過去の放送内容
2019年12月1日放送

特集
「電車広告で見るけどよく知らない会社」
電車の扉に「古河気合筋肉」…って一体なに?
ゲスト
森永卓郎さん、市川紗椰さん
番組内容
今回のテーマは「電車広告で見るけど、よく知らない会社!」
電車で通勤や通学をしているとついつい目に入る「広告」。
中吊りはもちろん、ドアの上や駅のホームにも、いろんな広告が!
よく見てみると、中には「ここ何の会社だ!?」という、よく分からないものも、結構混ざってる!
でも、電車に広告を出しているということは、きっと相当儲かっているはず!
今日は、電車の中吊りを見るのがちょっと楽しみになるかもしれない30分です!
トンネル工事業界で国内シェア80%!「古河機械金属」
まず最初は…

とある電車に乗ってみると、ドアの上の部分に「古河機械金属」と、社名だけの広告が。
コレだけ見ても、何の会社か分からない。
しかも、隣には「古河気合筋肉」…
冗談なのか、意味があるのか、ますますよく分からない…。
ということで、やってきたのは…

群馬県高崎市にある、古河機械金属の工場。
そもそも何をやっている会社なのでしょうか?
広報の芥川良平さんに話を伺いしました。
芥川さん:かなり大きなものを作っています。

巨大なものを作って、昨年の売上げは1,741億円!
…と、これはかなりの大企業!
で、肝心のその巨大なものとは…?

芥川さん:こちらです。「トンネルドリルジャンボ」です。トンネルの岩盤に穴を開ける機械です。
そう、古河機械金属は、「トンネルを掘る機械」を作っている会社!
でも、広告の「気合筋肉」というのは、何か関係あるのでしょうか…?
芥川さん:ほとんどの一般の人には知られていないという会社なので、まずは知っていただこうということで社名をもじって広告を出してみました。
スタッフ:なんで筋肉なんですか?
芥川さん:やっぱり気合いと筋肉大事なので!
分かったような分からないような…。
でも、このトンネルドリルジャンボは確かにすごそう!
スタッフ:いくらくらいするんですか?
芥川さん:3億円くらいします。

この巨大マシン、アームが自由自在に動き、こんなに大きくなるんです!
では、どうやってトンネルを掘っているかというと…

3本のアームを同時に動かし、トンネルの壁に100以上もの穴を開ける。

そして、その穴1つ1つに火薬を入れ、爆発させて掘っているんです。
では、その威力はどれ程なのか!?
トンネルは危険なため、採石場で実験!

地面に穴を開け、火薬をセット。
そして…

発破!
凄い音とともに、石が粉々に!
トンネルって、こうやって掘ってるんですね。
古河ロックドリル(株)宮越さん:トンネルを掘って順調に行きますと一日4m、1年でおよそ1kmくらい掘っていくことが可能です。
そんなトンネル工事の世界で、古河機械金属は国内シェア80%と、ダントツの1位。
その理由はとにかく「掘る力」がすごいから!
そのパワーの秘密が…

先端のコレ!
これがどんな硬い岩壁でも穴を開けちゃうらしいのですが…

宮越さん:この石をこの機械で穴を開けたいと思います。大きさは1mの厚さがあります。非常に硬い花崗岩になります。
ということで、実験!
厚さ1メートルの花崗岩を、どのくらいの速さで貫通できるのか…!?

水を噴射しながら、グングン掘っていく。
そして20秒後…

見事、貫通!
硬い岩にも簡単に穴を開けられる、その秘密は…
宮越さん:水を排出して、削った岩の粉を外に吐き出してます。1分間に打撃の回転は4,000回になります。回転している速度は1分間に200回転になります。
そう、トンネルドリルジャンボの秘密は「トリプルアタック打法」

先端にある丸い突起物を、グイッと押し付けて…
1分間に200回以上の回転でねじり…
なおかつ、1秒間に70回以上、垂直に叩きつける!
この古河機械金属独自のワザで、どんな硬い岩壁にも、ぐいぐい穴を開けられるというわけ!
でも、どうして古河機械金属は、トンネル工事の機械でトップメーカーになれたのでしょうか!?
その秘密は、会社のルーツにありました。
芥川さん:もともと鉱山開発をやってきた会社でして、例えば足尾銅山で採掘をしていたと。
1875年に創業した、古河機械金属はもともと、足尾銅山や草倉銅山など、東日本の鉱山を掘る会社でした。
当初は手掘りだった採掘を効率化すべく…

1914年には、岩盤を掘る、手持ち式機械を開発。
以来、100年間、「堀るスペシャリスト」として、そのノウハウを積み重ねていったんです。
そして、銅山開発から、いろいろ事業が広がって…

芥川さん:掘った石を砕くような破砕機だとか、排水をするためのポンプだとか、石を運ぶためのベルトコンベア。出てきた銅、銅山から多極化してきました。

だから、会社のロゴは、銅山の山、なんだとか!
そんな古河機械金属は、売上げが2年連続アップと絶好調!
古河機械金属は、トンネルを掘る機械でがっちり!
あらゆるデータを超簡単に分析!「b→dash」
続いては…

東京駅や新宿駅に広告をずらっと大量に出しているのが…
堤真一さん、おぎやはぎさんを起用している、「b→dash(ビーダッシュ)」。
この「b→dash」
電車だけでなくタクシーでも…
CMをバンバン流しています!
この広告を出しているのが、新宿にある「フロムスクラッチ」という会社。
一体、b→dashとは何の会社なのでしょうか?
営業の河村駿介さんに話を伺いました。

河村さん:これがb→dashになります。
スタッフ:パソコンですか?
河村さん:b→dashというのが、ノープログラミングで購買のデータであったりとか、顧客のデータ、商品のデータみたいなものを、簡単に取り込んで統合して活用、MA、BIまでやっていけるような、それがワンプラットホームでできるようなマーケティングツールとなっております。
スタッフ:…ちょっと全然…
何を言ってるのかよく分からないけど、とにかく、お仕事で使える、便利なものらしい。
現在、利用企業は増加中で、すでにその数、ウン百社以上!
河村さん:ビッグデータという言葉が言われていると思うんですが、結構活用できていない企業さんが大半だったりするので。
河村さんいわく、b→dashは、ビッグデータを使って、企業がいろんなデータを分析できるようにしてくれるとのこと。
河村さん:例えば、アパレル企業様だと顧客の情報データですよね。

お店をやっている会社であれば、会員番号、名前、住所、年齢などが登録されている顧客データを持っている。
そして…
河村さん:他はどんなデータを持っているかというと、例えば店舗でどう言った商品を買われているのか。ここには会員のIDしかないので、どんな人が、例えば何歳の人が買ったのかということがここではわかりません。こう言ったデータがバラバラになってるっていうのが、よくあるんです。

購買データには、どんな商品が売れたのか、が記録されているけど、ここには会員番号しかない。
例えば「20代男性にTシャツがどれくらい売れてるか」を調べたい時、顧客データと購買データがバラバラだと、これを結びつけるのが、めちゃくちゃ大変でした。
でもb→dashだと…

河村さん:これがTシャツを買われた方がどれくらいの年代の分布なのかっていう、まず棒グラフとか、円グラフでそれが示せたりとか。
b→dashは、バラバラのデータを簡単に1つにまとめられるんです!
今までは、欲しいデータを取り出すために、数十時間もかかったり、人に頼んだりしていた作業が数秒でできるようになった、というわけ。
しかも、データをどんどん増やせば、色んなことがわかってきます。
例えば、b→dashを導入したファッション通販サイト「ショップリスト」さんでは…
武井取締役:弊社で一番大きいのだと同じブランドさんを買ってる人だったりとか、同じカテゴリー、トップスとか、水着を毎回買うお客様とかからまずは入り…
スタッフ:水着を毎回買う人だったら、水着の広告を出すとかそういうことですか?
武井取締役:そうですね。
200万人のお客さんそれぞれに合ったオススメを、メールで送れるようになったんです!
その効果からか、売上げも145億円から250億円にUP!
さらに、b→dashを使えば、こんなことも分かる!
河村さん:視聴率とかも、いろんなデータを一つにまとめたら面白い数値も見えたりするんですよ。
ということで、検証!
がっちりマンデーの視聴率、ゲストの性別やSNSのフォロワー数など、いろんなデータを、まとめて分析!
すると、それを見た河村さんから驚きの結論が…

河村さん:例えばこういうデータですね。ゲストの性別による視聴率がどうなのか。
スタッフ:同じですか?
河村さん:ほぼほぼ同じですね。割合的には。あと、ゲストのSNSがアカウントがあるかないか。やっぱりある方が影響力あるから視聴率が上がるんじゃないか。これも実は意外と変わらないという結果が出てたりします。ゲストではあまり視聴率は変わらないという風なデータがでてます。
がっちりマンデーの視聴率は、ゲストの性別や、SNSの影響力などでは変わらない、という結論に。
他にも、天気も、あんまり影響しない。
では、何が視聴率に影響するのか、b→dashが出した答えは…

河村さん:その企画ごとですね。恒例企画なのか通常企画なのかによって、視聴率が変わるのかなっていう。
スタッフ:恒例企画の方が低いじゃないですか!
河村さん:そうですね、意外と通常企画(新企画)の方が高かったりするような数字が出せたりとか。
第何弾、といった恒例の企画よりも、今までにない新企画!のほうが、視聴率がいい、とのこと。
そんな色んな分析ができるb→dash、肝心のお値段は…?
河村さん:他社のツールだと年間予算が数千万とか、数億とかいくケースが一般的だったりする一方で、b→dashだとそれを10分の1とかに削減することができます。
初期費用はかかるけど、月額は最低5万円から!
めちゃくちゃ安い!
フロムスクラッチはb→dashでがっちり!
年1兆円稼ぐ謎の会社「東京エレクトロン」
続いては…

西早稲田駅や生田駅にある看板広告
「大きな夢を小さなナノの世界から」
そしてこちらの看板にも…

やっぱり「ナノ」…
でも結局、何を作っているかは、よく分からない。
この会社の名前は「東京エレクトロン」

実はこの会社、女子駅伝のスポンサーにもなっていたり、バンバン広告を出しているんです。
調べてみると、本社があるのはなんとTBSの隣、赤坂サカス。
しかも、最上階!
一体、何の会社なんでしょうか?
担当の前原大樹さんに話を伺いました。
前原さん:家電やパソコンで使われている「半導体」ってご存知ですか?
スタッフ:名前は聞いたことがあります。

前原さん:スマホの中にもたくさん使われておりまして、これもそうですし、これも、これもそうですね。小さいものから大きいものまであります。
半導体といえば、スマホやパソコンの心臓部になるパーツ。
今や、家電にもほとんど半導体が入っていて、例えば、炊飯器を分解してみると…
なんと炊飯器1つに35個もの半導体が!
スタッフ:この半導体を作ってる会社なんですか?
前原さん:我々は、この半導体を作るための「装置」を作っている会社になります。
そう、「東京エレクトロン」は、半導体…ではなく「半導体を作る装置」を作っている会社!
しかもその売上げがとんでもなかった!
前原さん:直近の売り上げは1兆2,700億円です。

2014年はおよそ6,000億円だった売り上げが、グーンと伸びて、昨年は1兆円ごえ!
この会社、一体何がすごいのでしょうか!?

「半導体を作る装置」を作っている宮城県の工場に行ってみると…
中は、管理もかなり厳重…。

そこでは、スタッフが何やら、手作業で組み立てています。
従業員:全部ではなんいけど、一部手作業でやってます。
スタッフ:精密な機械が手作業なんですか?
従業員:顧客の仕様に合わせて作っておりますので。
こうしてできあがるのが…

従業員:これが半導体を作る装置になります。
こちらが、工場で完成した半導体を作る装置!
その名も「Tactras」
ちっちゃい半導体を作るものなのに、結構でかいんですね…。

従業員:これが、半導体の材料ウェハーというもの。
スタッフ:これが半導体の材料なんですか?
従業員:はい、これを装置に入れて加工することで半導体になっていきます。

半導体の材料となるウェハーをケースに入れ、装置にセット。
そして、30分後…
処理が終わったウェハーを見せてもらうと…

スタッフ:編み目がついてる?
従業員:そうですね。削ることでここに線が…
スタッフ:削ってるんですね。
あれ、単に格子状に線が掘ってあるだけ…?

でもこちら、半導体の完成形を見てみると…
何やらザラザラした感じに。
これを顕微鏡でぐーっと拡大。

10倍にしたのが、こちら。
そして…

50倍!

さらに100倍。
この横幅がおよそ0,004ミリと、かなり細かい!
でも、先ほどの格子状のウェハーには、もっともっと細かい加工がされていたんです。

ウェハーの断片の真横、ココを特殊な電子顕微鏡で見てみると…

従業員:これが真横から見たもの。
これは、先ほどの画面のさらに100倍も拡大したもの。
従業員:黒い方が掘ったところです。
スタッフ:どのくらい小さいんですか?
従業員:ナノメートルの世界になります。
1ナノメートルは、1メートルの…
10億分の1。

ここのスキマ、45ナノメートルは、髪の毛1本を、5千本に細切りしたときの1本の太さと同じくらい…
もはや想像もできない!
でも、こんな細かい加工ができる機械を作れるから、「東京エレクトロン」は、儲かってるというわけ。
しかし、そんなすごい会社がどうして西早稲田駅や日吉駅に広告を出しているんでしょうか?
河合利樹社長に伺いました。
河合社長:多くの方に東京エレクトロンを知ってもらって、多くの学生さんにも弊社の門を叩いてもらいたい、という風に思っているからです。
スタッフ:大学があるところ中心にっていう感じですか?
河合社長:そうですね。
グイグイ成長中の東京エレクトロンさんは、とにかく優秀な学生が欲しい!
だから、早稲田大学のある早稲田駅、慶應義塾大学のある日吉駅などに、広告を出しているというわけ!
河合社長:世の中の発展、社会の発展に貢献していきたいと思っています。売上げで2兆円を目指して。
売上げ2兆!?ということは…
東京エレクトロンは…
半導体をつくる装置を作ってがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:VTRで見たのは機械の一部なんですよ。1つの半導体を作るのに300工程くらいあって、全部で100種類くらいの機械を使って、半導体を作ってるんです。だから色んな機械を作っていて、あれひとつでウン億円なんです。それをいっぱい作ってるから、そりゃ1兆円超えますよね。