この差って何ですか?

毎週火曜よる7時

過去の放送内容

2019年2月26日

(1)「一般的な湯飲み」と「お寿司屋の大きい湯飲み」の差

(写真)

専門家:松下良一(寿司研究家)

この差は…
お寿司屋の主人がお茶を入れる手間を省くためか どうか
「大きな湯飲み」になってから、ベタベタに汚れた手を洗うようになった。

〇もともとは「小さな湯飲み」だった?
お寿司屋の「湯飲み茶碗」は、江戸時代の頃には、他のお店と同じように「小さな湯飲み」でお茶を出していた。

〇「大きな湯飲み」にした理由は?
江戸時代のお寿司屋は、庶民に大人気で常に満員。当時は、調理から接客まで主人1人で切り盛りしていたため、「お茶のおかわり」もかなりの負担になっていた。そこで、何度もお茶のおかわりを頼まれないように、「大きな湯飲み」に変えた。つまり、お寿司屋の湯飲みが大きい理由は、「主人がお茶を入れ替える手間を省くため」だった。

〇今では考えられないことをしていたとは?
「大きな湯飲み」でお茶を出すのが定着すると、今では考えられないことが行われていた。それは、食べ終わったベトベトの手を、「大きな湯飲み」のお茶で洗っていた。
さらに、洗った手を「のれん」で拭くことが普通に行われていた。そのため、「のれん」が汚れているのは、繁盛している美味しいお寿司屋の証といわれていた。

(2)「しいたけ」と「どんこ」の差

(写真)

専門家:阿部良秀(大分県椎茸農業協同組合)、池辺稲生(しいたけ農家)

この差は…
収穫するタイミングがはやいか どうか
カサの開きが、「どんこ」は7分未満、「しいたけ」は7分以上のモノ。

〇産地も値段も一緒?でも1個当たりの値段は高い?
今回調査した商品は、同じ産地の大分産、値段も598円だった。しかし、「しいたけ」は8個入りに対して、「どんこ」は5個入りと1個当たりの値段が高かった。

〇「カサの開き具合」がポイント?
今回は、「干ししいたけ」の生産量 全国1位の大分県で調査。大分県椎茸農業協同組合で聞いたところ、「しいたけ」の作り方をみれば分かるとのこと。そこで、実際に「しいたけ」を作っている農家を訪ねた。
「しいたけ」の作り方は、まず原木になる「クヌギの木」に「しいたけ菌」を埋め込む「原木栽培」という作り方でつくる。原木に直径1cmの穴を20か所開け、その穴に「しいたけ菌」を埋めて、1年半寝かせる。「しいたけ菌」は、木の養分を吸い取り、「菌糸」が広がっていく、そして「しいたけの芽」が出てくる。「しいたけ」は成長がはやく、3週間ほどでカサが5cmくらいになると収穫する。ここまでは「しいたけ」も「どんこ」も同じ作り方。もちろん、同じ原木から作られるモノ。
そして、カサが「7分くらい開いたモノ」を乾燥機に24時間かけて乾燥させたら、「どんこ」になる。一方「しいたけ」は、そのまま放置し、カサが「7分以上開いたモノ」を乾燥させたら、「しいたけ」になる。つまり、「しいたけ」という商品は、「カサの開きが7分以上のモノ」を指し、一方、「どんこ」という商品は、「カサの開きが7分未満のモノ」を指す。

〇「しいたけ」と「どんこ」の収穫するタイミングに、どれくらい差があるのか?
「どんこ」の状態になってから、早ければ3時間程度で7割以上カサが開いて「しいたけ」になってしまう。
「しいたけ」は、天気や温度に大変左右されやすい。例えば、気温が急な上昇や雨が降ると、カサが一気に開いてしまう。そのため、「どんこ」の状態で収穫するのが大変難しい。
つまり、「どんこ」の状態は、わずかな時間でしか収穫できず、収穫しにくいため、値段が高くなる。

〇すべて「どんこ」で収穫せずに、なぜ「しいたけ」も作るのか?
なぜ値段の高い「どんこ」だけを収穫せず、「しいたけ」も作るのかというと、料理によって使い分けされており商品として必要だから。
「干ししいたけ」は、カサの開き具合によって厚みが違うため、その厚みによって、どの料理に向いているかが変わる。例えば、「しいたけ」の場合、水にもどすと、薄く平らのため、細かく刻んで、「お吸い物」や「ちらし寿司」など、味にアクセントをつけるために使うことが多い。一方、「どんこ」は、丸みを帯び、肉厚のため、「煮物」や「天ぷら」など、歯ごたえを活かした料理に使うことが多い。

〇なぜカサが開いていないモノを「どんこ」と呼ぶのか?
明治時代初期、当時は、椎茸問屋では「カサが開いているモノ」も「カサが開いていないモノ」も2種類を混ぜて、一緒に販売をしていた。
ある時、中国人が来店し、「ドング」と言いながら、「カサが開いていないモノ」を選んだ。実は中国では、「カサが開いていないモノ」を「肉厚で美味しい」として、「ドング」と呼び分けしており、重宝していた。
「どんこ」は、中国での呼び名である「ドング」から次第に変化した呼び名。そして、「しいたけ」と「どんこ」の2種類を区別して売るようにもなった。

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