放送内容
1万2000年前の遺跡、ギョベクリ・テペはトルコ南東部に位置する。世界最古の巨石建造物群とされ、それは歴史をぬりかえる大発見だった。巨石建造物は農耕以降に初めて造られたとする従来説を覆すとんでもないものだったのである。それだけではない。ギョベクリ・テペのような1万年以上前の遺跡が近年、周辺地域から続々と発見されているのだ。
人類の文明の原点、まさに「ゼロ・ポイント」ともされる未知の遺跡の存在に迫る。
歴史をぬりかえる大発見
今まで世界最古とされてきた古代メソポタミア文明を7000年も遡るギョベクリ・テペ。
T字型石柱が立ち並ぶ円形遺構にはかつて屋根がかけられ、神殿だったと見る向きもある。狩猟採集が定説の1万2000年前に、あるはずのない巨石建造物群が見つかったのである。
生と死の巨人像
ギョベクリ・テペと同じおよそ1万2000年前の遺跡、カラハン・テペ。男性器のような石柱の林立する遺構は成人の通過儀礼の場だったと考えられる。2023年、ここから世界最古で最大の人物座像が出土した。それは、生と死を同時に表現したような巨人像だった。
2024年の大発見
ギョベクリ・テペの周辺地域では1万年以上前の遺跡の発見が相次いでいる。そのひとつ、セフェル・テペから2024年、はじめて完全な形の頭蓋骨が発見された。ギョベクリ・テペでも示唆されてきた頭蓋骨信仰の謎に迫る、新たな糸口となるかもしれない。