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スマトラの熱帯雨林遺産
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Q:「スマトラの熱帯雨林遺産」とはどんなサイトなのでしょうか?
A:インドネシアのスマトラと言うと、皆さんの記憶にも新しい2004年のスマトラ沖大地震だと思います。
今でも大きな地震が時々あり、撮影中も僕たちがついさっきまでいた場所でM7クラスの地震があったことを報道で知って驚いたりしました。もともと火山地帯なので、地熱で泥の中からポコポコ泡が出ているのを良く見たりもしましたね。
そもそもこの場所がどうして世界遺産に登録されたかというと、ご存知の方も多いと思いますが、スマトラの森林破壊は世界の中でも最もと言っていいくらい顕著に現れている場所です。
データでもはっきりと出ていて、1900年代初めから2000年までに島全体の約8割の森が人間の手によって破壊されてしまったという悲惨な状況下にあった場所。それを阻止するべく人間の手が及んでいないごくわずかな森林を保護しようと、2004年に世界遺産に登録されました。
Q:現地でも森林伐採など環境が破壊されているのを感じましたか?
A:上空から見ると、まるで森が何かに浸食されているかのように所々凹んでいたり、穴が開いているような場所が見えるんです。それは、登録された範囲の外周にあるバッファゾーン(緩衝地域)まで違法伐採された後。
日本では考えられない事ですが、価値が違うと言うか、現地の人達にとってはまず生活が第一。法を守り、森を守るよりも自分たちが生きていくために法を犯すという行為が今でも続いているそうです。さらにそうして違法伐採された土地を、移住してきた人達が畑に変えてしまっているという光景も見ました。尋常ではないペースで森林が次々と失われた1970年代よりは衰えつつも、現在もこのような形でスマトラの森林は失われつつあります。そのせいで、その中に生きている様々な生物の命も危機に瀕しています。
森林が伐採されることで生きていく範囲が狭められ、密猟者はジャングルの奥地にまで入り込み、動物の数は激減。取材で訪れたオランウータンのリハビリセンターでは、親が撃たれペットのために子供が連れ去られるという現状を聞きました。飼い主から取り返してセンターで育てても、野性に戻すことはなかなか難しいそうです。スマトラゾウも、住む場所がなくなり、食べ物を求めて人家を襲ったり、畑を荒らしたりしています。トラの毛皮が違法で売られているケースもありました。やはり、地元の人々の意識が変わらないと世界遺産に登録されるだけでは森を守るのは難しいという事なのかもしれません。まだまだ森林を犯す人の数に対して保護する側の人数が少なく、しっかりと取り締まれていないというのが哀しいかな今のスマトラの現状です。
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