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東日本大震災で津波に襲われ、壊滅的な被害を受けた病院は多い。宮城県気仙沼市の本吉病院もそのひとつだ。医師不在のこの病院に院長としてやってきたのは異色の経歴を持つ医師だった。
元プロボクサーの川島実さん。
京都大学医学部を卒業した彼は、医師としての道よりもボクシングで世界を選んだ。しかし、29歳で挫折。今度は農村部に移り住み、農地を耕す自給自足の道を目指した。しかしそこで直面したのは医療を渇望する地方の実情だった。改めて僻地医療に取り組んだ彼は、震災に苦しむ被災地の人々と出会う。
本吉病院で働く決意を固めた彼は、妻と4人の子どもを置いて単身気仙沼へ。検査機器もやられ、決して満足な医療態勢にない中、
彼が展開したのは、僻地医療で身に付けたユニークな医療だった。