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第30話 「謎の刺客・弥勒兄弟」
ビーナスの腕とともにバイヤー達をオークション会場に運ぶ豪華客船に乗り込もうとする蛮と銀次だったが、ビーナスの護衛の者たちに見つかり 、結局、強引に飛び乗ることとなってしまう。 先行した銀次は上手く飛び移れたのだったが、遅れた蛮が飛び移ろうとしたその瞬間、護り屋の弥勒夏彦の長刀が一閃! 蛮はその刃にかかり海に没してしまうのだった!! 「蛮ちゃん! 蛮ちゃーーーーん!!」 我を忘れてそう叫び蛮の後を追おうとする銀次。と、その襟首を掴んで動きを阻んだのは赤屍であった。 彼も『失われた腕』の運び屋として雇われていたのである。 「あなたには私の相手をしていただかなくては。こちらも仕事ですのでね」 そう言って銀次に襲いかかる赤屍。 けれどその戦いの最中、赤屍は嬉しそうに銀次に語りかけ続け、そして 「自分以外の者には倒されたくないから」 と、こう忠告するのだった。 「敵を……一人だと思わない事。いいですね?」 その言葉を聞いた直後、船の縁の柵を乗り越えて何とか逃げ出す銀次。 そして赤屍はその後を追う事はしないのだった……。 その後、銀次はいるはずのない蛮を探して船内を叫びながらやみくもに駈け回るのだが、当然、蛮が見つかるはずも無く、最後にはプールサイドで途方に暮れてしまうのだった。 「やっぱりいない……。オレ、一人っきり? そして、ここはどこ?」 と、その目の前にソフトクリームが差し出される。 「よかったら、どうぞ。兄の分なんだけど、どこかに消えちゃって。溶けちゃったら、もったいないから……」 そうして銀次に優しく語りかけるその青年は、弥勒雪彦と名乗るのだった――。 |
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第29話 「女神の腕を奪り還せ!」
「どうせ今回もヤバイ筋からなんだろが!」 ヘブンの持ってきた仕事に文句をつける蛮。それに対して 「ちょっと!せっかく仕事を仲介してあげようって言っているのに、何その態度!」 とヘブンは怒りをあらわにする。 いつものように喧嘩がはじまるが 「どうせ引き受ける事になるのに…」 とのポールの言葉通り、結局ヘブンの依頼を受けそうになる奪還屋。 そこに現れたのはクレイマン。蛮はあっさり新たな依頼者になびき、ヘブンを追い返して依頼内容を聞く。 クレイマンによるとミロのビーナスの『失われた腕』が見つかったのだという。 「今、ビーナスの腕はある小島のオークション会場に向かっている。あれが会場で待つ本体のレプリカとつなぎ合わされば ビーナスの持つ神秘的な美は失われる。…その前に奪り還してもらいたいのだ『永遠の美』を…。」 オークション会場へ向かう豪華客船の出発港は沖縄。 「そこのお兄さん方、何ぞお困りでっか?」 蛮と銀次はそこでつけヒゲや眼鏡で下手な変装をした笑師に遭遇したのであった――。 |
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第28話 「過去を失くした男」
雨の降りしきるその日。 仕事も無くHONKY TONKのカウンターで暇をもてあます蛮と銀次のもとに一人の人物がやって来た。 高村裕二と名乗るその男は奇妙な”奪還”を依頼する 「私の…私の記憶を、奪り還して貰えないでしょうか?」 三ヶ月前、高村は恋人の結城みどりと共に崖から転落するという事故に遭遇。奇跡的に命は助かったものの、高村一人、記憶喪失になってしまった。 恋人の献身的な介抱の元、療養を続けていたのだが、高村にとってはそれが心を苦しめる原因となっていた。 そんな折、蛮の”邪眼”の噂を聞きつけ、記憶回復の手がかりになるのでは無いかと思い、奪還を依頼してきたのであった。 「邪眼は催眠術じゃあない。記憶を奪り戻せと言っても無理な相談だ…。」 と告げられ、落胆して帰ろうとする高村だったが、蛮はそれを引き止める。 「俺らも奪還屋だ。失ったものは必ず奪り還えす。その依頼、確かに引き受けたぜ。」 そうして高村の過去に関する場所を巡り始めるのだったが――。 |
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