この差って何ですか?

毎週火曜よる7時

過去の放送内容

2018年11月27日

(1)「大声で売る魚屋さん」と「静かに売る肉屋さん」の差

(写真)

専門家:斗鬼正一(江戸川大学 社会学部 教授)

この差は…
密かに取引されていたか どうか
江戸時代、お肉を食べることは禁じられていたので、店の裏で静かに取引されていた。

〇魚屋さんが威勢良く売る理由とは?
魚屋さんが威勢よく魚を売る風景は、江戸時代にはもう定着していた。当時は冷蔵技術も発達しておらず、魚はその日のうちに売り切らなければ全部腐ってしまうので、道行く人の足を止めるために威勢よく売っていた。そして、冷蔵技術が発達した現在でも、その頃の名残で威勢のよい掛け声で売っている。

〇お肉屋さんも威勢良く売っていた?
お肉屋さんは、江戸時代から現在と同じように静かにお肉を売っていた。江戸時代、お肉屋さんは静かに売らなければいけない事情があった。
日本では江戸時代まで、獣の肉を食べることは禁じられていた。しかし、どうしてもお肉を食べたい庶民の為に、店の裏で取引されていた。そのため、お肉は静かに売られていた。その名残で現在も静かに売られている。

(2)「他は1ジャンルの商品」なのに「茶屋は海苔もある」の差

(写真)

専門家:君野信太郎(茶の君野園 店主)

この差は…
旬が違う時期か どうか
保存条件が同じか どうか
「お茶」の旬と「海苔」の旬は異なるため、年間を通して利益を得られると考えた。
「お茶」と「海苔」の保存条件は同じため扱いやすいと考えた。

〇どうしてお茶屋さんでは「お茶」と「海苔」を売っている?
「お茶」の旬と「海苔」の旬が違う時期のため。新茶が採れるお茶の旬は4〜5月、生産期間は4〜10月となっている。さらに冬が旬のモノを取り扱えば年間を通して利益を得られると考えた。そこで、旬が11〜12月で、翌年の3月まで採れる「海苔」はちょうど「お茶」と旬の時期がずれていて、年間を通して利益が得られると目をつけた。

〇冬が旬のモノはたくさんあるが、なぜ「海苔」に目をつけた?
「お茶」も「海苔」も保管するのは、陽が当たらず涼しくて湿気が少ない場所が条件となっている。この保存条件が同じであったため扱いやすかった。

〇他にもある!全く違うジャンルのモノを売るお店
メガネ屋さんでは時計も売っていることが多い。これは、昔は客層が同じだったから。メガネも時計も昔は高級品だったので、お金持ちの客層に向けてメガネ屋で時計も売り始めた。そのため、宝石を売るメガネ屋さんもある。

(3)「切り欠きがある茶碗」と「切り欠きがない茶碗」の差

(写真)

専門家:金子信彦(陶芸家)

この差は…
献上品にできなくしたか どうか
「萩焼」が庶民の手にも渡るように、わざと傷を付けて献上できなくしたことがはじまり。

〇何の目的で底が欠けているのか?
茶碗の底の欠けているところは、「切り欠き」と呼ばれる。現在、この「切り欠き」は、茶碗を洗った時に底のくぼみに水が溜まるのを防ぐ役割で付けられていることも多い。しかし、はじめに「切り欠き」を付けるようになったキッカケは全く別の理由だった。

〇なぜ茶碗に「切り欠き」を付けるようになったのか?
江戸時代初期、長州藩(現在の山口県)で作られていた伝統工芸品の「萩焼」から「切り欠き」が誕生した。そのきっかけを作ったのが長州藩主・毛利輝元。萩焼を気に入った輝元は、全ての萩焼を献上品にすることを決めた。その結果、萩焼は一般庶民の手に渡らなくなってしまった。困った萩焼職人は、わざと傷を付けて献上品にできなくすることで、庶民にも萩焼が渡るようにした。

〇萩焼以外にも「切り欠き」が付けられるようになった理由は?
「萩焼」は殿様に献上されるほど素晴らしいモノ、庶民に広まった萩焼には「切り欠き」がついていたことから、いつしか「切り欠き」が素晴らしい茶碗の目印となり、他の職人たちもそれを真似て「切り欠き」を付けるようになったと言われている。

(4)「和包丁」と「洋包丁」の差

(写真)

専門家:小堀辰男(菊季刃物店)

この差は…
片刃か両刃か どうか
「和包丁」は片刃、「洋包丁」は両刃。

〇「和包丁」と「洋包丁」はどこが違う?
一般的には、「和包丁」は片刃、「洋包丁」は両刃となっている。「和包丁」は、より繊細さを求めた切れ味を良くした包丁。実際に「和包丁」と「洋包丁」で焼き豆腐を切ってみると、「和包丁」で切った方は切り口がなめらかなのに対し、「洋包丁」で切った方は少し断面が崩れてしまっている。

〇なぜ片刃の「和包丁」の方がキレイに切れるのか?
包丁は斜めの刃の部分が食材の抵抗を受ける。そのため、両刃の「洋包丁」は、両側から食材の抵抗を受けてしまう。一方、片刃の「和包丁」は片方だけが斜めなので抵抗が半分になり、キレイに切ることができる。
日本人は昔から魚を刺身にして食べる習慣があるが、生魚は傷みやすく、切り口から傷み始める。食材が傷みにくいように、切り口がなめらかになる片刃の「和包丁」は、日本人の食文化に合わせて作られた。

〇なぜ家庭で使われるのは「洋包丁」?
これだけ優れた「和包丁」だが、家庭で使われているのはほとんどが「洋包丁」。これは、「和包丁」で硬いものを切ると、片刃ではまっすぐに切ることが難しいため。「和包丁」は使いこなすのが難しく、熟練の技術が必要なため一般家庭にはあまり普及していない。

(5)「ニラレバ炒め」と「レバニラ炒め」の差

(写真)

専門家:町田健(名古屋大学名誉教授)

この差は…
全く同じ料理
正式な呼び方は「ニラレバ炒め」。

〇正しい呼び方はどっち?
「ニラレバ炒め」と「レバニラ炒め」は全く同じ料理。中国から伝わった料理で「韮菜猪肝(チュウツァイジュウガン)」といい、「韮菜=ニラ」、「猪肝=レバー」となるので、正式な呼び方は「ニラレバ炒め」。

〇なぜ「レバニラ」と呼ぶ人が多い?
街の人に料理の名前を聞くと、50人中42人と圧倒的に多くの人が「レバニラ炒め」と答えた。1970年代あることがきっかけで、「レバニラ炒め」という呼び方が広まった。
そのきっかけとなったのが、赤塚不二夫原作のギャグマンガ、「天才バカボン」。「天才バカボン」のアニメの中で、家族でレストランに行った際に、バカボンのパパが「レバニラ炒めはないのか?」と連呼する。当時は「ニラレバ炒め」という料理は今ほど馴染みがなかったため、国民的アニメ「天才バカボン」の影響で、日本人がこの料理のことを「レバニラ炒め」だと思い込んでしまい、その呼び方も全国へ広まった。その後も番組の中で何度も「レバニラ炒め」と出てきたり、度々再放送されたことで、「レバニラ」がますます広まっていった。
さらに、日本人にとって「ニラレバ」のようにラ行の音が連続した発音はしづらいため、「レバニラ」の方が発音しやすかった。そのような理由もあり、「レバニラ」の方が日本人に定着しやすかったと考えられる。

〇なぜバカボンのパパは「レバニラ」と言った?
バカボンのパパは、「日は西から昇り東へ沈む」と考えるような人物で、逆の言葉をよく言うため、「ニラレバ」も「レバニラ」と言ったのではないかと考えられる。

(6)「昔の健康常識」と「今の健康常識」の差

(写真)

この差は…
昔:ふくらはぎを揉むと血行がよくなり疲れがとれる
今:ふくらはぎを揉むのは危険
(専門家:岡田正彦 新潟大学名誉教授)

〇「マッサージ」に関する新しい健康常識 「足が疲れた時ふくらはぎを揉むのは危険」
ふくらはぎは「第2の心臓」と呼ばれ、心臓から脚まで下りてきた血液をふくらはぎの筋肉がポンプのような働きをすることで再び心臓まで戻すという役割がある。そのため、昔はふくらはぎを揉むことでポンプ機能が促進されて血行が良くなると考えられていた。しかし、最近の研究では、ふくらはぎにある心臓に繋がる大静脈には血栓ができやすいことが分かってきた。
ふくらはぎの血管は、血液を体の下から押し上げる折り返し地点であるため、他の血管に比べて血流が悪く、血栓ができやすくなる。通常は血栓ができてもその多くは非常に小さいためそれほど心配はないが、ふくらはぎを揉むことで血栓が一気にはがれてしまうと非常に危険。はがれた血栓が肺などの血管に詰まることで呼吸困難など命に係わる様々な症状を引き起こす可能性があるので、一日中座って仕事をしている人や運動不足、肥満の人は特に注意が必要。ふくらはぎがだるい時は、揉むのではなくさするだけにする。さするだけでも血行は回復する。

昔:お酢を飲むと体が柔らかくなる
今:お酢を飲んでも体は柔らかくならない
(専門家:平石貴久 平石クリニック院長)

〇「食事」に関する新しい健康常識 「お酢を飲んでも体は柔らかくならない」
お酢を飲むと体が柔らかくなると言われたのは、料理をする際にお酢に肉を漬け込むと酢酸の効果で肉が柔らかくなることから、体も柔らかくなると勘違いされたことがきっかけ。酢酸が肉を柔らかくするのは確かだが、あくまでも調理上の話。お酢の酢酸は体内に入ると胃や腸で分解されてしまうため、「お酢」を飲んでも体は柔らかくならない。基本的に、何かを食べることで体が柔らかくなることはない。

昔:半身浴にデトックス効果がある
今:半身浴にデトックス効果はない
(専門家:早坂信哉 東京都市大学教授 温泉療法専門医)

〇「入浴」に関する新しい健康常識 「半身浴にデトックス効果はない」
昔は長時間半身浴をして大量の汗をかくことで、体内の老廃物を出すデトックス効果が期待できると考えられていた。しかし、最近の研究では汗をかいても老廃物を排出できないことが実証されている。体内の老廃物は主に尿や便から排出され、汗からの老廃物はわずか約0.02%しかない。
しかし、半身浴に健康効果がないわけではない。全身浴をすると水圧で胸囲が約2cm縮み、その結果心臓に負担がかかってしまう。そのため、胸まで浸からない半身浴は、高血圧や心臓・肺の疾患がある方にはオススメの入浴法といえる。

昔:運動前にストレッチをするとケガをしにくい
今:運動前にストレッチをするとケガをしやすくなる
(専門家:栗原隆 栗原隆ウェルネスクリニック院長)

〇「運動」に関する新しい健康常識 「運動前にストレッチをするとケガをしやすくなる」
今の健康常識では、運動前にストレッチをすると筋肉や腱がゆるみすぎてしまい、クッション性がなくなって怪我をしやすくなると考えられている。筋肉や腱は伸び縮みすることで衝撃を吸収するクッションの役割をしているが、運動前にストレッチをすると伸びきった状態で固まってしまい衝撃を吸収できなくなるのでケガをしやすくなる。
運動する前は、筋肉を伸ばすストレッチではなく、筋肉を温める準備運動をすると良い。準備運動をすることで血流が良くなり、筋肉が温まって柔らかくなりケガの予防につながる。ストレッチは運動後に行うのが良い。運動後にストレッチを行うことで、筋肉に溜まった乳酸などの疲労物質が流れやすくなると言われている。

昔:脂肪を燃やすには20分以上の運動が必要
今:「脂肪燃焼」と運動時間は関係ない
(専門家:栗原隆 栗原隆ウェルネスクリニック院長)

〇「運動」に関する新しい健康常識 「脂肪燃焼と時間は関係ない」
1970年代、厚生労働省が(当時、厚生省)「健康のために必要な運動時間は1日20分以上」と提唱したのが、「脂肪を燃やすには20分以上の運動が必要」という勘違いの始まりと言われている。1990年代、エアロビクスなどの有酸素運動が流行った時代からこのような誤解が広がった。
最新の研究では、運動直後から脂肪は燃焼することが分かっている。そのため、5分、10分などの細切れでもいいので運動することが大事。

昔:年をとると筋肉痛が2日以上遅れてやってくる
今:筋肉痛の遅れと年齢は関係ない
(専門家:栗原隆 栗原隆ウェルネスクリニック院長)

〇「運動」に関する新しい健康常識 「筋肉痛の遅れと年齢は関係ない」
昔は、老化によって細胞分裂の回数が減ることで筋肉の回復に時間がかかるので、筋肉痛が遅れてくると考えられていた。しかし、オーストラリアの研究で、筋肉痛は年齢には関係なく、運動の強さが一番関係していることが分かった。
今の健康常識では、ジョギングなどの負担が小さい運動は筋肉痛が早く起こりやすく、腕立て伏せなどの負担が大きい運動の場合は筋肉痛が遅れてやってくると言われている。強い運動で起こる筋肉痛は、筋肉を修復する際の炎症であり、すぐに痛みが来ない。筋肉に強い負担をかけると筋肉の中の筋繊維が傷つき炎症が起こるが、筋繊維には痛みを感じる神経がないためこの時点では痛みは感じない。その後炎症が広まって、筋繊維を包む筋膜に届いた時にはじめて筋肉痛を感じる。つまり、筋肉への負担が大きい運動は、運動をしてから痛みを感じるまでに時間差があるため、筋肉痛が遅れてやってくる。
年齢は関係なく、普段運動しない人は筋肉が細く弱っているので、筋繊維が傷つきやすく、筋肉痛が遅れてやってくると言うことはできる。

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