過去の放送内容
2019年9月15日放送

特集
お寺や舞妓さんだけじゃない「最新京都ビジネス」
京都の町家が大変身!激ウマ京都パンが大集合!
ゲスト
森永卓郎さん、高橋茂雄(サバンナ)さん
番組内容
今回のテーマは「あなたの知らない!最新京都ビジネス!!」
京都といえば、とにかく観光で大賑わいの街。
最近は特に、外国からのインバウンドで、ごったがえして儲かっている!
しかし!京都は観光だけじゃない!
みなさんの知らない、さまざまな儲かりパワーを秘めた、がっちりタウン!
しかも、そのパワーを生かした新ビジネスが次々と生まれているんです!
あなたの知らない、最新京都ビジネス!
舞妓さんとお坊さんだけじゃない、京都のがっちりパワー満載の30分です!
パンを作らず、人気店のパンを集めて売る!パンのセレクトショップ!
やってきたのは…

京都の街のど真ん中、四条河原町のマルイさん。
この7階で、京都ならではの、新しい商売でがっちり!な社長さんがいるという、
その商売とは…

パン屋さん!!
その名も「ベーカリーマーケット」
和のイメージが強い京都ですが、実はパン王国!

パン全体の支出額が神戸に次いで全国2位。

食パン以外の惣菜パン支出額では堂々1位!と、京都の皆さん、かなりパンを食べているんです!
そんなパンの街ということは、パン屋さんも相当競争が厳しいはずですが、一体、どんな新しいパン屋さんなのでしょうか?
社長の橋本昌和さんに話を伺いました。
スタッフ:月商いかほどですか?
橋本社長:400万ぐらいですかね…がっちりです!!
月商400万ということは年商4,800万円?

でも、売り場はずいぶんとこじんまりした感じ…
ぱっと見も普通のパン屋さんに見えますけど…
何がそんなにがっちりなのでしょうか?

橋本社長:見てくれたらわかると思うんですが看板が…
スタッフ:あっ違うって事ですか?
確かに!パンの名前じゃなくて…
お店の看板のようなものがついています!
これは一体…
橋本社長:それぞれ京都の人気のパン屋を選んでセレクトショップという形でやっています。10数社の人気のパンを集めて一カ所で売っています。
そう!ここ、ベーカリーマーケットは、京都市内にたくさんあるパン屋さんの中から、人気のお店を選び、そのお店のパンを集めて売る、パンのセレクトショップ!!
11件ものパン屋さんが自慢のパンを提供…
例えば…

こちら西京区にある「OAKFOOD」さんは、パイ生地でサクサクなチョコ味のドーナツ「パイドーナツ」がご自慢!

左京区にある「CheerUp!」さんは、マスカットレーズンやキャラメル味など様々なベーグルが、大人気!

伏見区にある、手作りパン工房「SUZUPAN」さんは…
「俺の究極のカレーパン」がすぐに売れてなくなっちゃうらしい!
京都市内の人気のパンを一箇所に集める、というこのスタイル、今までありそうでなかった!という事で、
お客さんは…
お客さん:色々なパン屋さんのパンが食べられるのでいいなと思います。
お客さん:一箇所に集まっていて、欲しい時に欲しいモノがあるのですごく便利です。
お客さん:一回試しに食べて美味しかったらお店に行ってみようかな。
と、大好評!!
橋本社長:京都ってたくさんのパン屋さんが郊外にあって、その人気のパンを買いに行こうと思うと結構な労力がかかるので、それを真ん中に集めたら皆さん便利だろうと思いました。
では、パンを卸しているパン屋さんはどうなのでしょうか?
パイドーナツが大人気の「OAKFOOD」の料理長前田さんに伺いました。
前田さん:(店は)京都の中心からちょっと離れたところにあるんですけど、客層が全然違うんです。この辺はお年寄りが多いんですけど、中心部は若者が多いので、そういう方々にも認知が上がるメリットがあります。
ベーグルが人気!
オープン1年目の「CheerUp!」さんも…
湯淺社長:「マルイで見たよ」という方もいらっしゃいますし、少しずつですけど名前を知って頂けているのかなと思います。
パン屋さんの激戦区京都で、少しでも名前を売りたい!
お店側は街のど真ん中で宣伝できると大喜び!
しかも、パンのお値段は…
橋本社長:それぞれのお店で売ってる値段と同じ値段で売っています。こっちきて高かったらお客様ががっかりするので…
なんと、それぞれのパン屋さんとお値段は一緒!
ベーカリーマーケットはそれぞれのパン屋さんから、卸値で仕入れ、それをお店と同じ値段で売っているんです。
橋本社長:例えば、200円のパンだったら140円とかで仕入れて、200円で売るという形です。
仕入れ値と売値の差が、儲けに。
自分でパンを焼くわけではないから、パン作りの機械もいらないってことで、これは頭がいい!
しかし、そうなると、重要になるのがパンを集める方法!

実は橋本社長!専門で集荷する人を雇っているんです!
スタッフ:これからどのくらい回るんですか?
配達の方:今日は8軒。日によって色々。とにかく時間ないんで!
大忙し!
パンの出来立ての時間に合わせ、毎日、京都市内のパンを集めて回ります!
朝と昼など2回から3回に分けてパンを取りに行くんです!
一方、パン屋さんはできたてのパンを渡すだけだから楽チン!
こうしてベーカリーマーケットには、常に有名店のパンが勢ぞろいするというわけ。
さらに、お店の目の前には…

イートインの共用スペースがあるから、カフェのようにドリンクも買ってもらって、これまた儲かるという!
橋本社長:そういったところが効率的で利益を作っていると思います。
この、とっても頭のいい商売に、他のデパートからもお声がかかっているとか!
京都ベーカリーマーケットはパンを集めて、がっちり!
伝統工芸!茶筒の老舗が海外向けに次々と新商品を開発!
続いてやってきたのは…
京都市河原町六条にある「開化堂」というお店。

こちらは、お茶の葉が湿気ないように入れる「茶筒」を作っているお店。
お茶も盛んな京都で140年、創業当初から変わらぬ手法で、ブリキや銅、真鍮でできた金属製の茶筒を作っています!

開花堂6代目・八木隆裕さんが、伝統工芸の茶筒を、がっちり儲かる商品にしたらしい!
八木さん:これからも茶筒を作り続けていくために、色々やってます。
自慢の茶筒を拝見することに…
八木さん:明治の最初にイギリスからブリキを輸入して、缶を作り始めたのが始まりです。ブリキは40年くらいで色合いが変わります。経年変化です。

使えば使うほど味が出る茶筒。

そして、開化堂の茶筒、最大の特徴は、蓋の重さだけで、すっと落ちていく…
絶妙な閉まり具合!
これだけ軽く閉まるのに、中の空気はぴったり密閉されて、中のお茶葉が全然、湿けないというからすごい!
なぜそんなことができるのか、その伝統技術を拝見…

フタの締め具合をちょうどよく仕上げるには、フタと接触する筒のこの部分を微妙に歪ませるのがポイントらしいのですが…

スカスカの状態のフタを…
金槌で叩き出した6代目…
なんだか簡単にやっているようですが…
フタを叩いたことで
蓋の重さだけですっと落ちていくフタに…
八木さん:手で歪みを調整しました。
スタッフ:サイズで作っているんじゃないんですか?
八木さん:サイズで作っていますが、ほんの少しの歪みがあると落ちないんです。最後の調整は全部手仕事です。その感覚を親父から教わりました。
目に見えないミクロのサイズの膨らみを金槌一つで仕上げる!
すると、あの見事な締まり具合が完成!
まさに代々受け継がれてきた匠の技です!
しかし!こんなすごい伝統技術が、一度は、途絶えるピンチがあったという。
八木さん:「こんな仕事ダメになるから後を継ぐな」と言われまして…
どんどん減り続ける、日本茶の需要。
「茶筒」だけ作っていても、商売にならない。
ということで、先代のお父さんが、店をたたもうとしていたらしい。
八木さん:このまま明るい未来はないと思っていたんです、その時は。
しかし、諦めなかったのが隆裕さん。
八木さん:アメリカ人が買って行った時に、「何に使うの?」って聞いたら、お土産でなく自身のキッチンで使うと言っていたんです。だったら、世界中の文化にうちの茶筒が使ってもらえる可能性があるかもと思ったんです。
そんな時、声をかけてくれたのが…

イギリスの紅茶屋さん。
茶筒の密閉性は、紅茶の茶葉の保存にも使えると開化堂に注目!
これはチャンスと単身イギリスに乗り込み、実演販売!
するとイギリスの人たちに大好評!売れに売れたんです!
これはいける!と隆裕さん。
外国でも売れる商品を次々開発!
例えば…

パスタ用に長い筒で作ったパスタケース!
その他にも…

コーヒー豆用のケース。
スプーンがフタの中に収まる細かい工夫も!
これは便利!

ヨーロッパ好みのケトルやピッチャーも揃っちゃうんです!
現在、開化堂の商品はイタリアやフランスなど13カ国で販売!
さらに隆裕さん、海外のお店にも細かいこだわりが!
八木さん:ネットだけで売りたいというお店は「ごめんなさい」と断っています。触ってもらって初めてわかるものだと思っていますので。
そう、実際に商品を触ってもらわないとわからないと店に置いてもらえる所だけと取引!
そのこだわりが、開化堂の名前を世界に知らしめる結果に!お父さんも息子さんの活躍に大喜び!
お父さん(5代目):こんなの作って売れるかと不安でしたけど、今はがっちり!です。

この冬には、パナソニックと組んで、茶筒の密閉性がわかるスピーカーまで販売予定。
フタを開けると音楽が聞こえ…閉めると音楽が止まる。
伝統で培われた技術でこの先も…
開化堂は世界でもう100年、がっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:実は中から見ると叩いた跡があるんですよ。
加藤さん:本当だ!外からはまったくわからないけど中からはわかる、これがいいよね。すごいな。
高橋さん:味あるな。手仕事しているって感じですよね。
実は空き家が多い!京都の町屋リノベーションが大人気!
続いてやってきたのは…

なんとも趣のある建物。
京都にある昔ながらのお宅という感じ!
と、奥で待ち構えていたのが、株式会社八清の西村社長。
スタッフ:ずっと京都ですか?
西村社長:京都生まれの京都育ちです。京都ビジネスでがっちり!です。
一体、どんな京都ビジネスでがっちりなんですか?
西村社長:私は町家をリノベーションして販売するっていうのが仕事です。
そう!社長のがっちりビジネスは、昔ながらの京都の住宅、いわゆる「町家」を買い取って、これをキレイにリノベーションして…売る!というもの。
訪ねたこちらのお家も、

築92年の町家を…

社長が直したものなんだとか。
社長いわく京都らしさのシンボルでもあるこの「町家」、意外にも空き家状態で、ほったらかしになっているものがたくさん!そこに目をつけたのが八清のビジネス。
西村社長:銀行は建物評価0って言うんですね。建物が古いから。けど、客さんからのニーズは結構あるんで使い勝手さえよくすればお客さんは買ってくれるという風に思いましたね。
なんと、京都中のあちこちの町家を、1年間に60件ほどリノベーションしているという社長!
一体、どれくらいで買って、どれくらいで売っているのでしょうか…
西村社長:売値は4,000万円前後の価格帯でリノベーションして売れる物件がやりやすいですね。
スタッフ:初めは、どのくらいで買ってですか?
西村社長:まぁ2,000万円までで買わないと。
スタッフ:1,000万円か2,000万円でリノベーションですか?
西村社長:1,000万円では絶対できないですね。最低、1,500円〜1,600万円はリノベーション費用にかかります。

例えば4,000万円の物件。
2,000万円で土地付きの町家を買っても、1,600万円はリノベーション費用!
西村社長:改装が高くつく。
スタッフ:そんなに利益取ってないんですね?
西村社長:薄利でやっています。
この町家ビジネス、ポイントは
やはり、リノベーションのやり方!
これが結構、大変とのことで…
実際に改装中の物件を案内していただくことに。

京都市内にある、築70年。空きや状態だった町家。

現在は、内装をばらして、建物のガワだけの状態。
スタッフ:柱とかも残したまま?普通だったら壊しちゃいますもんね。
西村社長:もちろん。壊しちゃったら伝統構法を新築する事になるから、あくまでも改装なんで。

そう、ポイントは、柱や、梁、壁などを見極め。
なるべく昔ながらの伝統構法で作られている部分を残すのだとか。

西村社長:石の上にあるでしょ?これも伝統構法。
京都の町家に多い、石の上に建物の基礎を作る「石場建て」という伝統構法。

西村社長:伝統構法で竹で編んだ所に土壁で壁を作ってる。湿気があれば吸収して湿気がなければ放出する。
スタッフ:これって無添加住宅なんですか?
西村社長:そう、これこそ天然素材ですから。土、木、石全部自然もんですよ。
こうして、残す素材を決めたらリノベーション。
例えば、改造済みの住宅をみてみると…

柱や梁など伝統構法はそのまま。

建具も壊れた部分だけ直して使う!

西村社長:ガラスも昔のままかもしれない。こういうのがお客さんに喜ばれる。傷もそのままで味がある。

西村社長:こちらは井桁ですけど、耐震の壁ですね。あとからうちが追加で作ってます。
建物の補強は、町家雰囲気に合わせたデザインに、。
西村社長:リノベーションすることで寿命を伸ばす。あと40年50年持つようにする。今風の使い方ができるようにアレンジしているんです。

町家リノベーションをする場合、必ず変えた方がいいのが…水回りや空調。
お風呂や台所は、町屋の雰囲気を壊さない範囲で、なるべく最新の設備をいれるんだとか。

今風の趣味に使える空間、ガレージなんかも用意!
西村社長:どこの町でもあるような建物だと京都でなくても良いわけなので、京都に来ないと見つけられない町屋、街並みが大事かなと思います。
京都にまだまだ眠る町家。
京都ならではのリノベーションは、ますます増えそうです!
株式会社八清は町屋を残してがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:リノベーションを他の業者ができるかというとこれは難しいんです。あと、一番の大きな壁はご近所問題なんです。やはり京都の人間じゃないとなんですよね。