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Q:今回の撮影は、堀江さんご自身が立候補なされたのだとか?
A:僕にとって830箇所ある世界遺産の中でも特に気になっていたサイトの一つがアウシュヴィッツでした。
以前、チェコにある「トシェビーチのユダヤ人街」へ撮影で訪れた時、その町で唯一ユダヤ人の血を引くおばあさんにお話をうかがう機会に恵まれました。彼女は父親をアウシュヴィッツ強制収容所で亡くしていました。しかし何より印象的だったのは、彼女自身が、“今”を楽しみ、本当に生き生きと暮らしていた事。一方で、戦争を全く知らない世代の我々は、果たして彼女や戦争経験者のように、“平和”というものを日々しっかりと感じ取れているのか、そう感じたのです。
現実は、毎年夏になると様々な追悼番組や戦争の新聞記事、甲子園で黙祷する高校球児の姿を見る度に戦争や平和について考えるけれど、それも過ぎ去ればまた普段の生活に追われる。別に「戦争を経験しろ」というわけではありません。経験が無くても、先人達や地球の記憶が、様々なことを教えてくれています。僕たちはそれらをいかに咀嚼(そしゃく)・理解し、過ちを繰り返さないでいられるのか、平和でいられるのか、を考えなければならないのではないか、と思っているんです。
人間はなぜ生まれ、そして死ぬのか?
負の遺産はそんな人間の存在を問う事にも繋がるもので、考えることによってそのヒントが見つかるような気がします。ですからアウシュヴィッツだけでなく、今まで放送した負の遺産を取り直す機会があれば、また是非、志願したいとは考えています。
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