又吉直樹　神の島を行く～宗像大社と出光佐三～

みどころ

絶海の孤島に神を見た！日本と世界､古代と現代をつなぐ神秘の島

福岡県宗像市と福津市にまたがる「神宿る島　宗像・沖ノ島と関連遺産群」が2017年の世界文化遺産登録を目指す国内候補に決まった。
福岡県沖ノ島の沖津宮､筑前大島の中津宮､宗像市の辺津宮の三社は､総称「宗像大社」として知られ､天照大神の三柱の御子神・宗像三女神を祭っている。
その中の一つである沖ノ島は､九州本土から約60キロ離れた玄界灘の真っ只中に浮かぶ周囲4キロの孤島。
古代の祭祀に使われた数多くの品々が出土され､そのうちの8万点あまりが国宝に指定され「海の正倉院」とも呼ばれている。
また､別名「不言島(おいわずのしま)」と呼ばれ､一般の人の立ち入りが制限されており､「島で見聞きしたことは話してはならない」。
「一木一草たりとも持ち出してはならない」。と､多くの謎を秘めたスポットとして注目を集めている。
沖ノ島の原生林の奥深くには「黄金谷」と呼ばれる巨大な岩が連なる峡谷があり､分け入った人がほとんどおらず､神秘のベールに包まれた神の領域とされている。
そんな沖ノ島に芥川賞作家であり､お笑い芸人ピースの又吉直樹が上陸､黄金谷を目指す。
古代の文化財が手つかずのままになっている沖ノ島､今回､テレビ史上初と思われる撮影に成功した。

そして､沖ノ島を中心とした玄界灘には､かつて大陸との盛んな交流を物語る多数の史跡が遺されている。直木賞作家の西加奈子が沖津宮の妹神を祀る筑前大島を訪れ､玄界灘に雄飛した古代の海人族をしのぶ。
訪れる人がいない絶海の孤島と､その周辺に息づく祈りの文化。　今なお守り継がれる信仰と悠久の歴史の世界へ旅に出る。

また番組では､宗像大社を生涯にわたって崇敬した人物､出光興産の創業者､出光佐三についても触れる。
宗像大社に近い福岡県宗像郡赤間村に生まれた出光佐三は､日本の石油産業の発展に一生を捧げた人物で､1953年の「日章丸事件」は､世界の石油メジャーに屈しない日本の強さを象徴する快挙として長く語り継がれている。
「日本人の暮らしは時代とともに変遷してきたが､その中に神道を基軸とした“和”を尊ぶ日本的な概念がある。」
番組では､宗像大社と出光佐三の深い繋がりを紹介すると共に､日本の復興を強く後押しした彼の人生にも焦点をあてる。
また､出光佐三と関係が深く､実は親日家が多い現在のイランの姿や､日本が輸入する原油の8割が通過するイラン・ホルムズ海峡等も紹介する。

実は､沖ノ島の出土品の中には､古代ペルシャのガラス片もある。
日本と大陸との交流の道だった沖ノ島には､日本の成り立ちを示す重要な手がかりが隠されているのではないだろうか?

(又吉直樹さんからひとこと)
「沖ノ島は海から見てると､すごく綺麗でした。昔の人も思ったやろうし､もちろん手付かずの自然ですから､わざわざ行くというのは､こんだけ美しいものを拝まずにはおられへんと。
危険が伴うけど､それでも､行ったんですよ。行かずにはおれなかったと思うんですよ。」

(ディレクター　西嶋真司からひとこと)
黄金谷は､岩が累々とした危険な斜面が続き､分け入った人はほとんどいません。岩の前に立つと､古代の人々も見たであろう光景が蘇ります。
はるか昔にこの傾斜を登って高みに上がり､神に対座した人がいたかもしれません。
畏怖を感じつつ自らの手足だけで岩に登るという原始的な営み。しかし沖ノ島の岩に登ることは､とても大きな物事に取り組んでいるように思えます。
体に触れるもの全てに神を感じ､その神に近づくために。
日本人とは何か?この永遠の謎を解く一つのヒントが､もしかしたら沖ノ島での単純な営みの中に潜んでいるのではないかと思いました。

出演者

又吉　直樹(ピース/芥川賞作家)
西　加奈子(直木賞作家)

ナレーション：
手嶌　葵(歌手)

スタッフ

製作著作：
RKB毎日放送

プロデューサー：
坂井　博行

ディレクター：
西嶋　真司

又吉直樹 神の島を行く ～宗像大社と出光佐三～

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