過去の放送内容
2018年7月15日放送
特集
見たことあるけど知らない!「新幹線に広告を出している会社」
日本触媒?トヨタL&F?売上げウン千億円超えの儲かり商品が続々!
ゲスト
森永卓郎さん、高橋茂雄(サバンナ)さん
番組内容
今回のテーマは「新幹線に広告を出してる会社」
新幹線に乗っていると、ふと目に入る電光掲示板!
次の駅名とかが表示されるんですが、みなさんここに、会社の広告が流れているの見たことありません?
結構、色んな会社が出てくるのですがなぜか、何をやってるかよくわからない会社ばかり…。
でも、新幹線に広告を出してるということはきっと、儲かってるはず!
ということで、調べてみたら、とんでもない儲かり会社ばかりだった!
世界ナンバー1!日本触媒が作っている、謎の白い粉。これを水に入れると…?
売り上げ驚異の1兆円超え!日本の物流を支えるトヨタL&F、驚きの技術とは!?
今回は、新幹線に乗った時に、目が離せなくなる30分です。
住友ベークライトは薬の◯◯を作ってNo.1!
新幹線の電光掲示板に広告を出している会社、まずは…
プラスチックのパイオニア「住友ベークライト」
あまり聞いたことない社名ですが…
ひとまず、東京品川区にある、
住友ベークライト本社へ。
どんなことをして儲けている会社なのでしょうか?
田中厚(フィルムシート営業本部本部長)さんに話を伺いしました。
田中さん:当社はプラスチックを作ってます!フェノール樹脂というプラスチックで住友ベークライトのベークライトがフェノール樹脂の商品名になります。
そう、社名のベークライトは、プラスチック材料のフェノール樹脂のこと。
このフェノール樹脂はもちろん、住友ベークライトは、とにかくありとあらゆる種類のプラスチックを作っているんです!
車のブレーキ部品に、ヘルメット、飛行機の窓のシャッターに、新幹線の机まで!
日本中のプラスチックを作って、2017年度の年商は、2,118億円!
その儲かりを、ちょっと地味?な、とあるプラスチックが支えていたのです。
それが…
田中さん:薬を包む透明の部分を作っています。だいたいが当社のシートを使っているものとお考えください。
薬の透明の部分、住友ベークライトが国内に流通している薬のほとんどを手がけてるのですが、実はコレ、作るのがけっこう難しいらしい!
ということで、尼崎にある工場・研究施設を訪ねることに。
研究者の井上さんにまず案内されたのは…
材料を保管するところ。
塩ビが主原料のものなど、薬の透明の部分になる材料が10種類以上。
これを釜で混ぜあわせて出来上がるのが…
井上さん:こちらのシートになります。シートはだいたい70種類くらいあります。
スタッフ:全部同じじゃないんですか?
井上さん:同じじゃありません。ビタミン剤は光によって変色するので光に強いプラスチックを挟んでいます。
薬の透明の部分、どの薬も同じように見えますが、実は、薬の種類によって、全部微妙に違うんです!
その断面を顕微鏡で見てみると…
何層にもなっていて…
ビタミン入りの薬の場合は、光を止める層を。
口に入れると溶けるタイプの錠剤には…
水蒸気を通さない層を。といった具合に、それぞれ薬の特徴に合わせて、細かく変えているのです。
さらに住友ベークライトには、最近ぐいぐい売上を伸ばしてる、儲かりの種が!
それが…
田中さん:野菜を新鮮に保つフィルムです!
確かにこの袋、近頃スーパーやコンビニの野菜売り場でよく見かけますよね。
実はこれは住友ベークライトが作った、野菜を新鮮に保つことができる魔法のフィルム「P-プラス」。
あの千疋屋にも採用されているんだそうです。
果たして、鮮度を保つ力はどれほどのものなのでしょうか?
ということで…
ブロッコリーで実験!
P-プラスと真空パック、そして何もしない状態のブロッコリーを冷蔵庫で1週間保存!
そして、1週間後、ブロッコリーは、新鮮な状態を保てているのでしょうか?
1週間置いた様子を見てみると、裸のブロッコリーは…
3日目で色が変わってしまいました。
そして真空パックは、若干色がくすんでいるだけですが…
1週間後には…
袋がパンパンに膨らんでいました。
P-プラスの研究所の溝添さんによると…
溝添さん:これは息ができなくなって腐敗したガスが溜まって、臭いニオイが充満している状態です。
実際、匂いを嗅いでみると…
スタッフ:うわ〜すごいきついですね。
溝添さん:漬物状態になっています。
スタッフ:P-プラスは大丈夫なんですか?
溝添さん:大丈夫です。
では、P-プラスはというと…
スタッフ:全然臭わないです。
一体どうして、P-プラスは1週間も野菜を新鮮な状態に保てるのでしょうか?
溝添さん:小さな穴をいくつか空けています。この穴が呼吸をゆっくりにする作用がありまして長持ちするというわけです。
野菜は、摘み取った後も呼吸をしているため、真空パックのように、完全に密閉してしまうと窒息してしまう。
かといって、裸のままだと、呼吸しすぎてしまい、早く傷んでしまう。
そこで、P-プラスは…
袋にミクロン単位の穴を開け、野菜の呼吸をちょうどいいぐらいに抑えることで、ぐっと長持ちするようにしてるというわけなんです!
この魔法の袋、1袋10円から20円。
今では農家さんたちから、引っ張りだこ!
このP-プラスのおかげで新鮮な状態が長持ちするから、販売する地域が広がり農家さんも生産量が増やせるという循環がうまれて、がっちりというわけなんです!
これはますます儲かりそう!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:あのP-プラスのフィルムで包むと長持ちするから例えば野菜が旬の時、いっぱい生産量がある時って値段安いわけですよ。P-プラスに入れて保存しておいて、高くなったところで出荷すれば儲かるんです。
加藤さん:ずっと長い時期売れるわけだからロスも少なくなるってことですよね。
トヨタL&Fは◯◯を作り続けて52年連続販売台数1位!
続いては…
ニッポンの物流美「トヨタL&F」。
トヨタはもちろん知っていますが、L&F…とは一体?
やってきたのは、
愛知県高浜市。
早速、トヨタL&FのL&Fはどういう意味なのか、国内営業部、販売促進室の新屋さんに伺いしました。
新屋さん:Lはロジスティックスの略で物流システムを手掛けています。
そう、L&FのLはロジスティクス、「物流」って意味なんです!
自動倉庫なんかを作っているんです。
ではL&FのFは?
新屋さん:Fはフォークリフトです。
倉庫や工場で荷物を運ぶのに欠かせないフォークリフトを作っているんです。
トヨタL&Fのフォークリフトは、国内の販売台数1位!しかも、52年連続!
2017年度の売り上げは、なんと1兆2,830億円、さすがトヨタ!
フォークリフトは実は、同じように見えても1台1台違うらしい。
エンジンの種類だったり釣り上げる重さによって形などが変わるんです。
例えば…
紙・パルプ業者向けのフォークリフト。
ロール紙を優しく、傷づけずに掴むことができるんです!
そして、こちらは…
ロール状のワイヤーなどを運ぶタイプ。
なかにはこんなタイプも!
24トンの巨大コンテナを軽々と持ち上げる!
これは港などで大活躍しているんです!
しかし、これだけたくさんの種類を作るとなると工場も大変!
1日260台のフォークリフトを生産しているらしいのですが、普通、自動車工場というと、ロボットが自動で組み立てていくのですが、フォークリフトの場合、ほとんどが手作業。
なぜなら、フォークリフトはバランスが命。
運ぶものによって前のパーツが変わってくるから、そのバランスをとるため、他の部分が1台1台変わるだとか。
まさに、オーダーメイドなんです!
さらにトヨタL&Fのフォークリフトは安定感が抜群!
急旋回しても、バランスが安定しているんです。
その秘密は…
この棒!
横に倒れそうな力がかかると、コンピューターが感知し…
この棒がロック!
それ以上、車体が倒れないようにしているんです。
速度が速いままでも支えることによって安全性が増しているだとか。
そのため作業効率が落ちないというわけなんです。
実はこれ、トヨタ独自の技術なんです!
さすが1兆超え企業!
トヨタL&Fは物流システムとフォークリフトでがっちり!
日本触媒は世界の◯◯吸収材を作って世界シェア25%!
続いては…
すごい素材で応える…「日本触媒」。
触媒って何だか難しそうですが、一体何をやっている会社なのでしょうか?
大阪府吹田市にある研究所へ、IR・広報部の西川さんにお伺いしました。
西川さん:日本触媒の主力事業のひとつが高吸水性樹脂です。これがすごい粉なんです。
日本触媒が作っているのは、高吸水性樹脂と呼ばれる粉!
正式名称は、アクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物…
なんとも長い名前がついています。
そしてこの触媒についてざっくり説明すると、そもそも触媒というのは、化学反応を速くする物質のこと。
例えば、一緒にしても何の変化も起きないA、Bという物質があります。
そこに、触媒を入れると、AとBが反応して、新しいCを生み出せるのです。
このように、日本触媒は、触媒を使ってすごい素材を作っている化学メーカー。
中でも先ほどの白い粉高吸水性樹脂は、世界シェア1位!
会社全体の2017年度の売上は、なんと3,228億円!
でもこの白い粉は一体何なんでしょうか?
研究センター研究員の富澤さんに話を伺いしました。
富澤さん:この高吸水性樹脂は1gで100mlの水を吸います。
ということで、5gで500mlの水を本当に全て吸収できるのでしょうか?
実際に試してみると…
この粉に水をかけると…
どんどんどんどん膨らんでいき…
そして…
見事、500mlを全て吸収!
あっという間にゼリー状に!
しかも、持ち上げてぎゅっと掴んでも水が出てこない!
高吸水性樹脂は、網目構造になっていて、液体を吸収したら、押しても出てこない、という優れもの!
この主な使い道といえば…
そう、紙おむつ!
世界の紙おむつの4分の1に、日本触媒の作った高吸水性樹脂が使われてるんです!
でも、すごい素材はこれだけではないんです!
それが…
「コンクリート混和剤用ポリマー」
これは、コンクリートをサラサラにする薬なんです!
コンクリートをサラサラにして、なんの意味が?
って思ったそこのアナタ!
普通、コンクリートはドロっとした塊のような状態なのですが、
作業員が手作業で伸ばしていくから、時間や手間が結構かかるんです!
しかも、細い柱など、隅々にまでコンクリートが行き届かないと、隙間ができて強度が弱くなるんです。
コンクリートをサラサラにして、これらをぜ〜んぶ解決してしまうのが、この日本触媒のポリマーというわけです!
例えば、約4kgのセメントをサラサラにするのに使うコンクリート混和剤用ポリマーの量はというと…
わずか2CC。
ということで、実際に約4kgのセメントポリマーを入れ、かき混ぜてみると…
わずか5秒たらずで変化し始め…
なんと、その後、数秒でサラサラに!
どれほどサラサラになったのか、普通のコンクリートと比較してみると、
障害物のビー玉をもろともせず、どんどん流れていく結果に。
一方、普通のコンクリートは、全く流れません。
でも、どうしてこんなにサラサラになるのでしょうか?
実はこのポリマー、顕微鏡レベルでは、ブラシのような形をしていて、セメントの粒にひっつく。
すると、ブラシがぶつかって、セメント同士がくっつかない。だからサラサラになるんです!
でも、そうなると、気になることが…。
強度が弱まることはないのでしょうか?
社員さん:セメントは水と反応して大きくなって隙間を埋めていきますので、がっちり固まって強度は変わらないです。
そう、セメントは水と反応して大きくなり、隙間をぎゅっと埋め尽くす。
ブラシ部分もつぶれるので、強度には問題がないんだとか。
このポリマー、最近建っている高層マンションには、ほぼ100%使われている、まさにマストアイテム。
日本触媒はすごい素材を開発してがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:世界の4人に1人はあの高吸水性樹脂におしっこしてるんですよ。すごいよね。ちなみにおむつ以外の用途もあるんですか?
西川さん(日本触媒):砂漠の土に混ぜておくと、ちょっと雨が降ると水を貯めて木が育ちやすいんです。
加藤さん:なるほど。世界規模はやっぱりすごいな。