1月17日。初場所5日目の早朝。横綱白鵬はある場所へと向かっていた。そこは白鵬が“角界の父”と慕う昭和の大横綱・大鵬こと納谷幸喜さんの自宅。去年から体調を崩していた納谷さんをお見舞いに訪れたのだった。白鵬はその場で納谷さんが打ち立てた金字塔、史上最多の優勝32回を目指す、と自らの決意を告げる。そんな白鵬を納谷さんは厳しくも愛情に満ちた言葉で激励した。わずか5分にも満たない2人の会話。納谷さんはこの2日後にこの世を去る。カメラが記録したのは、最後の力を振り絞り後輩に道を示さんとする大横綱と、その後継者たらんとする若き横綱との最後の会話だった…。

番組では、白鵬が将来の夢のため自ら新弟子のスカウトに足を運ぶ姿や、日本国籍取得に向けて揺れる胸の内、母国モンゴルで見せた一人の青年としての素顔など、白鵬のこの1年に密着取材。大横綱・大鵬の生前最後の映像となった1月17日の「白鵬と大鵬・最後の会話」を軸に、新たな高みを目指して戦った白鵬の初場所の舞台裏と、大鵬から託された最後の言葉を胸にこれから白鵬が歩んで行く相撲道を解き明かす。

出演
第69代横綱白鵬
ナレーター
池田秀一
企画
渡辺隆之・松原 健
構成
藤井 誠
ディレクター
畔地俊吾・五十嵐幹夫
アシスタントディレクター
小林優助
プロデューサー
加納幸喜