しょくぶつ
Q. 植物の名前はなんでみんなカタカナで書くんですか? (小3・おんな)
A.

うわ〜、面白いことに気が付いたね〜。たぶん大人でも、このことに気が付いてる人はあんまりいないと思うよ。

実はね、キミの言う通り、植物の名前というのは学問の上で正確に書くとき、日本では全部カタカナで書く決まりになっているんです。どうしてそういう決まりになったかというとね、植物の名前を今のようにきちんと付け始めたのは明治時代になってからで、それまでは全部漢字を使って書いてたんです。で、それはもともと中国で使われていた名前をあてていることが多かったの。中国ではものを書くときに全部漢字を使いますね。ということは中国では植物の名前を書くときも全部漢字で書いてあるわけ。それが江戸時代に日本にも伝えられたんですが、そのときの日本の植物学者の人たちは、そういう中国から来た漢字の植物の名前を見て、「これは日本ではこういうものだろう」と言って、かなり当てずっぽうにあてはめていっちゃったんだ。

あとになって、同じ漢字の名前なのに中国と日本では違う植物だった、なんてことがたくさんあることがわかったんですね。つまり、漢字で名前をつけたけど実際にはちがうものだった、という名前がた〜くさんあったんです。それじゃあ困るよね。そこで、正式に植物の名前を書くときにはカタカナ書きにしましょう、ということに決めたんです。まぁ、今だったらたぶん、ひらがなで書きましょうということにしてただろうけど、その頃はカタカナをたくさん使っていたから、そう決めたんだと思います。

だから、きちんと植物の名前を書くときにはカタカナで書いた方が間違いがないですよ。でもね、俳句とか詩をよんだりする人はどうしても「漢字」を使いたがるんです。そうじゃないと「カンジ」がでないんですって(笑)。


園芸研究家・柳 宗民 先生

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