2019年4月スタート

インタビュー

牧野 巴 役 菜々緒さん

Q.原作や台本を読んだ第一印象をお聞かせください

まず原作の漫画を読ませていただきました。一人ひとりの個性が強く、3人の掛け合いがとても面白かったです。その後に台本を読んだので、すんなりと自分の中に落とし込むことができました。

Q.演じる牧野巴はどんな人物ですか?

牧野巴は正義感が強くて一生懸命でがむしゃらに頑張っている強い女性。今まで、強い女性…悪女を演じることが多かったのですが、こういったタイプの役はあまりやったことがなかったので、新鮮な気持ちで臨ませていただいています。

Q.牧野は外務省からの出向とのことですが…

外務省にいたのですが、ある理由から“サイエンス・メディカル対策室”に出向しました。「最短の2年で外務省に戻りたい」という熱意があり、雑草魂を持って、とにかく這い上がってやろうという野心家です。「ただ戻るんじゃなくて、戻ったときの待遇が大事なんで。そのためにもバンバン働いて、認められるつもりなんで」と上司の網野室長にもサラっと言ってしまうくらいサバサバしています。そして、「暑苦しい正義感は捨てろ」と網野室長に言われるくらい情熱を持った女性なので、紐倉も鬱陶しいと思っていると思います(笑)。ただ、その熱意が事件解決への手がかりになることもあるので、“熱さ”も楽しみながら演じています。

Q.演じる上で難しさはありますか?

私は今まで強いキャラクターを演じる際、単調で低いトーンでセリフを言ってほしいと要求されることが多かったのですが、牧野巴は海外帰りという設定もあって、感情の起伏が激しいというか、感情をちゃんと表に出すよう心掛けています。喜怒哀楽をはっきりと、お天気みたいに気持ちを切り替えています。難しさよりは、楽しさの方が大きいです。

Q.牧野が自信家なのは何か理由があるのですか?

東京大学を首席で卒業しているという自信と外務省に戻りたい!という強い気持ちからなのかなと。ただ牧野には、まだ明かされていない秘密があるので、それも影響しているのかもしれないですね(笑)。紐倉も高家も驚く事実なので、視聴者のみなさんも楽しみにしていてください。私もびっくりしました。

Q.このドラマの魅力はどこですか?

私自身、科学やミステリーに苦手意識があるのですが、そういった難しい部分も分かりやすく描いているのは魅力のひとつです。演じていて「なるほど!」と勉強になることも多いです。あとは1話完結というのも魅力のひとつ。毎週毎週つながりを気にしながら見る作品もいいですが、1話1話をエンタテインメントとして楽しんでいただける作品になっていると思います。

Q.科学やミステリーなど、難しさを分かりやすく伝える工夫がある?

そうですね。爬虫類や寄生虫が苦手な方もいると思うのですが、可愛いイラストで表現したり、難しい言葉を図解で説明したりしています。私自身、爬虫類は大好きですが、うにゅうにゅっ~とした虫は“うわっ。ダメかも”って思うこともあるし(笑)。『インハンド』では、そのあたりもすごく工夫されているので、男女問わず、幅広い年齢層に楽しんでいただける作品だと思います。

Q.科学、サイエンス、寄生虫と聞いて、先入観で見ない人もいるのでは?

もちろん、寄生虫や細菌学もフィーチャーされますが、『インハンド』は“ヒューマンドラマ”でもあります。このドラマを見た後に、「明日もがんばろう」と思えたり、未来に希望が持てるような内容になっています。

Q.笑える部分もありますか?

あります!個性豊かな凸凹トリオなんですけど、その掛け合いは結構面白くて、私も撮影中に笑いそうになるぐらいです(笑)。3人の会話にクスっと笑っていただけたら嬉しいです。また、最初は足並みが揃わずお互いに信用していないのですが、回を重ねるごとにそれぞれが成長していくので、「頑張れ3人!」「がんばれ紐倉!」「がんばれ高家!」「がんばれ牧野!」と応援したくなると思います。凸凹トリオが一致団結して、お互いがお互いを支え合いながら事件を解決していく姿に勇気をもらえると思います。

Q.紐倉と牧野の関係は?

牧野は……最初、“変態の科学者”とだけ聞いて紐倉に会いに行くんですけど、実際に会うと変態ではあるけれど天才なのは間違いないと分かる。パスポートをチラつかせて協力を求める、お互いの利益のために協力させるという合理的な考え方は面白いですね。紐倉と行動を共にすることによって、ドSで不愛想だけど人間味のある部分に興味を持ち、紐倉の心揺さぶられる言葉に感化されていきます。牧野自身も世のため人のために頑張りたいと触発されるので、3人が高め合って成長していく姿を丁寧に演じたいと思います。

Q.心を揺さぶられる言葉とは?

私自身、牧野として紐倉と接していても、紐倉の言葉にジーンとすることがあります。未来が明るくなるようなセリフが多いので、自分自身の考え方を改めるきっかけにもなる作品だと感じました。紐倉は知識が豊富なので、普段の生活の中でも役立つ解説も多く、すごく勉強になりますね。「日本は清潔すぎるんだよ」というセリフは、私自身も「確かにそうかも」と思いましたし、問題提起とまではいいませんが、この作品を通して考えさせられることは多いと思います。

Q.高家との関係はいかがですか?

高家は、それこそ濱田さんじゃないと出来ない役だと思います。濱田さんそのものというか……濱田さん=高家と思ってしまうぐらいピッタリで自然体なんです。3人の掛け合いのシーンでは、マイペースな紐倉、好き勝手に言う牧野を、高家がいいバランスで保ってくれるので安心します。

Q.紐倉と牧野が、高家を振り回している?

そうですね、振り回しています(笑)。紐倉は自己中心的というか、あまり人との関わりを持ちたくないタイプなので人に対する扱いが雑なんです。助手になった高家に対しても、上から目線ですし、牧野も同じような感じ(笑)。それでも、「まあまあまあ」という感じでくっついて回る高家がすごくかわいいんです。濱田さんも高家も“妖精”みたいな感じで、現場にいると和む存在です(笑)。

Q.現場の雰囲気は良さそうですね。

そうですね。現場は植物や動物など視覚的な面でも天国です。

Q.動物は好きですか?

大好きです。なんでこんなに好きなんだろう(笑)。爬虫類も大好きですし、虫も結構平気でした。紐倉研究所には爬虫類や昆虫を飼っているお部屋があるのですが、昨日は小さい赤ちゃんワニ、タランチュラ、サソリ、蛇、ウサギ、ネズミなどがいました。私、触ったことのないものを触ってみたい!という欲求がすごくて(笑)、ワニを抱っこさせてもらったり、タランチュラを触ったり、サソリを手に乗せてもらったり…すごく楽しいです。

Q.楽しいんですか?(笑)

空き時間はずっとそのお部屋にいたいくらい楽しいです。小さいトカゲやイグアナがいる日もあって、全部触らせてもらいました。本当に可愛いくて、蛇やタランチュラなど、実際に飼いたくなりました。

Q.今、爬虫類は飼ってはない?

飼ってないです。今住んでいるところが動物はNGなんです。爬虫類などを飼うには、許可が必要な場合もありますしね。その反動で今は、紐倉の部屋に入り浸っています(笑)。

Q.動物と戯れるシーンも多いですか?

そうですね。通常のドラマよりは多いと思います。動物とのシーンは思い通りに動いてくれないので時間のかかることがありますが、その場にいるだけで癒されるので気長に待っています。

Q.思い通りに動いてくれず、大変だったシーンはありますか?

リクガメとのシーンは、中々動いてくれず、“カメ待ち”になりました。けれど、動物との撮影はそれが普通ですから苦ではないですね。一方、蛇はとても大人しくてスムーズでした。15キロぐらいある蛇を首に巻いたのですが、手に持つと見た目以上にずっしりしているのに、首に巻くとすごく軽くて。私の首にフィットして委ねてくれました(笑)。

Q.山下さんや濱田さんは爬虫類大丈夫そうですか?

お二人とも、得意ではないみたいです。でも撮影しなきゃいけないので、山下さんも濱田さんも忍耐でやっている感じかな(笑)。ただ、山下さんは触れ合うことが多いので、徐々に慣れてきたようです。撮影の合間に蛇を触っていたら、濱田さんに「気持ち悪っ!」と言われたので…お返しにタランチュラを手に乗せたら「うわ~」と言いながらも、触っていました(笑)。

Q.サイエンス・メディカル対策室のメンバーはいかがですか?

網野室長は警察庁からの出向。御子柴も元厚労のエリートで経産を経由しての出向。みなさん優秀な方ばかりなのですが、それぞれ事情があってサイエンス・メディカル対策室(通称:SMルーム)に集められています。SMルームはどの省庁が扱うべきかあやふやな問題や厄介ごとを押し付けられる部署なので、そんな雰囲気が出るような空気づくりを光石さん、藤森さん、監督さんが作ってくださっています。
網野室長は“とにかく穏便に、波風立てずに…”という人物なのですが、牧野が出向してきたことで、その熱意に感化されて警察官としての気持ちを取り戻していくのかなと。
御子柴は網野室長にくっついて行動するようないい意味でヨイショのうまい人。網野室長と同様にことなかれ主義で、影響を受けやすいタイプです。今後は、牧野の依頼で事件の調査に協力してくれたり、情報を提供してくれたりするので、とても優秀な人。 今後、牧野と関わったことで、網野室長や御子柴がどう変化していくのか楽しみです。

Q.最後に、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

科学、医学、サイエンスミステリーと聞くと“難しい”と感じる方もいると思います。もちろん、専門用語や寄生虫も登場しますが、かわいいイラストで分かりやすく表現していますし、映像も工夫しているので、抵抗なく楽しんでいただけると思います。また、紐倉は義手になった過去を背負い、高家は医者として人を救えなかったが正義を貫きたいという熱い思いがあり、牧野にも外務省に戻りたいという気持ちと共に秘密もある。そんなバラバラの3人が協力して事件を解決しながら成長していく姿は見どころです。ぜひご覧ください。

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