04年10月、井上社長定例会見の概要について


10月27日(水)、午後3時からTBS放送センターの役員大会議室において、井上社長の定例記者会見が行われました。概要は以下の通りです。

2004年10月28日
TBS総務局広報部

◆新潟県中越地震について

10月23日(土)午後5時56分の発生を受け、TBSは6時7分から通常番組を打ち切り、ローカル特番を放送、14分からは全国ネットの特番に切り替えて放送した。NHKに次ぎ民放では最も早い立ち上げで、地震発生対応訓練を実施してきた成果だと思う。

午後6時過ぎの特番から午後9時まではCMなしの特番、フロードキャスターは番組枠を残し、内容は地震関連ニュースで全面展開した。翌朝は、5時から3時間の特番、午後は4時から1時間半の報道特別番組、さらに「報道特集」でも解説を含めて放送した。
また、発生直後から20時間以上に亘って、L字の文字情報でも伝えた。

ピーク時には、TBSと系列各局で、SNG中継車11台、ヘリ5機、カメラクルー30組、150人以上の応援態勢となった。

〇TBSラジオの態勢について(TBS R&C 清水社長)
ラジオは生放送が多いので随時、現地からの情報を入れた。夜の8時から9時に特別番組を組み、さらに深夜1時から4時まで生の特番を組んだ。系列のBSN新潟放送が24時間の特別番組を放送していたので、その番組を組み込むなどして対応した。現在も、生番組の中で情報を入れている。
また、災害時はラジオが貴重な情報源になることもあり、ささやかだが100台ほどお送りした。

◆砂原オーナー辞任について
一言でいえば、残念であった。特にプロ野球がある種の曲がり角に来ている時だけに、今後、プロ野球をより発展させ、また皆さんの信頼をつなぎとめていく上でもこうした事件があったことは非常に残念であったと思っている。

◆プロ野球再編と来期編成について
IT関連の方々が参入に手を挙げているのは時代の変遷で、その時代、時代で勢いのある企業が参画してくることはいままでの歴史でもあったことだ。特にプロ野球の魅力を様々な形で伝えていくためにも、IT関連の方は我々と違うノウハウを持っていると思うし大変いいことだと思っている。

横浜ベイスターズの今期については、チーム打率が一位で防御率もまあまあなのにビリなのは何故なのか。来シーズンはピッチャー出身の牛島監督なので頑張って欲しい。
横浜という地域に密着した形で一層フランチャイズを明確にしてよい球団にして欲しい。特に、若い層をどうやって掘り起こしていくか、野球そのものは子供たちに人気はあるのだから、どうやったら球場に来てもらえるか、どうやったら見てもらえるかを考えるようお願いしたい。

◆「公共放送の在り方」について
これまではNHKと民放は共存してやってきた。しかし、根本的に違うのは、地震災害などのように我々が特番を組みCMを飛ばして放送することは収入が下がることになる。一方、NHKさんは番組を飛ばして特番を放送しても困らない。

また、税制の面でも、あちらは税金を払わなくてもいい。例えば、NHKさんはBSなどいろいろなチャンネルを持っているが、そのチャンネル間で著作権さえクリアすればある程度自由にソフトを使いまわし出来る。我々のBS放送の場合には「マスコミ集中排除の原則」があり、別法人扱いされてしまう。
従って、最初にBSで放送したものを地上波で放送するためには通常の売買をしなければならない。そういう面もNHKさんは保護されているし、恵まれた立場にあるわけだから、その辺りを踏まえた上で民放と共存して欲しいというのが我々のお願いだ。根本的な違いがあることをご理解いただきたい。

「世界遺産」にしても同じタイトルでNHKさんも放送している。良心的な番組だがソニーさんといういいスポンサーがいるからできているのに、“今度はユネスコに寄付をするからもっと撮らせて”とかいうのはいかがなものか。我々、弱い所がやっているのだから強いところは少し我慢してくれるとか、ある程度は配慮して欲しい。その上で公共放送と我々が共存していくことが必要だと思う。

以上