰囲気の脚本で好きです。
でも、身近でこんなことが起こったらとまどいますよね。役の中でも、万里子たちみんな、とまどっています。演じる上では、なるべく普通にしていよう、と思っています。可南子への説明や接し方がとても難しくて、本人はものすごく傷ついていますから、それをあえて逆なでするようなことはしたくありませんけれど、それでも道を開いていきたいですから、どうバランスをとって接していこうかが難しいですね。

演じていらっしゃる万里子さんとは、どういう女性だと思いますか?

だんなさんを亡くして、一人で働きながら子どもたちを育ててきたのは大変なことだったでしょうね。でも、そういうことを突き抜けた明るさのある人だと思っていて、今、一人だけ明るく元気よく演じています(笑)。

記憶をなくした可南子さんのお母さんとして、波留さんにはどう接していますか?

ただひたすら「申し訳ない」という気持ちですね。万里子さんは波留さんの気持ちも可南子の事情もわかっていますし、弟の裕樹の気持ちも分かっている、架け橋のようなポジションですから。親と言うのは、そういう存在でしょう。
年を取ると、あるときから人のことがよく見えてくるんです。わたしはお年を召していらっしゃる方というのは、そこまで生きてこられたということだけでも大事にしなければいけないと思っていますし、特に苦労した方の言うことには耳を傾けたほうがいいと考えています。でも、若いときはそのことに気がつかなくて、自分が親になって年を取ってくると「みんなこれだけ大変なところを生き抜いてきたんだ」と分かるのね。だから今思うと、親の言うことに間違いはないですね。

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可南子さんは波留さんにどういう不安を持っていたと思われますか?

元々、波留さんは可南子のことが大好きですけれど、そこが「結婚の罠」なんです。籍を入れてしまうと、特に男性は安心して結婚にあぐらをかいてしまうんですが、しょせんは他人なんです。夫婦がもし、他人同士の振り出しに戻ったらどうなるだろう、と考えたとき喜んで別れる夫婦もたくさんいますよ。「この人と一生やっていくべきなのかどうか」と原点に戻って考えてみるのは大事なことですね。
日本の男性というのは、愛情表現が下手なんです。外国の男性はずっと習慣のように「I Love You」と言っていたり、レディーファーストで女性をいたわったりしますから、女性も「大事にされている」と思うけれど、日本の男性は結婚してしまうと、女性のほうは大事にされていると思えないですものね。

波留さんと可南子さんはどんな夫婦だと思いますか?

いい夫婦だと思いますよ。波留さんも、まさか自分の奥さんがそこまで深刻に考えているとは思わなかったから、仕事や、ラジコンを持ってきた男の子を優先させてしまったんでしょう。病気のサインもそうですし、子育てもそうですが、人は信号を出していて、その信号を出しているときにお互いに気づくということは大変なことですね。
役の中で見ている波留さんと可南子はかわいそうなんですけれど、役を離れたお二人はすごくいい人です。何と言ってもわたしの子どもたちですから、いい子です(笑)。

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コミュニケーションが大切ですね。

やはり「他人」ですからね。籍を入れたからと言って、何かが変わるわけではないんです。でも、籍を入れたら親よりも長く一緒に生きるわけですから、そこには覚悟が必要になります。このドラマはディテールが非常に細かくて、たとえば手術の誓約書も夫がサインしなければいけなかったり、ひとつひとつやっていくことによって「ぼくはこれだけ自分の配偶者に対して責任があるんだ」ということを波留さんが確認しているでしょう。そういう部分をとてもきれいに拾って描いているドラマですから、日常のいいところを気づかせてくれますよ。

ドラマをご覧の皆さまにメッセージをお願いします。

自分に置き換えて考えるということは、いいことですね。ひとつひとつ、さまざまなヒントをくれていますから、「自分がこうなったらどうだろう」とか「最初のときはどうだったかな」ということを考えてもらえるといいんじゃないかしら。
すごく細かい、ふだんなら見逃してしまいがちなところにいい部分がたくさん描かれていますので、何かしながらではなく、丁寧に見ていただきたいですね。

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