2008/11/18
みどころ その18−菌類が育む森
この展覧会のツアーも終わりに近づきました。このコーナーでは、菌類の自然界の中でのはたらきを「腐生」「共生」「寄生」に分けて紹介します。「腐生」は、生物遺体を分解すること。菌類の栄養吸収法そのものにかかわることです。「共生」は、地衣類や菌根のような構造で、植物を育むこと。まさに森をつくるはたらきです。「寄生」は菌がとりつくことによって、とりつかれた方に不利益が生じる場合です。一見悪い印象ですが、自然界に必要な「間引き」をしていると考えられています。このコーナーでは全体を通じて、菌類が自然界のなかで、調和的な作用をしていることを示したかったのです。そして、「腐生」「共生」「寄生」には中間的なものも、すべてをやる菌類もいますので、全体がうまく連続するように、コーナー全体を円形に配置しました。この中をぐるぐる周りながら、菌類のはたらきに思いをはせてください。