第7話のトリック解説


荒川利夫の死は、「他殺」ではなく「自殺」でした。しかし、現場を訪れた前妻(家出少年の母)・千枝子は、“自殺では賠償金がおりない”という理由から、利夫の腹部に刺さっていた凶器を、事件現場で気を失っていた大家・上原の手に移し替え、他殺に見せかけたのです。

その咄嗟(とっさ)の行動が、少年のためだったのか、自分の贅沢のためだったのか…千枝子の本心は“神のみぞ知るミステリー”ですが、どちらの理由だったにせよ、かわいい教え子の父親を『殺人犯』に仕立てあげられそうになったしのぶセンセの怒りは収まらず、その大きな瞳からはポロポロと大粒の涙が零れ落ちたのでした。

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