木曜よる9時
3回続けて玉森くんのお稽古の様子を紹介しましたが、玉森くんのお稽古4日目に合流したのは、中山優馬くんと松村北斗くん。お二人の役柄を紹介すると…。
中山優馬くんが演じるのは、轟屋(とどろきや)の弟子、澤山一弥(さわやまいちや)、本名は本郷弘樹(ほんごうひろき)。歌舞伎とは無縁の家に生まれたが、美貌と才能と並外れた努力で舞伎役者のトップを目指している青年です。川島海荷ちゃん演じる千葉あやめは幼馴染であり、歌舞伎を始めるきっかけを作ってくれた人物であり、初恋の人。恭之助とは歌舞伎役者としてもライバル、あやめを取り合う恋のライバルでもある…という役柄です。普段は一弥、あやめからはヒロくんと呼ばれています。
松村北斗くんが演じるのは、轟屋(とどろきや)の弟子、澤山梢平(さわやましょうへい)。一弥と同じく、歌舞伎とは無縁の家に生まれ、歌舞伎役者のトップを目指しています。人当たりはいいか、実は誰よりも野心家で、御曹司でもないのに優遇される一弥に嫉妬して…という役柄です。
さて、そんな優馬くんと松村くんが加わってのお稽古。
玉森くんのお稽古レポートで紹介しましたが、優馬くんと松村くんもまずは自身で “帯を締める” ことからはじまりました。この日は、花柳寿楽先生と典幸先生お二人で指導にあたってくださり…。
寿楽先生から帯の締め方を習う松村くん。
寿楽先生 「右手で帯をぐっとしめて」
松村くん 「はい」と寿楽先生のお手本を見ながら、自分でやってみる。
寿楽先生 「そうそう、帯の太さによっても、やり方が違うけど、この帯なら今の感じで大丈夫なので、締め具合は調整しながら…」
松村くん 「はい」
寿楽先生 「丁寧にね」
松村くん 「はい」
一方、優馬くんは典幸先生から帯の締め方を習い…。
典幸先生 「基本、上から上から」
優馬くん 「はい」
典幸先生 「結び目を閉めすぎると結び目がギュっとなって格好が悪いので、締めすぎないこと」
優馬くん 「わかりました」
典幸先生 「一弥の場合は、この作業を、手元を見ずに出来るといいね」
優馬くん 「はい」
典幸先生 「うん。いいね。出来ていますよ」
優馬くん 「ありがとうございます」
と、帯を締める作業から緊張高い二人を見ている玉森くん。
玉森くん 「今日、2人は初めてですよね?俺もこんな感じでした?」
スタッフ 「こんな感じだったよ。緊張していたし」
玉森くん 「あの時は、いっぱいいっぱいだったんですよね…」
スタッフ 「緊張感伝わったよ」
と話していたのですが、稽古後に自宅で“帯の締め方”を何度も練習したそうで、この日はすっかり着慣れた様子の玉森くんでした。
お稽古はというと、まずは玉森くんも習った “舞台の上り下り” から。
典幸先生 「舞台に上がるときは下手(舞台を客席から見て左側)から。そして右足から上がります」
3人「はい 」
寿楽先生 「これから行う“行儀”に関してはTPOでやるやらないという違いはありますが、これは基本なので知っていた方がいいです。お弟子さん(一弥と梢平は)の場合は、厳しくやる方が多いです。今後、稽古する上では守るようにしてください」
3人 「はい」
とあり、舞台上にあがる3人。
続いては、 “立ち方”“座り方”“お辞儀”“扇子の抜き差し” の練習。
玉森くんのお稽古同様に、典幸先生が所作をひとつひとつ丁寧に見本を見せながら説明してくださり、それに合わせて練習する3人。終始私語はなく「はい」「はい」と短い返事をして、実践練習していました。
続いて3人揃って歩き方のお稽古へ。
玉森くんも初日にこの稽古を行ったのですが、レポートでは触れていないので、ここで改めて紹介します。
典幸先生 「和服を着たときは、普段の歩きよりも歩幅が狭くなります。およそ、自分の一足分+ひとこぶし、ふたこぶし分。いつもより歩幅を狭くしたまま歩きます」
3人歩いてみる。
典幸先生 「肩が前後に振れないように気をつけて。品のある上流階級を演じる場合は、肩を揺らしてはいけません」
3人歩いてみる。
典幸先生 「すこしよくなりましたね。では、普段の歩きではなく“走る”場合(早歩き)は“すり足”で、自分の重心を落として腰を入れ、ひざを軽く曲げた位置。かかとを浮かさず、床を掃除するような感じで、目線は前を向いて歩きます」
3人すり足をやってみる。
典幸先生 「歩幅が広くならないように。力が入って、足を一直線にして歩いてはいけません。そうすると肩やお尻が揺れてしまいます。」
3人 「はい」
典幸先生 「歩幅を広げるのではなく、回転数をあげて走って(早歩き)ください」
3 人 「はい」とすり足をやってみるが…とっても難しそう。優馬くんも松村くんも初日ということもあり、表情がとても固く、緊張が解けない様子。
典幸先生 「ではこういうのはどうですか。扇子を広げてください。その上に、お茶がなみなみと入った茶碗があります。それをこぼさないように運んでください」
やってみる3人。何度も練習を重ね、徐々に様になってきた様子ですが…
典幸先生「こぼさないように歩いて、息をつめて、慎重に…これが“腰の入った動き”です。」
3人 「はい」
典幸先生 「忘れないようにするために、筋トレしてみますか?」
優馬くん&松村くん 「筋トレ?」
玉森くん 「超きついよ」
優馬くん 「そうなの?」
松村くん 「キツイんだ…」
玉森くん 「うん」
と、典幸先生の提案で足腰を鍛える筋トレを行うことに!
その筋トレは中腰で“座る→立つ”のような動作を繰り返すものなのですが…玉森くんも優馬くんも松村くんも声は出さないものの、顔がめちゃくちゃ辛そう!
筋トレ後、「普段使わない筋肉をめちゃくちゃ使うんですよ」と玉森くんが言っていたのですが、これは本当に辛そうでした。3人がキツそうにやっているそばで、平然とした顔の寿楽先生も典幸先生。
典幸先生 「これは、自宅でゆっくりトレーニングしてくれればいいかなと。お尻を突き出さない感覚を覚えてください」
寿楽先生 「実際にこの動きをゆっくり行うことはほとんどないのですが、練習しておくと、今後どの動きにも使えますから。筋力がないと腰がガクンと落ちてしまうんですよ。今後、衣装やかつらをつけたとき、想像以上に重いので、筋力をつけておくことが大事です」とあり、「わかりました」と集中したまなざしの3人。
それぞれに感想をうかがうと…
玉森くん 「ダンスとは違って鏡を見ずに、体で覚える形なので、実際に自分が出来ているのか分からなくて…。最初はすごく苦労しましたが、筋肉痛になれば正解だと思ってやっています」
優馬くん 「テレビ画面に映っているところだけではなく、所作を1から100までしっかり教えてもらって、自分のものにしたいですね。今はとにかく分からないことだらけで大変です」
松村くん 「思っていた以上に礼儀の世界で、ひとつひとつ難しさの中に面白さがあり、魅力を感じています。お稽古は始まったばかりで、まだまだですね。これからもっと頑張りたいです」
とおっしゃっていて、普段行うダンスとは全く違う歌舞伎の世界に浸かっている3人。
この日は優馬くんと松村くんは稽古初日だったのですが、この日から練習を重ね、3人は撮影に挑んでいますので、所作&歌舞伎を楽しみにしていてくださいね。お稽古レポートはまだまだたくさんあるので、徐々に紹介します。