過去の放送内容
2019年9月1日放送
特集
新企画…「儲かる住みよい街」
全国1位!石川県白山市にアレの巨大工場が!?
ゲスト
森永卓郎さん、つるの剛士さん
番組内容
今回のテーマは「儲かる住みよい街」
東洋経済新報社が1993年から毎年発表している、全国住みよい街ランキング。
全国の市と区、815の地域を便利さや快適さなどの指標をもとにランキングしている。
当然上位には有名な街が続々とランクイン!
…と思ったら、知らない街がけっこうある。
でも、知らないけど、住みよいということは、何か特別な理由があって、儲かっている街に違いない!
と思って行ってみたら、ちゃんとありました!住みよい街の儲かる秘密が!
今回は、儲かる、住みよい街。ついつい移住を考えちゃう30分です。
全国1位の石川県白山市には国内シェアNo.1の企業がたくさん!
東洋経済新報社が毎年発表している、
全国住みよい街ランキング。
トップ10を見てみると、2位の文京区の他は、富山、福井、石川と北陸の市がずらりとランクイン!
そして、堂々の1位に輝いたのが、石川県の白山市!
あんまり聞いたことないですが、その白山市は…
金沢市に隣接する人口11万人の街。
なんでこの市が「住み良さ全国NO.1」なのでしょうか。
街の人に聞いてみると…
「程よい田舎っていうことでお買い物に困らないです」
「子育てはすごくしやすいと思います」
「子供たちの医療費は18歳まで無料です」
白山市は、18歳になるまで医療費が全部タダ。
「そのまま水道水飲んでいます」
「水道水飲んでいます」
お水が美味しくて、水道料金もお安い。
ということは、市全体がかなり儲かっているに違いない!
白山市が儲かっている理由を白山市役所の東元部長に伺いしました。
東元部長:全国でNO.1のシェアを占める企業がたくさん立地しているのが強みです。
そう、シェアNO.1のすごい会社が集まっているから、その税収で街も儲かり、結果、住みよい街になったということらしい。
一体、どんな会社があるのでしょうか?
実は、がっちりマンデーもそんなの知らずに、過去に何度も白山市にお邪魔していました。
例えば、10年以上前に取材したのが石野製作所。
この会社、回転寿司のレーン製造シェア、断トツのNO.1!
日本の回転寿司チェーンで回る寿司レーンの6割がここで作られているのです。
2017年に取材したアイナックス稲本も、白山市の会社。
何を作っている会社かというと…
業務用「巨大洗濯機」製造の国内最大手。
バスタオルを洗った後の脱水は、油圧の力でギューッと押す。
すると…
巨大なケーキのような物体が…塊をほぐすとバスタオルが出現。1億2,800万円の巨大洗濯乾燥機が、年間35台も売れているというからすごい!
さらにさらに、白山市にあるホクショーという会社は…
全国の物流倉庫で使われる「垂直搬送機」と呼ばれるマシンを作っていました。こちらも、40%から50%の国内シェアがあるらしい!
そして、もう一つ、石川製作所というところで、すごい製品を作っているという。
それは…
「段ボール製函印刷機」という機械。
無地の段ボールを、箱に組み立てられるようにするマシンで…
段ボールを、投入口にセットすると、すごい速さで…
箱にするための織り目が入れられて、表面に印刷まで出来ちゃうという、
画期的なマシン!
そして、この会社にはもうひとつ、秘密の儲かりアイテムが!
福本常務取締役に伺うと…
福本常務取締役:実は防衛省自衛隊に納めている機雷が日本のシェアNO.1になります。
そう!石川製作所は、水中で爆発する機雷の製造シェアなんと100%。
当然、防衛機密で、作っているところも、もの自体もみせるわけにはいかないとのこと。
なんでも、石川製作所は70年以上前から、当時の海軍とつながりがあって、今でも、日本の防衛に貢献しているのです。
それにしても、なんでこんなにすごい会社の儲かり工場が、白山市に集まっているのでしょうか。
それは、この街に、工場を建てるためのいい条件がそろっているからなんです!
東元部長:白山を源として一級河川の手取川というのがあって、硬い石を運んで強固な地盤と豊富な地下水があります。
白山市の北西部には、かつて暴れ川と呼ばれた手取川によって作られた、国内で最も硬い地盤と、工業用水に使える豊富な地下水があるんです。この二つ、大きな工場で作るのに欠かせない条件なのです。
先ほどのホクショーの中村さんによると…
中村さん:大きな建物は杭打ち工事をするんですけども、地盤調査したところ地盤がしっかりしているということで、基礎工事だけで済んだので、コストが他に回せました。
さらには…
東元部長:石川県民は勤勉な県民だと思うんです。企業さんが来るのには強みになっていると思います。
真面目で勤勉な北陸人の気質もあってがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:街が発展する基盤と言うのは実は働く場所、安定した職場があるかが、一番の基本なんですよね。昔は東京、名古屋、大阪という三大工業地帯があって、そこに今、第4の工業地帯として北陸三県が入って来ているんですよ。
関東2位の千葉県印西市に大型ショッピングモール急増のワケとは?
関東地方の住みよい街トップ5を見てみると…
東京の新宿区、渋谷区を抑えての第2位に、千葉県の印西市という街がランクイン。
印西市もあんまり聞いたことないですが、東京都心から約60キロ離れたところにある千葉県の市なのです。
印西市のど真ん中、印西牧の原駅で、地元の人に話を聞いてみると…
「私たちもランキングで知って、引っ越して来ました」
「私たちはこちらに引っ越してきてまだ1年です」
なんと、住みよい街と聞いて、お引越し。
データを見ても、その街を出ていく人よりも、来る人が多い比率、全国4位。
「住みよいと思います。買い物場所もいっぱいあるし」
「色んなものが売っているので困らないです」
そう、印西市は知る人ぞ知る買い物天国らしい。
実際に印西牧の原駅から、国道464号線を走ってみると…
まずは「牧の原モア」という巨大なショッピングモール。
その向かいには、「BIGHOPガーデンモール」という、これまたでかい商業施設があります。
印西市のもう一つの駅の周辺には、イオンモールやカインズホーム、コストコにドン・キホーテ、ニトリ、ヤオコーと、とにかく大型店舗がこれでもかと揃っているんです。
この地区が千葉ニュータウンと呼ばれ、まさに欲しいものが何でも買える街になっているのです。
中でも一番大きいのが、2002年、この街に最初に進出した…
ホームセンター「ジョイフル本田」
敷地面積は東京ドーム3.5個分と日本でも最大級。
中に入ってみると…
かなり賑わっています。
それにしても売り場がでかい!奥まで見えません。
店内の移動には、動く歩道が必要なほど!
山本信晴ガーデン館館長によると…
山本さん:千葉県だけでなく交通アクセスが良いので県外から、多くのお客さんに来てもらえています。
そう、都心から成田まで伸びる北総鉄道と国道464号線で、千葉ニュータウンには県外からもわんさか人がやってくるんです。
でも、気になるのは、なんでここが巨大な買い物タウンになったのかということ。
印西市役所の篠原係長によると…もともとは首都圏のベッドタウン、つまり住宅地として街づくりをするつもりだったらしい。
ところが…
篠原係長:なかなか計画がうまく進まずに停滞していた時期もありました。
千葉ニュータウンの住宅地になるはずの広大な土地が、売れ残ってしまった…。でも、その売れ残った広大な土地が、印西市にとって大きなチャンスになったのです。
篠原係長:首都圏から近い場所に、大きな土地がまとまって残っているのが、珍しいと大手の企業さんがきてくれました。
大きなお店が増えると便利になるから、その周りに人が集まって住宅も増える。その分、市が受け取る店からの固定資産税と住む人からの住民税、両方が増えた!ということ。
篠原係長:市も潤いました!
そのお金で、街頭から電柱をなくしたり、公園を整備したりと、住みよい街になったということなんですね。
中国・四国地方1位の鳥取県倉吉市が儲かる秘策は「マンガ」!?
中国・四国地方の住みよい街、堂々の1位が…
「鳥取県倉吉市」
県のちょうど真ん中あたりにある市で、全国総合でも5位にランクインしています。
一体、どんなところなのでしょうか?
日本で5番目に住みよい街で、聞き込み開始。
「自然がいっぱいで、住みやすいです」
「空気が綺麗だし自然が多いところが一番です」
倉吉市は、「森林浴の森100選」や「美しい日本の歴史的風土100選」などに選ばれている、とにかく綺麗な街なのです。
倉吉市の何が評価されたのでしょうか?
倉吉市役所の企画産業部吉本さんに話を伺いました。
吉本さん:程よく便利な倉吉ということで平和な街といいますか。そんなところだと思っています。
でも、倉吉市はのどかで平和なだけじゃない!
外から人や、ちょっと変わった会社を集める独自の戦略があるのです。
それが…「まんがアニメ作戦」
そもそも鳥取県は、知る人ぞ知る「まんが県」
鳥取空港は、この地出身の漫画家にちなんで…
「鳥取砂丘コナン空港」に!
さらに、水木しげるさんの出身地、県西部の境港市には…
妖怪のブロンズ像が並ぶ、「水木しげるロード」があり、全国から観光客を集めているんです。
そこで、倉吉市も、そんな流れに乗っかって、昨年4月にオープンさせたのが…
「倉吉フィギュアミュージアム」
漫画、アニメのフィギュアを展示した施設で…
土日になると、一日500人が訪れるほど人気なんだとか。
県外からのお客さんがミュージアムで、お金を落とせば、倉吉市も儲かるということですね。
そして、今年の4月にリニューアルオープンしたばかりの…
「グリーンスコーレ関金」という温泉宿泊施設…。
入口のポスターには「まんが温泉誕生」と書いてありますが、中に入ってみると…
館内には、ぎっしりつまった漫画の棚が…あちこちに置かれています。このフロアは漫画喫茶になってる感じ…
トラベルシリウスの池田博昭代表取締役に話を伺いました。
池田さん:漫画コミックが26万冊ある日本一の漫画温泉施設です。
普通のネットカフェや漫画喫茶だと、多くても5万冊くらいなのが、この「まんが温泉」には、その5倍以上、26万冊の漫画がそろっています。
男子禁制のフロアもあって、
この部屋は、BL、ボーイズラブ漫画だけを集めた、女性専用のお部屋なんです!
お隣の島根県から来たお客さんは…
お客さん:噂を聞いて初めて来たんですけど、すごい良いなと思ってしまって、通っちゃいそうです。
と、県外からのお客さんを集める、新しい漫画の聖地にしたいということらしい。
そして、こんな会社も倉吉市に来ていました。
フィギア製造メーカーの「GOODSMILECOMPANY」
実は3年前、がっちりマンデーでも取材をしていて、
最高級のフィギアを国産で作ろうと建てられた工場は、倉吉市がぜひとも、と誘致したものでした。
谷本工場長にその後、儲かっているかお聞きしました。
谷本工場長:順調にメンバーも増えまして出荷数も増えています。
3年前は従業員70人だったのが、現在は126人に増えていました。
中でもこの方、どうしてもこの会社に入りたいと、フランスからやってきたペティ・ミカエルさん27歳。
ペティさん:もともとフィギュアとアニメも好きだし、フィギュアの作り方とか気になりました。
得意の語学力で、海外との交渉など大事な仕事を任されているらしい。
今や国内だけでなく、海外からも漫画やアニメを求めて、多くの人や企業が鳥取県倉吉市にやってくる。だから、ますます儲かる住みよい街になるんですね!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:アニメやフィギュアは、ある意味、日本の最も強い産業のひとつなんです。倉吉市は、先見の目があるんですね。