過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2019年3月31日放送

特集

経営破綻からの華麗なるV字改革!
普段なかなか入ることのできない航空会社の「心臓部」に初潜入。
「日本航空株式会社」を大特集!

ゲスト

日本航空株式会社 代表取締役社長執行役員 赤坂祐二さん

番組内容

今回のテーマはJALの名称でおなじみ「日本航空株式会社」!
1日の運航便数「1,000便」、スタッフの数は、「33,000人以上」。
そして、年間売上げは1兆3,800億円と、日本の空をがっちり支えている儲かり航空会社!
そんな航空ビジネスで一番大事なのは、飛行機を、「安全」で「快適」に、そして「時間通り」に飛ばすということ!
そこで今回は、JALの知られざる航空ビジネスの裏側を大公開します!

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CAさんの大事な任務は飛ぶ15分前!

日本の空をがっちり支えているJAL!
中でも、機内で快適に過ごしてもらうために、欠かせないのがCA「客室乗務員」。

一見、華やかなお仕事のように思えますが…
実は見えないところで大変な作業をこなしてるんです!
それが、「飛ぶ前」!

フライト前の機内は、床やシートを掃除する清掃員や、機内食を積み込むスタッフでバタバタ。
そんな中、お客が搭乗するまでの、わずか15分の間に、あらゆるスタンバイを、終わらせなくてはならないのです。
まずは、機内にゴミが落ちてないかのチェック!
続いて、各席にアメニティを配布。

そして、細かい確認が必要なのが、機内食。

客室乗務員の三津谷さんに聞いてみると…

三津谷さん:お客様に出すお食事が正確に数が乗っているかチェックしております。

人数分、ちゃんと揃っているか?
事前に予約された食事が積み込まれているか?
フライト前に、必ず確認!
一方、こちらでは、機内販売担当の牛嶋さんが何か端末を操作中…

スタッフ:これは何ですか?
牛嶋さん:こちらは機内販売に使う端末に商品情報を入れています。

実は機内販売に積み込む商品は、目的地によって、売れ筋商品が変わってくるんです。
東アジアへ向かう便なら、化粧品が多め、北欧へ飛ぶ便だと、お酒類が多め、といった具合…

ということで、毎回、商品を積み込み直し、きちんと個数データも入力しないといけない。
結構、手間のかかる作業。

他にも機内の設備点検に、機長、副機長とのミーティング。
これら全部をなんとか15分で、終わらせるのです!
本当にお疲れ様です!

1日1,000便飛ばすJALの心臓部「OCC」に潜入!

さて、航空ビジネスで何よりも大事なのは、とにかく飛行機を「安全」に、そして「時間通り」に飛ばすということ!
そのための心臓部が…

都内にあるJALの本社の中にあるらしい。

そこで今回、滅多に入れない秘密の部署に潜入!

しかし、パッと見、普通にデスクが並んでいて、そんなにすごそうな場所には見えませんが…?
OCC企画部大森さんに話を伺いました。

大森さん:ここが「オペレーション・コントロール・センター」になります。JALではOCCと呼んでいます。JALの運行が円滑に行われるよう組織している所なんですが、皆さん24時間勤務体制で運航状況を監視しております。

そう、ここはJALが運航する1日1,000便の国内線・国際線が、いつ、どこを、どのように飛ぶか、そのほぼ全てを決める、司令塔!

OCCには、大きく分けて6つの部署があり、それぞれが連携して飛行機を飛ばしています。
例えば…運航管理の河合さんに話を伺うと…

河合さん:ここは「運航管理」と言いまして、飛行機が飛ぶ時の飛行計画、フライトプランを作成しています。

ご存知ですか?
飛行機の飛行ルートは、元々おおまかにしか決まってないんです。
そこでディスパッチャーと呼ばれるスペシャリスト達が、フライトプランと呼ばれる1便1便の飛行ルートを、毎日作っているんです!
重要なのは、安全で、しかも最短のルートを作るということ。
では、どんなに風に作成しているのでしょうか?

河合さん:例えば、羽田から新千歳空港。途中に雲があるとその雲を水平的に避けられるのかどうかですね。ただできる限り、避けた時はフライトタイムも延びてしまいますので、「バーティカルに考える」と我々は言うんですけど、断面的に考えるんです。

と、ディスパッチャーの河合さんが画面をクリックすると…
またまた天気図らしきものが…

河合さん:羽田から新千歳空港の距離と高度を現したものです。

河合さん:このグレーのラインが雲の高さ。雲長と言いますが、無理に水平的に避けなくても断面的に避けることができるんです。

そう、雲を左右に避けることだけを考えるのではなく、雲の上を通過できるのかも検討して、最短の飛行ルートを作るんです!
と、スタッフが気になったのが…

スタッフ:緑の線はなんですか?
河合さん:これはですね、バーティカルウインドシアと言うんですが、雲がなくても揺れてしまう場所、「乱気流」です。やはりルートを作る時は極力どちらも避けます。

そこで河合さんが導き出した飛行ルートが…こちら。
離陸直後だけ、乱気流にかかるものの。
あとは、雲も避けながら、安全で最短のルートになっています!
こうしたプランを、時には出発15分前までに作らなければならいこともあるだとか。
これは大変です。

そして、こちらの「ロードコントロール」という部署では、とっても細かい作業が行なわれていました。
ロードコントロール室の赤澤さん、近藤さんに話を伺いしました。

赤澤さん:主に飛行機の重心位置を決めております。

飛行機が安定してフライトするのに欠かせないのが、機体の重心位置。

定められた範囲内に重心の位置を置かないと出発できないんです。
そのために…

近藤さん:飛行機の客室は重心のコントロールができないので、貨物室のコントロールをして機体のバランスを取っています。

ロードコントロールの任務は、ターゲットCGと呼ばれるベストの重心位置に重心を持ってくるように、お客が持ってきた荷物や貨物を貨物室のどのあたりに置くかを決めているんです!

例えば、飛行機の前方にお客が集まりすぎた場合は、荷物を後方部分に置くことでバランスをとる。といった感じに…
これは確かに、細かい作業です。

そして、OCCでもっとも複雑で、大事な役割を果たすのが「スケジュール統制」の皆さん。
1日800便のJALの飛行機の運行スケジュールを管理するこの部署では、スケジュールに変更さえなければ、結構のんびり…。
ところが、午後3時過ぎ!

「徳島ってその後、何か情報ないですよね?」
「ないです」
「状況、それ以上はわからないんですけども」
「まだ予断は許さない」

一体何が起きたのでしょうか!?すると!

「戻れるんだったら羽田に今すぐ戻してください。KKU(徳島空港)とMD(OCCの責任者)全部承知の話です!」

なんとフライト中の便を引き返す指示が!
その理由が…

徳島空港の滑走路上で、他機の飛行機のタイヤがパンクし立ち往生!
1本しかない滑走路が閉鎖の事態に!
すると徳島空港へフライト中のパイロットから無線連絡が…

パイロット:情報お願いします。
清水さん(OCC運行管理室):他機のトーイング(牽引)での撤去開始まで、かなり時間がかかるということで情報がきております。こちら(OCC)としましては羽田にリターンをしてもらいたいと思います。燃料的にリターンは可能ですか?
パイロット:お待ちください。…リターンOKです。
清水さん(OCC運行管理室):羽田にリターン了解しました!

お客の安全を第一に羽田空港へ引き返すことが決定。
しかし、この後も飛行機のスケジュールの再調整や乗務員の再配置など、多くの作業が待っています!

1年365日、こうしたスペシャリストたちが、安全最優先の中、できうる限り、ベストなスケジュール管理を行っているんです!

OCCは空の安全運航を支えてがっちり!


▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:重心管理と言うのはかなり大変なんですか?
赤坂さん:はい。決められてる重心の範囲が狭いんで。そこにスポッと入れなければいけないので苦労しますね。
加藤さん:合わない場合はありますか?
赤坂さん:あります。そういう場合は、「バラスト」と呼ばれる、重い金属の塊をいくつか積んで調整してます。
進藤さん:あと飛行ルートを作るディスパッチャーは?
赤坂さん:ものすごく大変なんですよ。できるだけ前に飛んでいた飛行機の情報を入手して揺れの情報なんかをアップデートしていくんですけども、必ずしも、先行機の時に揺れなかったので次に行った飛行機も揺れない、ということはないので。予測は相当難しいですね。

整備一筋40年!トップ整備士のスゴ技とは!?

続いてやってきたのは…

羽田空港の隣にある、JALメインテナンスセンター。
ここには、飛行機を安全に飛ばすための要となる、「整備」が行われています。
JALエンジニアの加藤さんに案内してもらいました。

加藤さん:こちらが格納庫です。整備作業を行う場所となってます。

フライトを終えた飛行機を整備点検する格納庫。
およそ3,000人もの整備スタッフが、24時間体制で機体に不具合がないかを、細かくチェック、整備しています。

中でも、大事なのが…エンジンチェック!
ひとつの機体で、5日に1回は行うという重要な整備!
このエンジンチェックを行う、スゴイ人がいるらしい…それが!

JALの整備士3,000人のトップに立つ、整備一筋40年の樋田さん!

一体、どれほどの腕の持ち主なのでしょうか!?
今回、行う整備内容は…

樋田さん:エンジンの内部を内視鏡で見るんですけど…

そう、内視鏡を使ったエンジン内部のチェック!
では、どんな技なのか見せてもらうと…

巨大な金属の塊ともいえるエンジンに、パーツのすきまから、内視鏡の管を迷うことなくどんどん、どんどん入れていきます。

そして、モニターで確認しながら、リモコンでクイクイっと操作。
すると…

樋田さん:高圧圧縮機の前から二段目のブレードが回ってる。

なんだか簡単にやってるようにもみえますが、飛行機のエンジンの内部はとっても複雑な上、機番ごとに構造も違ってきます。
しかも、パーツとパーツの隙間も迷路のように入り組んでいるため、構造をしっかり把握してないと、エンジン内部の隅々まで、しっかりチェックできないんです!さらに!

樋田さん:汚れなのか傷なのか判断しないといけない。これは明らかに汚れです。部品が穴開く前にコーティングがはがれて色が変わってきたりしますから。その時点でよくみています。

飛行機のエンジンチェックで、とにかく大事なのは、部品に穴や凹みが出る「前」に見つけないとダメ。
少しの色の違いでも見逃してはならない。
では、実際、部品にどんな異常が起きるのでしょうか?

樋田さん:当たったあとがあるよね。この凹みひとつでエンジン交換になっちゃいます。全取り替えになることもあります。

小さなへこみだけでもアウト!
なので、慎重にも慎重を喫して行わないと空の安全が守れないんです!

安全運航と世界一の品質でがっちり!


▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:ちょっとした傷で命取りになることってあるんですか?
赤坂さん:あります。その部品がきっかけでひとつの部品が壊れたとします。そうするとエンジンと言うのはずっと何段もつながっていますので、ひとつ壊れると後ろをどんどん壊していくんです。エンジン全体を壊すんです。

空港を走る!お客さんを捜索する専門の「YJ」!

JALでは空港でも、とっても重要な任務があるんです。
それが…

「日本航空29便にて香港へご出発のお客様いらっしゃいましたらお知らせください」

そう、お客を「時間通りに」飛行機に乗せること。
そこで活躍するのが…

「グランドスタッフ」と呼ばれる精鋭たち。

チェックインカウンターでの手続きから、チケットの発券のお手伝いなど、とにかくお客さんをなるべく早く飛行機に乗ってもらえるよう迅速に対応!
中には、こんなスタッフも。

渡辺さん(空港オペレーション国際部):YJと呼んでいる誘導要員になります。お客様の捜索を全力で行っております。

捜索専門のスタッフ!通称「YJ」
そのお仕事は大きく分けて2つ。
チェックインを済ませてないお客の捜索と、保安検査場を通ったのに、搭乗ゲートに来てないお客の捜索。

特に保安検査場を通過したお客が乗せられないとなると、荷物だけを飛ばしてしまうことになり、大きなトラブルになる心配が。
だから、是が非でも発見しなきゃいけないんです!
とはいえ、一体、どうやって探し出すのでしょうか?
YJの永見さんに聞いてみると…

永見さん:中国籍、韓国籍のお客様だと、お買い物をギリギリまで楽しまれている方が多くいらっしゃるので、未搭乗の人数、年齢、国籍は無線で情報が入ってきます。

未搭乗のお客の情報は逐一、捜索担当のYJに入ってきます!
その情報をもとに、お客さんの居場所を推測、探し出すんだとか。

と、パリ行きの搭乗ゲートでは、順調に機内への案内が進む中…
険しい顔のスタッフ…すると!

YJ:ラウンジ行ける?ラウンジにお呼びかけをお願いします。

と、YJ2人にラウンジの捜索を指示!
スタッフが見ていたのは、搭乗ゲートを通過してないお客の情報!
どうやら2名ともラウンジにいることが判明。
全速力で走るYJスタッフ。
果たして、搭乗ゲート締め切りまでに間に合うのでしょうか!?
と、ここで、二手に分かれて捜索!

YJ:パリへご出発のお客様。搭乗のお時間になっております。

ラウンジの食堂では見つからず…
急いで二段跳びで駆け上がり2階へ…と、その時!

お客様:ごめんごめん寝ちゃったよ。

ようやく発見!
急いで搭乗ゲートへ!

間に合って、何はともあれです!

こうした専門のスタッフのおかげで、お客は乗り遅れることなく、JALも時間通りに運行ができる!
ということは…がっちり!ですよね!

▼スタジオでお話を伺いました。
進藤さん:もし乗れないってことになったら大変な作業なんですか?
赤坂さん:はい。乗れなかったお客様のお荷物をお預けしているとすれば、たくさんあるお荷物の中からをその方のお荷物を探してそれを降ろさないといけないんです。
加藤さん:時間かかりますね。

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