過去の放送内容
2019年7月7日放送
特集
大泉洋が驚いた!北海道を大特集
人気企画「おらが県こそ輝くナンバーワン」
知られざる儲かりの秘密に迫る!!
ゲスト
森永卓郎さん、大泉 洋さん
番組内容
今回のテーマは「おらが県こそ、輝くナンバーワン!」
一見、地味でパッとしないと思える県にも、
実は儲かっている、日本一の産業があるのを紹介するこの企画。
今回注目するのは…「北海道」
北海道といえば、漁業に農業、畜産と、大自然から日本一の美味しい食べ物を
たくさん生み出している!
…のですが、いざ、工業などでの物作りってなると…
さっぱり思いつかない。工場とか、あまり見かけないような…。
ところが、北海道庁に行って聞いてみると、日本一がたくさんありました!
今回は意外な北海道のNo.1がわかる30分です!
物流を支える巨大な◯◯を作って日本一!
まずは、北海道が日本一作ってるものが、何かないか、その情報を聞きに…
札幌にある、北海道庁へ。
経済部の松浦さんに話を伺いました。
松浦さん:北海道は車関係のでっかいアレを作っているんです!すごい工場ありますので、ぜひ行ってみてください。
ということでやってきたのは、札幌のお隣、北広島市にある…
「北海道車体」という会社。
車関係で北海道が日本一作ってるモノとは何なのでしょうか?
社長の杉村さんに案内してもらうことに…
杉村社長:こちらトレーラーです。
そう、工業統計によると、北海道はトレーラーの生産で、ダントツの日本一!
スタッフ:あっちにあるのもトレーラーですか?
杉村社長:あっちはトラックでございます。
突然ですが、ここで問題。
見た目が似ている「トレーラー」と「トラック」ですが、この2つには決定的な違いがあります!
それは、一体何でしょうか!?
正解は…
杉村社長:このように切り離すことができます。
そう、荷台を切り離せるのがトレーラー、切り離せないのがトラックなんです!
ところで、なぜ、このトレーラーの生産で、北海道が日本一なのでしょうか?
実は、この「切り離せる」という、トレーラーの特徴が、深く関係しているらしい。
製造部の長内さんに話を伺いました。
長内さん:北海道は本州と橋でつながっていません。なので海運が昔から盛んでして。
北海道は、本州と橋で繋がっていないため、ものを運ぶ輸送手段は、昔から「船」がメイン。
ということは…
長内さん:船で輸送するときに荷台だけを切り離して、また輸送された地域でヘッド(運転部分)が出てきて荷台だけを引っ張り出す。ということです。
そう、港まで荷物を運んだら、切り離して、船に載せる。
そして、本州についたら、別の運転部分にひっつける。
これが断然効率がいい、ということで、北海道ではものを運ぶのに、トレーラーが大活躍。
だから、トレーラー作りのナンバーワンは、断トツ北海道なんです!
北海道車体は、年間500台のトレーラーを生産。
その種類も様々で…
長内さん:トレーラーですけど、積み荷によって色んなタイプのトレーラーがあります。
荷物がフォークリフトで積めるように、横が開くものや…
天然ガスを運ぶタイプ。
そしてこちらは、天井がない!
長内さん:積荷の重い硬財関係をクレーン積み下ろしできるために屋根のない車になります。
そんな、形は色々なトレーラーですが、その荷台を引っ張る方法はどれも同じ!
それが…
杉村社長:これがキングピンっていうんですよ。これで36トン引っ張ります。これ一箇所で支えてます。
運転部分と荷台をつないでいるのは、たった1つのピン。
これだけで、36トンもの重さを引っ張っているんです!
さて、気になるのは、このトレーラーの「作り方」。
実は北海道車体では、かなり、意外な方法で作っているんです!
生産課の佐々木さんに伺いました。
佐々木さん:全工程、ほぼ手作りになります。全てオーダーメイドになります。
そう、トレーラーは、見た目が同じでも、積むものの重さに合わせて、鉄の強度を微妙に変えているんです。
これが1台1台違うから、ほとんどの工程が手作業。
職人技が詰まってるんです!
その中でも、一番の肝となるのが…
スタッフ:これ今なにやってるんですか?
佐々木さん:こちら溶接作業している工程になります。
そう、トレーラーの最も重要な部分は、最大36トンもの重さを支える、フレーム!
1つ1つ鉄を溶接して、組み立てていくのですが、どうしても、重みと熱で、歪みが出てしまう。
佐々木さん:こちらが溶接を終えたフレームになります。フレームも曲がってます。
スタッフ:えっ?曲がってます?
確認のため、まっすぐの鉄を合わせてみると、ご覧の通り、隙間がたくさん!
確かに、曲がっています。
佐々木さん:このままお客さんに納めてしまうと、まっすぐ走らなくなります。5mm以内で納めるようにしてます。
重い荷台を引っ張るトレーラーは…
ココが5ミリ以上歪んでいると…
荷台のバランスが崩れ、まっすぐ走れなくなってしまいます。
この歪みを直すのが、この道30年奈良さんの職人技!
突然、バーナーで、フレームを炙り始めました!
これでまっすぐになるのでしょうか?
奈良さん:真っ直ぐになりました。
スタッフ:おー!すごい!すごいじゃないですか。
先ほどの歪みがなくなり、見事まっすぐになっている!
これ、熱で鉄が縮む性質を利用した技で、どこに、どのくらいの熱を加えるかは、ベテランの経験と勘だけが頼りなんだとか。
そんなすごい技術を持つ、北海道車体、
売上げも絶好調で、6年連続のアップ!
昨年は、過去最高の59億円に!
北海道車体はトレーラーでがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:運送業界ってものすごく人手不足なんですよ。トラックでフェリー乗っちゃうと、運転手さんもフェリー乗らないといけないんです。トレーラーなら荷物だけ送ればいいんです。
北海道グルメを支える◯◯を作って日本一!
続いて北海道庁の情報を元にやってきたのは…
札幌市にある「マルイ包装」という会社。
こちらで、北海道が日本一のものを作ってるらしいのですが…。
マルイ包装の玉井社長に伺いました。
玉井社長:こちらです!ウニも北海道日本一なんですけども、この「容器」も日本一なんです。うちの会社はこの「ウニ容器」でシェア80%でございます。
そう、北海道は、ウニそのもののシェアも56%なんですが、マルイ包装だけで、ウニ容器のシェアが80%以上!
ということはつまり…
北海道は日本一のウニ容器大国なんです!
スタッフ:ウニ容器って儲かるんですか?
玉井社長:はい!儲かります。容器だけで売上が約3億円ございます。
たかがウニ容器と侮るなかれ。
容器は1つ数十円程度だけど、売り上げは3億円!
年間800万個も売れているんです!
さて、ウニ容器の業界で、マルイ包装が一人勝ちしているのには、もちろん、理由がありました。
社員さん:これがウニのフタです。
そう、ウニのフタ!
実はこのフタ、マルイ包装が40年前、日本で初めて開発したもの。
この、なんの変哲もなさそうなフタが、日本中のスーパーに衝撃を与えたのです。
スーパーにウニが出回り始めたのは
1980年代後半…
当時のことを覚えている方に
話を聞いてみると…
スーパーの店員さん:一番上は木のフタが付いているんですけども、プラスチックのフタがまだ無い状態で、直接ウニが上に乗った状態で入ってきてました。
そう、当時のウニには、フタがなかった。
そもそもウニは、身が立っているほど鮮度が良い。なので、立ち具合がわかりやすいように、フタをかぶせず木箱の窪みに乗せるだけ。箱をバラバラにしてお店に並べるときなどに、そのままラップをすると、身が潰れてしまう心配が。
そこで、スーパーのとった方法が…
スーパーの店員さん:きゅうりを利用してですね。
当時のスーパーでは、キュウリをわざわざ切って、ラップの「ついたて」代わりに使ったり…
スチロールに穴をあけて使ったりと、あの手この手で苦労していました。
そんなスーパーの手間を省けるフタを、マルイ包装がいち早く開発したから、飛ぶように売れたんです!
でも、ただのプラスチックのフタなら、どこにでも作れそうですが、そこには、マルイ包装ならではの、細かいこだわりがあるという。
常務取締役の細田さんに伺いました。
細田さん:種類を豊富に揃えてる、それぞれ高さが違います。3ミリぐらい違うんです。
ウニは、量がちょっと違うだけで、値段が変わる高級品。
だから、いろんなフタを取り揃えて、他の追随を許さない!
その数、何と30種類!
さらに!マルイ包装では、今までとはまったく違う、新たなるウニ容器を開発!
それが…
細田さん:最近、好調なのがウニの塩水用の容器でなんです。
海水と同じ濃度の塩水につけた「塩水ウニ」。
容器が二重になっていて、内側の底がザルになっているんです!内側を持ち上げれば簡単に水切りができて、そのままいただける、という仕組みなんですが、これが「まるで、獲れたての味」と評判になってるんです!
細田さん:木に乗せたウニと比べると塩水ウニは味が全然違うんです。
実はマルイ包装さん、この塩水ウニの容器を、アメリカやオーストラリアなど、海外5ヶ国にも輸出していて…年間200万個売れる大ヒットに!
マルイ包装はウニ容器でがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
大泉さん:水が切れるっていうのはすごい発想ですよね?
玉井社長:水が切れるってことで便利なんですけども、中のウニが動きずらく鮮度が落ちづらいという利点もあります。
全国の道路の◯◯を作って日本一!
続いて北海道庁の情報を元にやってきたのは…
旭川市にある…
「旭ダンケ」という会社。
この会社で作ってる、北海道が日本一のものとは、何なんのでしょうか?
旭ダンケの高橋さんに話を伺いました。
高橋さん:私どもの会社はこちらを作っております。
弊社は土木用のコンクリート資材を製造しております。
そう、土木用コンクリート!
道路の縁石や…
河川敷のこの部分
駅前の広場にあるブロックなどなど、結構あちこちにありますよね?
実はこれ、北海道が、日本で一番作っているんです!
ちなみに、これも土木用コンクリートなのですが、何か分かりますか?
高橋さん:こちらはマンホールの下の部分になります。
マンホールの蓋の下には、こんな大きな円柱のコンクリートが埋まっているんですね。
実は北海道には、こうした、土木用コンクリートを作っている会社が、なんと26社もあるんです!
一番の理由は、コンクリートの材料となる「石」。
高橋さん:北海道では良質なものがたくさんとれます。
そう、北海道では、コンクリート造りに適した密度の高い、頑丈な石がたくさん取れるんです!
しかも、作ったコンクリートをたくさん置いておける、広大な土地がある!
だから、北海道が日本一なんですね。
そして、こちらの会社旭ダンケには、日本でも珍しい、すごいコンクリートを作る機械があるという!
製造部の飯田さんに伺いました。
飯田さん:こちらの機械がバイコン製法と言いまして、丈夫なコンクリート製品を作れる機械となっております。
そう、バイコン製法で作ると、ひび割れがしにくい、丈夫なコンクリートになるんです!
普通、コンクリートを作るときは、型の隅々にまで行き渡らせるため、水分が多いドロドロの状態で作ります。
でも、このバイコン製法は…
飯田さん:機械で使っているコンクリートが水分の少ないコンクリート。比較的サラサラなイメージです。水分を極力減らすことによって、丈夫なコンクリートを製造することが可能となっております。
そう、バイコン製法で使う水の量は、普通の作り方の、3分の2。でもこれだと、型の隅々にコンクリートが入りません。
そこで…
飯田さん:今、あちらですごい振動してますよね。強烈な振動を与えることにより、先ほどパサパサだったコンクリートが流動性を持ち、形を成型しやすくしています。
水分の少ないコンクリートも、ブルブル振わせるとドロドロになんです!これは、地震のときの液状化現象と同じ原理で、だから、ちゃんと型の隅々まで行きわたるんです!
さらに!コンクリート先進国の北海道には…
日本の工事現場を変える、すごいコンクリートを作っている会社が!
會澤高圧コンクリートでは、どんなコンクリートを作ってるのでしょうか?
技術研究所研究員の東さんに案内してもらいました。
東さん:こちらです。これコンクリートになります。美しい曲線美とか型枠なしで表現することができます。
普通、コンクリートは型枠に入れて作る。
だから、シンプルな形しかできませんでした。でも、型枠なしで、複雑な形を作れるようになったんです!
その秘密が…!?
東さん:コンクリート3Dプリンタになります。
3Dプリンタのコンクリート版!
早速、その実力を拝見!
ノズルから、どんどんコンクリートを出していく!
ぐねぐね曲がった複雑なカーブも、なんのその、しかも、スピードも、かなり早い。
なんとわずか20分で…
東さん:完成しました。
完成品が、こちら!
コンクリートで作った、がっちりマンデーのロゴ!
スタッフ:固まってるんですか?
東さん:もう固まってます。材料としては数分で固まるものなので。
実は、コンクリートの成分を変えていて、固まるのが早い、だから、こんなにたくさん積み上げられるんです。
3Dプリンタなら型枠なしで、複雑な形があっという間にできるから、コストを50%以上、削減できるらしいんです!
すごい!
北海道は、土木用コンクリートでがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:一般の建物ではまだ使われてないんですけど、海外では海軍が使うキャンプの建物を建てるのに使っています。型枠いらずで、すぐにできるんで、パッと作らなければいけない時にすごく便利です。