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インタビュー

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竹野内豊さん(宮本波留役)

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最初に脚本を読まれた感想を教えてください。

突然、妻の記憶がなくなるところから始まるので、いきなり大きな枷をはめられたようで重たいのかな、と思ったのですが、第1話を読み終わった時、とても前向きで、自分も一視聴者として波留と可南子を応援したいと思いました。
今回、ドラマの中で、桜の樹が象徴的に描かれているのですが、桜でいえば、つぼみの状態というか、桜の開花を楽しみに待つような、そんな気持ちになったんです。自分が感じたそういう期待感、新しいことを始めようという気持ちを、物語で表現できていければと思います。

演じていらっしゃる波留さんは、どんな人ですか?

実は、波留という人がどういう人物なのかまだ模索中で、撮影しながら少しずつ作っています。以前は「こういうキャラクターでいこう」と自分で枠を決めて、そこから出ないように守りの姿勢でやっていたんですけれど、今はまず感じたことをやってみて、そこから監督と話し合うようにしています。
でも、最近は何でも、数年で買い換えたり使い捨ててしまったりする人も多い中、波留やミズシマオートの人たちは、古いものを大事に直して、長く使います。「俺は絶対にこれだ!」と決めたら、とことんそれを大事にしていそうで、そういうところはとても共感しています。

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奥さんの可南子さんが波留さんと過ごした時間だけなくしてしまいますが…

波留は「なんで思い出してくれないんだ」と考えるでしょうし、思い出して欲しいというのが本音だと思います。でも、自分がそれを望んでしまうと可南子を傷つけてしまう、だから明るく振舞って、無理にでも笑っているんだと思います。今、無理に笑っている波留が、本当の笑顔になれればいいですね。
片想いではなく、自分の奥さんが相手なので、演じていて、そこがすごく難しいです。波留にとって目の前にいるのは、5年間一緒にいた妻ですけれど、可南子にとっては波留は夫ではなく、知らない人なんです。和久井さんが「演じていて、わからなくなったら竹野内さんを見ます」とおっしゃったので、自分もわからなくなったら、和久井さんをしっかり見ようと。目の前の現実を見れば、きっとそこに答えのようなものがある、それがそのまま波留の気持ちなのかも知れない、そう思うことにしました。
無理に思い出させることは苦しいことです。可南子にとっても、波留にとっても、そのままのほうがお互いに幸せかもしれないし、何がみんなにとっていいことなのかと考えてしまいますね。

もし、ご自分の大切な人が竹野内さんのことだけを忘れてしまったら、どう思われますか?

そんなに俺のことを忘れたかったのかな、とまず思います(笑)。でも、忘れたいことをうまく忘れられればいいけれど、忘れたくない大切なことまで忘れてしまうことは悲しいというより怖いですよね。「自分は記憶を失ってしまったんだ」ということが分かった瞬間から、どんどんのしかかってくるんだと思います。最初は波留の目線で話が進んでいますが、この先、可南子の内面がどう出てくるのか楽しみです。

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可南子さんはマンネリ感を抱いているようですけれど、夫婦とはどうあって欲しいと思いますか?

家族は、自分らしくいられる場所、正直でいられる場所だと思います。それがすごく大切なことで、夫婦もお互いの存在を「当たり前」と思ってはいけないのかなと。お互いに生まれも育ちも違う人たちが一緒になるというのは、覚悟も努力も必要なのではないでしょうか。
二人の出会ったこと自体が奇跡です。もう一度ゼロからスタートして、新たに二人が想い合って一歩を踏み出せたとき、それは奇跡ではないんだ、ということを波留にわかってもらいたいですね。

撮影現場の雰囲気はいかがですか?

今回、和久井さんと共演できて嬉しい反面、中途半端では和久井さんに臨むことは出来ない、という覚悟で撮影に入りました。和久井さんは表情、何より目にウソが一切ないんです。可南子が病院で目を覚ましたとき、きょとんとして、お母さんに小さな声で「誰?」と言うシーンがあるのですが、とても淋しかったですし、波留に対して「あなた誰?」というときの表情を見て、台本にないのに「俺だよ、俺」と、つい言ってしまいました。
ミズシマオートの人たちは、家のシーンと全くトーンが違うので、最初ちょっとぎくしゃくしてしまいましたが、気持ちの中で整理をつけて、意識せずに「波留」でいられたらいいなと思いますね。

ご覧の皆さまにメッセージをお願いします。

出来る限りウソのない、本当の気持ちでやりたいと思っています。ドラマが終わったあとも波留や可南子、まわりの人たちが一人歩きして、どこかに存在し続けていると思っていただけるように頑張りたいです。
うまく言えないのですが、そのうまく言えないところをきちんと演じて表現出来たらいいと思います。お互いに当たり前だと思っていたことが当たり前でなくなったときの二人の未来を、最後まで見届けていただきたいと思います。

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