2002年度TBS入社式での砂原社長あいさつ




2002年4月1日
TBS総務局広報部

 4月1日午前10時からTBS放送センターにて2002年度の新入社員の入社式が行なわれました。今年度入社したのは26人(一般職 男17 女3、技術職男4、アナウンサー職 女2)です。以下、砂原社長あいさつの概略です。

 新しい仲間を迎えて心から歓迎します。皆さんは放送局で働くプロフェッショナルになるべく、その第一歩を踏み出しましたが、経験を積み重ねた社会人10年目となる2011年の自分に手紙を書くとしたらどんなメッセージを書くことになるでしょうか。そのころは各部署の中堅となって活躍されていると思いますが、2011年という年は地上放送局にとっても地上波アナログ放送が終了し、全面的にデジタル放送に切り替わって新しい時代が始まるとされているからです。
 放送局はあらゆる仕事が複雑にかつ多様に入り組んだ組織ですが、どんな部署を担当しようとデジタル化の問題は必ず関係してきますし、一人一人の想像力や知恵が試されることになります。
 また景気の厳しい状況が続いている中であっても、我々の生命線である番組は常に高いクオリティを追求していかねばなりません。限られた条件で最大の効果を発揮するために、メリハリのある態勢を如何に作り上げるか、我々自身の「構造改革」を進めている最中です。
 放送局を取り巻く環境の中で、もうひとつ強調したいのは、メディア規制の動きです。「個人情報保護法案」、「人権擁護法案」、「青少年有害社会環境対策基本法案」の、いわゆるメディア規制3法案は、憲法で保障された表現の自由、報道の自由、国民の知る権利を脅威にさらそうとしています。ただ、こうした法案が登場してくる背景には、マスメディアを加害者として感じ取る国民の批判があるのも事実です。自らの立ち居振舞いを正し、国民の信頼を得るように心掛けなければなりません。メディアを見る市民の目は、非常に厳しくなっています。それだけ影響力のある、常に強い責任を伴う仕事に携わっているわけです。新人であろうとメディアで働く一員となったからには、その自覚を持ってください。
 皆さんに忘れてほしくないのは、技術がいくら進歩しても放送を支えるのは人であり放送局の財産は人材であるということです。貪欲に学び続け、世の中に疑問を持ち、間接情報でなく一次情報を直接つかむ努力をしてほしい。いいという言葉の意味は難しいが、いい本を読み、いい音楽を聴き、いい舞台、いい映画、いい絵画に触れ、そして多くの人に出会い、大いに語り合ってほしい。議論を交わしてほしい。
それとともに常に人類の歴史に思いをはせて欲しい。絶えず自分自身を磨き、広い視野を持ちながら、一方で誰にも負けない専門性をもってほしい。アウトソーシングなどで仕事の仕方も変わってくるが、けっして驕ることなく、先頭を切って汗をかいて仕事に取り組んでほしい。
 きょうの入社の日に抱いている熱い思いを忘れることなく、経験を積み、知性を高め、想像力に磨きをかけ,素晴らしい自分自身を創ってください。



問合せ先 TBS広報部 齋藤
電話03−5571−2260