TBS“愛の劇場”のドラマでも大好評を博した『砂時計』が遂に映画化!
杏・大悟・椎香・藤という幼馴染4人が歩む14歳から26歳まで12年間の軌跡と、杏・自殺した母親・祖母の女三代の愛惜とを縦横の軸に、
誰もが経験したことのある恋愛の機微を、島根の美しい自然とともに綴る感動作。
両親の離婚を機に、母・美和子(戸田菜穂)と2人、美和子の故郷、島根にやって来た14歳の杏(夏帆)。東京育ちの杏にとって、田舎の島根の村はどこかなじめない雰囲気で戸惑いを隠せない。だが、口では厳しいことを言いながらも芯は優しい祖母・美佐代(藤村志保)や、近所に住む同い年の大悟(池松壮亮)、藤(塚田健太)、藤の妹・椎香(岡本杏理)らと仲良くなり、次第に自分の居場所を見つけていく。そんな杏と対照的に、離婚後ずっと沈み込んでいた美和子。美佐代の愛情からくる叱咤激励や、杏の母親を想う気遣いが、皮肉にも美和子を追い詰めていく。
そしてある日、杏を置いて1人、命を絶ってしまう美和子。母の自殺を止められなかったという自責の念と母に置いて行かれた孤独感に苛まれる杏は、「弱虫!」と死んだ母をなじりながら、その遺影に砂時計を投げつけるのだった。それはかつて母と共に訪れた仁摩町の“サンドミュージアム”で、母が杏に買ってくれた大事な思い出の品。そんな今にも壊れてしまいそうな杏を、大悟は「ずっと一緒におっちゃるけん」と抱きしめる。
中学3年生になった杏と大悟は、付き合うようになっていた。楽しい日々を送る杏の前に、長く会うことのなかった父・正弘(風間トオル)が現れる。複雑な思いの杏だったが、一緒に東京で暮らしたいという父の懇願を受け入れるのだった。杏の東京行きを真摯な想いで受け止める大悟。2人は林間学校の帰りの電車で、初めてのキスを交わす。そして杏は美しい琴ヶ浜の海辺で、ずっと大事にしていた宝物…母からもらった砂時計…を大悟に託し、東京へと旅立っていく…。