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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2019年8月25日放送

特集

番組初!ゼネコン「清水建設」が登場!
ビルも!高速道路も!お寺も!全部つくってた!

ゲスト

清水建設代表取締役社長 井上和幸さん

番組内容

今回のテーマは番組初!ゼネコン会社「清水建設」
ゼネコンとは、大きなビルや商業施設をつくったり、高速道路やダムなど、重要なインフラをつくったりする、日本の街づくりを支えるスーパー建設会社のこと!
そんなゼネコンの中で今回は「清水建設」が登場!

この「清水建設」は、ゼネコンの中でもちょっと「独特」で…
創業は江戸時代。宮大工だった清水喜助が創った、小さな会社がはじまり。
今や従業員数、16,000人以上。売上げは、年間「1兆7,000億円」
ビルに道路に神社仏閣まで、全国でガンガン「たてもの」を作りまくっている日本屈指の建設会社!
そこで今回は、清水建設、知られざるゼネコンのお仕事を大紹介!
驚きの「たてものづくり」がわかる30分です!

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道路づくりのポイントは「土の管理」!?

まず、スタッフが清水建設の新東名高速道路所長松永さんと一緒に向かったのは…
山の上…

松永さん:こちらが新東名高速道路の川西工事の現場になります。

そう、清水建設の大事なお仕事のひとつが「道路づくり」。

現在こちらでは、新東名、伊勢原・御殿場間、48キロの道路を建設中!
この工事費はいくらぐらいかかっているのでしょうか?

松永さん:この工事で清水建設が担当している分は約230億円になります。

まさに日本の大動脈となる高速道路づくり!
でも、トンネルらしきものは見えますが、道路はどこでしょうか…?

松永さん:目の前の低くなっている部分。ここにどんどん土を盛り上げて道路を作っていきます。

なんと!大量の土を高さ70mにまで積み上げて、道路の土台を作っているんです!
その土の量はなんと…10トントラック70万台分!

実は、大規模な道路づくりでとっても大事なのが、この「土の管理」

松永さん:高速道路は安全に走行するためにまっすぐな道を作るようにしています。こういう山間部の工事ではかなりの土が出ます。

山の中に真っ直ぐな道を通すには、ある場所は土を削り、ある場所は土を埋める。
もし、土が余ってしまうと…?

松永さん:土を勝手に処分するわけにはいかないんです。処分するにもかなりの額のお金がかかります。

土を余らせず、不足させない。
うまくトントンになるようにするのが、道路づくりの腕の見せどころなんだそう。

そして「土」を使った道路の土台づくりでもうひとつ大事なのが…

「土の固さをつくる」ということ。

ポイントは固め方。
実は…

松永さん:往復の回数が決められています。
スタッフ:それは何で決めているんですか?
松永さん:土の性質によって最適の締め固め回数があります。

土の種類に合わせて、ローラーで土を踏む回数がちゃんと決まっているんです!

粘土系の土の場合は4回。
砂利が混ざった土なら6回。
大きな岩がある土は8回。

回数が少なすぎると、しっかり固まらないし、多すぎると、かえって柔らかくなってしまうんだとか。

とはいえ、こんな広い場所で重機を操縦しながら、どこを何回踏んだかなんて、覚えていられないのでは…?

松永さん:その秘密がこれです!「転圧管理システム」になります。

スタッフ:これは今7回目をやってるってことですか?
松永さん:7回目が終わって、このあとバックして8回目をやります。色が水色に変わります。

スタッフ:水色に変わってる。

どこを、何回固めたかが、なんと「色」でわかるんです!
運転席に取り付けられており、常にチェックできるというわけ!

清水建設が独自に開発したこのシステムのおかげで、間違いが減り、作業スピードも格段にアップしたんです!

続いて向かったのは…
トンネルの掘削現場。

トンネルづくりで大事なことは、「とにかく安全第一」

そこで掘削作業の最前線へ…

スタッフ:あれは何をしているんですか?
松永さん:爆弾を仕掛ける穴をドリルで掘っているところです。

爆薬を入れる穴を掘るマシン「ドリルジャンボ」!
今回は20ヵ所に火薬を装填。
と、爆薬専門の作業員たちが、火薬を穴にどんどん詰めていきます!
最後に、導火線を1本にまとめたら…

松永さん:こちらが発破の点火場所になります。

すると、点火スイッチを押す作業員が、点火場所へ!
すると…

「発破5分前」

トンネル内にアナウンスが…
さらに…なにやら音楽が流れだしました

スタッフ:この音楽は何ですか?
作業員さん:5分流れます。5分の間に退避しろという意味です。

退避を知らせる曲は、現場担当が決めているとのこと。
異様な雰囲気に包まれたトンネル内!

スタッフ:作業員さんは1人で残ってスイッチ押すんですか?
作業員さん:はい。

点火者以外は急いで150m離れた場所へ退避!
そして…

「発破10秒前・9・8・7・6・5・4・3・2・1…」

「点火」

すごい音とともに岩壁が崩れました!
1回の発破で掘れる穴は、およそ1m。
これを1日に5回行うことも。
派手に見えるけど地道な作業なんです!
みなさん、安全第一で「がっちり!」
頑張ってください!


▼スタジオでお話を伺いました。
井上社長:土を余らせないように、減る量と埋める量を計算して道路の設計を決めていきます。
加藤さん:とんでもない計算ですね。

ビルづくりは建物より◯◯が大事!

清水建設、メインのお仕事といえば…
「ビルづくり」!

銀座・歌舞伎座やコクーンタワーに、山王パークタワーなど、100m超えの高層ビルをガンガン作っています!
では、ビルづくりには、一体どんな難しさがあるのでしょうか!?
そこで、今回、滅多に入ることのできない、建設中の現場を特別に案内してもらえることに!

建設所長の飯塚さんと向かった先にあったのが…

飯塚さん:地下が2階、地上40階、地下が19m、地上150mになります。

都心のど真ん中に、高さ150mの高層ビルを建設中!
お店やオフィスなどが入る複合施設が2021年に完成予定。
そんなビルづくりで、最も大事な現場があるということで地下へ。
狭い階段を降りていくと…

スタッフ:すごい!ここは何ですか?
飯塚さん:ここは地下2階にいます。この下が建物の土台の基礎になります。そしてその下に建物の一番大事な「杭」というのがあります。今回は杭が68本で地上から40m下まで杭があります。

ビルづくりで一番大事なのは、建物よりも、その建物を支える「杭」のほう!

高さ数十mもある「筒状の鉄筋」を、地下深くまで掘った穴に降ろし、

コンクリートを流し込んで固めたら完成!
ビルの杭は、打つんじゃなくて、流し込むんですね!
そして杭づくりで重要なポイントが…

飯塚さん:40mあるのでまっすぐ打つことですね。

1本でも「杭」が傾いていたら、ビルをがっちり支えられないどころか、傾いてしまうなんて恐れも…
慎重にも慎重を期さないといけないんです!
だから…

スタッフ:期間はどれくらいかかりますか?
飯塚さん:杭が68本ありますが、3か月半かかります。

そして、もうひとつ大事なことは、「スケジュール管理」

この日は、2階床部分をコンクリートで固めていく作業。

では、どんなスケジュール管理が必要なのでしょうか?

飯塚さん:今日は1時間8台ペースでミキサー車が44台入る予定です。
スタッフ:1時間に8台来るんですか?
飯塚さん:来ますね。
スタッフ:そういうスケジュールも作ってるんですか?
飯塚さん:作ってます。

こちらが、コンクリートなどの「搬入スケジュール表」

11時から17時の間で、1時間に8台、計44台が来ることになっています。
さらに!

飯塚さん:生コンの工場を選定する時に現場まで40分から60分の間で持って来られる工場を探します。

建設現場まで、「1時間以内」に搬入できる生コン工場を選んでいることにも理由が…

飯塚さん:時間を決めないとコンクリートの品質が悪くなり、固まってしまいます。
スタッフ:どれくらいで固まっちゃうんですか?
飯塚さん:夏の時期ですと90分。製造してから90分以内でコンクリートを流し込みます。

コンクリートを製造してから、現場で流し込むまでで「90分」。

つまり搬入が遅れると、ミキサー車の中のコンクリートが固まって、使い物にならないというわけなんです!
そうすると、作業時間もコストも余計にかかってしまいます!

なので、ゼネコンである清水建設がしっかりスケジュール管理しているんです!

この日、本当に1時間に8台やって来るのか調査してみると…
都心の混雑する道の中、スケジュール通り1時間に8台到着。
現場の作業も予定通り、キレイに仕上がっていました!

続いてのビルづくりの現場は…

神奈川県横浜市にある「横浜グランゲート」
建設所長の阿部さんにお話を伺いしました。

スタッフ:何階建てですか?
阿部さん:19階建てです。

中では、エレベーターのレールの取り付け工事の真っ最中!

この作業で大事なのは「設計図通り作る」ということ。

実は、ビルが巨大になる程、どうしても、ほんの少し歪んだりしてしまいます。
そのためエレベーターのレールを1階から最上階まで、真っ直ぐに取り付けるのは、かなり難しいらしい。

レールが真っ直ぐじゃないと、エレベーターがグラグラ揺れたりしてとっても危ない!
そこで作業員は、ある「線」を基準にして、真っ直ぐかどうかチェックしているんです!
それが…

スタッフ:あの線なんですか?
阿部さん:ピアノ線です。ピアノ線から距離がいくつかというカゴの動くレールを合わせてます。
スタッフ:他の線だとダメなんですか?
阿部さん:他の線だとヨレたり切れたりしてしまいます。

設計図通りにエレベーターを取り付けるには、ピアノ線が欠かせないんです!
作業員の皆さん、気をつけて頑張ってください!

清水建設はビルづくりでがっちり!


▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:工期が延びれば延びるほどお金もかかるじゃないですか?
井上社長:基本的には延びることはないですね。
進藤さん:建設業界も人で不足なんですか?
井上社長:今、全国に建設現場で働く方が350万人くらいいるんですが、10年後には3分の1くらいいなくなって230万人くらいになっちゃうんです。
加藤さん:それは機械化、ロボット化で補えるものではないんですか?
井上社長:生産性をあげる努力はしております。だけど、それですべて補えるかというと、なかなかそうはいかないというのが今の現状です。

ビルだけじゃない!宮大工を駆使して伝統建築も!

そして、もう一つ清水建設の「たてものづくり」の原点とも言える大事なお仕事があるんです。
工場長の谷さんに話を伺いしました。

谷工場長:平城宮大極殿南門の復原工事です!

創業者が宮大工出身ということもあり、昔から「伝統建築物」の、改修や復原工事に携わってきた清水建設。

出雲大社や東大寺大仏殿など、日本全国で国宝級の伝統建築物の改修・修繕作業をがんがん手がけているんです!

現在、奈良県・朱雀門の真向かいにある、710年の奈良時代に建てられた、平城宮大極殿院南門を復原中。
中では、宮大工さんたちが完成に向け、作業の真っ只中!

そんな伝統建築物を建てるのには、独特の難しさがあるという。
そこでやってきたのは…

谷工場長:ここが木材の保管庫になります。やはり一番大切なのは「木」ですね。木の調達をいかにするのかというのが大事です。

伝統建築で大事なのが、「木材」の確保!

今回は入手が難しい高級木材、「ヒノキ」を使います。

伝統建築の難しさは、なるべく「当時と同じ材料で再現」しなきゃならないということ。

にしても、これだけの立派なヒノキを、どうやって集めたのでしょうか?

谷工場長:大手では社寺を専門にしている部署は清水建設しかありませんので、常に全国の木材やさんとはコンタクトが取れています。

大手ゼネコンの中で、「唯一」、社寺建築部門を置いている清水建設。
そのネットワークを活かし、当時使っていたであろう吉野のヒノキを大量にゲット!

そして、当時を再現する上で欠かせないのが…
「宮大工」のみなさん。

年々減ってきている宮大工を、日本中から集めるのも、清水建設の大事なお仕事なんです。
しかも、宮大工が使うのは、創建当時と同じ「道具」。

例えば「槍がんな」と呼ばれる奈良時代に使われていた「カンナ」
削り出すと、表面が波を打ったようになるのが特徴。

宮大工23年の平川さん。
何故これが「カンナ」だとわかったのか、聞いてみると…

平川さん:大かんなができるまではこれで仕上げをしていたと。記録が絵巻物に残っています。

お次は…
現場の北嶋さんに話を聞くと…

スタッフ:これ何て言う道具ですか?
北嶋さん:手斧(ちょうな)です。

なんとも変わった形のオノ、「ちょうな」
いったいどう使うのかというと…

スタッフ:自分に向かってやるんですか!?
北嶋さん:自分に向かって振り下ろすんです。

手斧でどんどんヒノキを切り出していく北嶋さん。

成形途中の8角形のヒノキが…

なんと見事な円形に!

スタッフ:感覚ですか?
北嶋さん:感覚ですね!完全に手の感覚だけです!

これぞ職人技!
3年後の2022年完成に向け鋭意復原中!
ということで、「がっちり!」ですよね!

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