放送内容
いにしえの都・奈良は、約1300年前に日本という国の礎が築かれた場所である。当時の日本は、仏の力によって国を治めようとする“鎮護国家”の思想のもとにあった。その仏教の乱れを正すため、中国・唐の名僧・鑑真和上は命を懸けて海を渡り、日本にやってきた。唐招提寺に眠る門外不出の宝とともに、その真意を紐解いていく。
天平のタイムカプセル
鑑真和上が渡来した頃の奈良は、国際色豊かな天平文化が花開いた時代。
当時の記憶をタイムカプセルのように今に伝えるのが、鑑真和上が建立した唐招提寺だ。
金堂、講堂、本尊も国宝と、まさに国宝だらけの寺。今回、特別に見せてもらったのは鑑真和上が請来した白瑠璃舎利壺。シルクロードから唐、そして日本へ。

唐招提寺はこうして造られた
唐招提寺は他の寺院と異なるところがある。それは、伽藍の多くが寄付や寄進、移築によって建てられたということ。唐招提寺で最初に建てられた講堂は、平城宮にあった建物を丸ごと移築したとされている。平城宮の面影を今に伝える唯一の建物で、とても貴重である。

平成の大改修
唐招提寺は過去に2度、大きな修理が行われた。
そして平成に入り、寺のシンボル、金堂が10年に及ぶ大改修を迎えた。
天平の甍、大屋根も修理の対象となった。
