2003年度入社式での社長訓話
井上社長による訓話概要


4月1日午前10時からTBS放送センターにて2003年度の新入社員の入社式が行われました。今年度入社したのは25名(一般職 男14名・女5名、技術職 男3名、アナウンサー 男1名・女2名)です。以下、井上社長の訓話の概要です。

2003年4月1日
広報部 本村 隆

 入社おめでとうございます。私が入社した40年前、放送業界は24時間しか売ることができない限界産業であり、成長発展の見込みがないと言われていました。ところが今ではBSやCS、ブロードバンドとメディアが増え、1日に24時間以上の「増産」ができるようになったのです。また、長い間放送免許で「寡占」を保証されてきたこの業界も、次第に免許の垣根が低くなり、他の業界と同様に自由競争に近づいて来ました。
我々の放送界は芸能界や政界などをフィールドとしていることもあり、様々な意味で世の中の注目を浴びてきました。世間から何か特別な存在のように見られ、こちらもそれに甘えていた部分があったかも知れません。しかし、これからの自由競争の時代には、そのような甘えは許されません。皆さんも自分の行動規範をより一層高い所に置いて、TBSの信用を守ってもらわなければなりません。
放送は、何千万という視聴者に見てもらうことのできるメディアです。皆さんにはいろいろな面でチャンスが開かれており、感動や喜びなど様々なことを自己表現を通じて伝えることができるのです。それだけに、自分は何をしたくてTBSに入ったのかという今の気持ちを、絶対に忘れないで欲しいのです。また、それを実現するためには外部の方々の協力が必要です。この会社は、実に多くの外部の人たちによって成り立っています。共に働いていく上で、くれぐれも人間同士の尊厳を忘れないよう肝に銘じておいてください。
これからの厳しい時代に我々は何をすべきか。放送局である以上、やはり良いコンテンツを作ることが第一です。制作者がどういう意図で作ったのかが分かる番組を作ってもらいたい。独り善がりで自分だけ満足する番組を作っても視聴者の支持は得られません。「あって良かった」と思ってもらえる番組を作って欲しいし、そういう放送局にしたいと思っています。そのためにも、大型番組などを通じて「TBSブランド」の確立を急いでいます。
今後はどんな状況においても、模範解答というものはありません。しかしながら、問題の答えを教えてもらおうと思ってはいけません。問題がどこにあるかを自分で探し、その問題をどうやって解決するのかを自分の頭で考える人になってもらいたいと思います。TBSはこの春から「この窓は、キミのもの。TBS」というキャッチフレーズを作りました。視聴者の皆さんがこの放送局は自分のものだと思えるような番組を作り、キャッチフレーズに沿うような社員として一日も早く活躍してくれることを期待しています。