過去の放送内容
2019年4月28日放送
特集
身の回りには「儲かる元素」がたくさんあった!
原子番号4番のベリリウムは海底でインターネットを支えてる?
ゲスト
森永卓郎さん、田中卓志さん
番組内容
今回のテーマは「儲かる元素」!
元素…って、水素とかナトリウムとか
記号や数字がズラッと並んでいるアレですが、何だか難しそうだから、関係ないか…と、思ってるあなた!
実は今、元素は私たちの身近なところで
がっちり儲かっちゃってるんです!
そこで今回は、最新の儲かる元素を徹底取材!
誰もがお世話になっているアノ元素の儲かる秘密に迫ります!
元素NO.1の反射力!一瞬で◯◯を作れる「銀」
儲かる元素、一つ目は…
原子番号47「銀」
1kg6万円と結構なお値段!
オリンピックの「銀メダル」とか「銀食器」とか、なにかと馴染みのある元素ですが、銀の持ってる「特別な力」がある分野で大活躍しているんです!
そこでやってきたのは岡山県津山市にある、「フェクト」という会社
一体、銀で何を作っているのでしょうか?
安田社長に話を伺いました。
安田社長:「銀の液体」になります。
スタッフ:これはすごいんですか?
安田社長:スゴいです!やばいです!画期的です。
何が画期的なのでしょうか?
プラスチックの板に吹き付けると、その凄さがわかるのだという…噴霧器に銀の液体を投入し、板全体に、くまなく銀を吹き付けていく。
そして、乾燥させると…
板の表面が何やら変化してきました。
一体どうなっているのでしょうか!?すると…
なんと黒い板が一瞬で鏡に!
これは一体…?
安田社長:銀をナノ粒子にした塗料を作りました。今まで世の中にはなかったと思います。
銀の最大の特徴。それは「鏡面性」。金属が光をどれくらい反射するか?という性質なんですが、銀は、この鏡面性が…
全ての元素の中でナンバーワン!
その力を生かして、昔から鏡にも使われてきました。
フェクトの銀塗料、最大の特徴は…表面が凸凹で鏡面加工が難しかったものにも簡単にできるということなんです!
だから…表面がザラザラした石材も…キレイにピッカピカ!
こちらの鏡面加工した部品は…
実はゴム!
現在、自動車や家電メーカーなど、世界中で使われ始めているフェクトの「銀塗料」
スタッフ:銀は儲かりますか?
安田社長:儲かります!
フェクトの年間売上げは5億4,000万円!
銀の鏡面加工でがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:メッキと吹きつけは違うんですか?
森永さん:メッキはできる素材が限られているんですよ。木材とか石材にはできないんですよ。
海藻がお宝に!人間の細胞を作る「亜鉛」
儲かる元素、続いては…
原子番号30「亜鉛」
「鉛」の文字がある通り、金属の一種、なんですが、金属とは全然関係ないところで大ブームなんです!
それが…
そう、「サプリ」、ここ数年、サプリメントに健康食品にと、体に良いということで、「亜鉛入り」が大人気!
そこで20年前から販売している…
亜鉛サプリの老舗メーカー「ファンケル」の研究所へ!
所長の寺本さんに話を伺うと…
寺本さん:亜鉛は細胞を新しく作ったり、タンパク質を作ったり、非常に大事な働きをしてますので亜鉛がないことで新しい細胞ができなくなってしまいます。
亜鉛は、体内では作ることができない、細胞を作る栄養素!
ファンケルの最新儲かり亜鉛サプリの原料が…
寺本さん:ファンケルで使用しております亜鉛酵母という原料になります。
亜鉛は一定の時間が経つと体から排出されてしまいます。
「酵母」に入れたことで、体内でゆっくり亜鉛を吸収できるという。
その結果…
1日4粒だったのが半分の2粒でしっかり亜鉛が摂れる!
寺本さん:昨年度リニューアルしたんですけども、リニューアルによって売上げが約170%になっております。
まさに健康食品業界で絶好調の儲かり元素、亜鉛。
そんなトレンドに乗るべく、新たな儲かりビジネスを始めた会社が…
千葉県の銚子にある「鈴木海苔」
鈴木会長に話を伺いました。
鈴木会長:この「つのまた」でがっちりです!銚子の特産の地域資源「つのまた」という海藻です。「つのまた」は亜鉛が海藻の中で一番入っています。
千葉県銚子の浜でしか、ほとんど取れないと言われる、海藻「角又(つのまた)」
亜鉛の量は、他の海藻の2倍近くと、かなり豊富!
これは、相当売れそうな気もしますが…
つのまたにはひとつ大きな弱点が。
それは「ニオイがきつい」
なので、「つのまた」は、これまでなかなか全国に広まらず、銚子市民の間だけで密かに食べられてきたのだとか。
しかし鈴木会長、せっかくの「亜鉛パワー」を活かそうと、研究者の渡辺さんと、「海藻角又」を使った新商品を開発したんです!
それが…
渡辺さん:つのまたの発酵液です。つのまた海藻を乳酸菌で発酵した液体です。日本で初めてここだけが成功しました。
渡邉所長が開発した、新発酵食品「つのまた」は、たっぷりの亜鉛はそのままに、乳酸菌やアミノ酸まで入った、究極の健康食材!
さらに発酵させたことで、メリットも!
それはあの独特のきついニオイが、ほとんどしないんです。
さらに味もほとんどしない…
渡辺さん:何でも味をつけられる。好みの味にできるんです。
味もニオイもほとんどないから、どんな食品にも入れられるという超優れもの!
すでに日本を代表する大手食品メーカーから、問い合わせが殺到中なんだとか!
鈴木海苔は亜鉛でがっちり!
海底で活躍!鉄と銅のいいとこ取り「ベリリウム」
儲かる元素、続いては…
原子番号4「ベリリウム」
水素、ヘリウム、リチウムに続く4番目の元素のわりには全然知られてない…。
でも、実は結構な儲かり元素!ということで…
ベリリウムの取り扱い国内トップの
日本ガイシという会社へ
ベリリウムってどんなものなのでしょうか?
こちらがベリリウムのかたまり。
驚きなのは、その、お値段!
金属事業部長の加藤さんに話を伺いました。
加藤さん:大体1キロ70万円〜80万円です。
鉄のおよそ3万倍!
こんなお高い元素で何を作っているのでしょうか?
加藤さん:ここが銅にベリリウムを入れた製品を製造する工場です。ベリリウム銅と言って、強度が鉄並みに高くて銅が持っている導電性や熱伝導があります。
スタッフ:鉄は導電性がないんですか?
加藤さん:導電性がすごく低いんです。銅は電導性が高いけど強度が低いんです。両方を兼ね備えているのが銅にベリリウムを入れたベリリウム銅です。
ベリリウムの最大の特徴は、「鉄と銅のいいとこ取り」。
鉄のように「強く」、銅のように「しなやか」で「錆びにくい」
そして、このベリリウム銅が欠かせないのが、世界中をつなぐ光ファイバーの海底ケーブル。
加藤さん:太平洋の底8000メートだとすごい水圧がかかる中で、なおかつ海水なので海水に強い耐食性がないといけないんです。なのでベリリウム銅を使っているんです。
海底8,000mの水圧にも耐えられる強さと、海水でも錆びにくいものということで、ベリリウム銅でなければダメ、なんだとか!
そして、もう1社、ベリリウムでがっちりなのが、千葉県佐倉市にある「山一電機」
山一電機の松岡さんに話を伺いました。
松岡さん:ベリリウム銅を使ってソケットを作っています。半導体を検査するだけのものを作っております。
どこにベリリウム銅が使われているかというと…。
半導体を、四方から、カチッと留めてる部分全部がベリリウム銅!
半導体を留めるときの、しなやかなバネ性と、高温の中でも耐えられる強さ、そして、しっかり電気が流れる、その全ての性質を兼ね備えているのが、ベリリウム銅ってことで、半導体のソケットには欠かせないんです!
そんな山一電機のソケットの売り上げは、年間260億円以上!
ベリリウムでがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:ベリリウム銅って火花が出ないのでスパナとかハンマーとか、そういうのに用いられていることが多いです。
絶対に錆びない!美容師用の◯◯に使われている「コバルト」
儲かる元素、続いては…
原子番号27「コバルト」。
…と、聞いて思い浮かぶのは、絵の具の色の「コバルトブルー」くらい…。
そもそもどんなものなのでしょうか?
そこでやってきたのは、住友金属鉱山。
創業は、なんと1590年!安土桃山時代!世界中で様々な鉱石を採掘、精錬しているんです!
広報IR部長の帆谷さんに話を伺いました。
帆谷さん:住友金属鉱山は世界最大級のコバルトメタルの生産者です。
コバルトは金属の一種。
1kg、およそ4,000円。
コバルトブルーっていうけど、青くないんです。
そんなコバルトには、他の元素に負けない、ある特徴が!
帆谷さん:コバルトは合金に使用する事で熱に強く錆びないんです!
そう、その「サビなさ」を生かしてコバルトは、ジェットエンジンなどの材料に欠かせない儲かり元素なんです!
さらに、私たちの身だしなみを整えてくれる「あの業界」でも引っ張りだこなのだという…
そこで、向かったのが和歌山県にある、こちらの会社。
コバルトで何を作っているのでしょうか?
社長の菊井さんに話を伺いました。
菊井社長:これです!コバルトを使ったハサミです!美容師さんが使うプロ用のハサミを作っております。
美容師さんのハサミには、結構コバルトが使われているんです!
こちらの菊井鋏製作所は、コバルトばさみのトップメーカーで、日本で初めてコバルト製の理髪用ハサミを作ったんだとか。
では、ハサミがコバルトだと、一体何が良いのでしょうか?
菊井社長:ステンレスだとどうしても錆びてしまう。特に美容師さんて、パーマ液使ったり薬剤使ったり髪の毛を切ると汚れもつくのでステンレスだとどうしても錆びちゃうんですよね。コバルトは絶対さびることがないんです。
そんな美容師さんに大人気のコバルトのハサミ。
しかし作るときに一つだけ難しいことが…
ハサミづくり37年の辻内さんに、コバルト製ハサミの難しさを聞いてみると…
辻内さん:どうしてもコバルトは曲がりやすい性質があるので気を使う材質ですね。ちょっと強く叩くとポキンと折れちゃうんです。
コバルトは、サビには強いけど、金属の中では柔らかいほう。なので、刃を叩いて形を調整するのに、かなり微妙なタッチが求められるんです。
こうした職人の技があるからこそ、コバルトの良さが引き出せるんです!
菊井鋏製作所では、年間5,000本を生産!
売り上げは1億円!
菊井鋏製作所はコバルトでがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:コバルトは、ビタミンB12を構成するのに欠かせなくて、目薬とかにも入ってるんです!