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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2018年4月22日放送

特集

てっきり「海外産」と思ってたアレが…実は「国産」!
岡山県で“バナナ”が!滋賀県で“バドワイザー”が!意外なワケ

ゲスト

森永卓郎さん、内野聖陽さん

番組内容

今回のテーマは「儲かる!意外に国産ビジネス」!
見た目やイメージから外国製と思い込んでいるものが、実は「意外に国産」だったというモノが結構ある!「国産」だからがっちり儲かる!「国産」にしているのには理由がある!
99,9%輸入に頼る“バナナ”が岡山県で育つ!1本600円…謎の国産バナナの正体とは?
世界一の販売額を誇る、アメリカビール“バドワイザー”。実は輸入ではなく、あの国内ビール会社が超極秘レシピを使って、滋賀県で作ってた!秘密の隠し味とは?
今日は、国産の裏側に迫って、ニッポンを見直しちゃう30分です。

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岡山で熱帯バナナが育つ!皮まで食べられるバナナとは?

意外に国産ビジネス!
やってきたのは、広島県福山市の…

「アスコ」
聞いたことない名前ですが、ここでは何を作っているのでしょうか?
代表理事の田中さんにお伺いしました。

代表理事・田中さん:バナナです!バナナの子ども…

バナナといえば熱帯植物のため、フィリピンやインドなど赤道を挟んで北緯南緯30°の「バナナベルト」でしか作れない…
このため、日本一食べられている人気の果物なのに、バナナの99.9%は輸入に頼っているんです。
ところが…

代表理事・田中さん:これは日本全国、北海道でも作れます。ちゃんと実がなります。

なんと田中理事、日本の気候でも育つ、寒さに強いバナナを作ることに成功したんです!
まだ春先ですが、すでにバナナが実ってる、と聞いて、いざ、岡山県にあるアスコの農園へ。

早速、ビニールハウスの中に入ってみると…

確かにバナナがなってる!
でもビニールハウスがあれば暖かくして簡単に育つのではないでしょうか?

農園の方:すごく燃料代がかかるので採算が合わないんです。

そう、こちらのビニールハウスは、暖かくなっているわけではなく、中はひんやりで風よけと霜対策のためなんです。
そしてここで育ったバナナこそが…

農園の方:もんげーバナナです。
スタッフ:もんげーってどういう意味ですか?
農園の方:岡山弁で「スゴい」という意味です。バナナって普通皮まで食べられないんですけど、皮まで食べられるバナナなんです。

見た目は、フィリピンバナナよりちょと小ぶりですが、皮のままガブッ!と食べてみると…

スタッフ:めちゃくちゃ甘い。ねっとりしていて濃いですね。皮が気にならないですね。
農園の方:皮にはミネラル分があります。

このバナナ、皮まで食べられる理由は「国産」だからなんです。
海外ものだと、害虫が日本に入ってこないよう、輸入の際に厳しい検疫があるんです。
だから、農薬をたくさん使ってる場合が多く、皮まで食べる気になりません。
でも、国産なら検疫もないし、日本にバナナを食べる虫がいないので農薬を撒く必要がないんです!
つまり無農薬で作ることが可能になり、皮まで食べられるというわけです。

そんなもんげーバナナ気になるお値段は…1本なんと!600円!

そんなに値段が高くて売れるのでしょうか?
取り扱っている青果店の店長さんにお伺いすると…

牧山店長:朝、開店と同時に並ばれてその日のうちに無くなってしまいます。

1本600円でも、物珍しさと独特の味で完売!

でも、熱帯でしか育たないはずのバナナが、どうして日本の気候で、美味しく育つんでしょうか?

農園の方:「凍結解凍覚醒法」と言いまして、苗とか種子をマイナス60℃まで一旦凍らせてあげて、それを解凍することで、植物本来が持っている能力が覚醒するということです。

田中理事が開発した凍結解凍覚醒法とは、まず、バナナの株の一部を取り出しマイナス60度まで180日間かけて凍らせます。
そして、時間をかけてゆっくり解凍…すると、過酷な環境を体験したバナナが、必死で生き残ろうと「覚醒」し、低い気温でも育つんです。
さらに実がなるのに1年半くらいかかるのが、わずか6ヵ月で実をつけ、しかも、常識を超えた糖度の高いバナナができたんです!

そして、この新技術は応用が利く!

農園の方:実はバナナだけではなくて、色んな食物に適用できるんです。

バナナ以外にも効果があるそうで、熱帯じゃないと育たない、あの果物も…

農園の方:完熟ですね。パイナップル。めちゃくちゃ甘いです。
スタッフ:何て名前なんですか?
農園の方:もんげーパイナップル!芯ごと食べられるんです。美味しいんです!

さらに、1日の寒暖の差が必要で山や高地でないと育たないコーヒーの苗や、カカオ、パパイヤ、ドラゴンフルーツなど、日本の気候に合わない作物が、凍結解凍覚醒法のおかげで、ここ岡山県ですくすく育っているんです。
その数、なんと200種類以上!
でも、こちらの農園、育てるだけではありません!

農園の方:これは(バナナの)販売用の苗です。1鉢3万円です。

このバナナ苗を育てれば、半年で200本ほど実がなるのです。
それが、3年で5回も収穫できるらしい。
ただし、3年後にはもう、寒いと実をつけなくなるんだとか。

1年間で40万株を出荷予定ということで、年間にするとおよそ120億円!

アスコはバナナを国産でがっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:皮と一緒に食べた方が美味しいかもしれない。甘さヤバくないですか?
内野さん:甘いですね。
加藤さん:当然、特許は取られてるんですよね?
ASCO専務理事・落合さん:今月、取得できました。
加藤さん:森永さん、これは会社的にもとんでもないことになるんじゃないですか?
森永さん:実はロシアがこの会社の技術に目をつけてるって話ですよ。

あのバドワイザーが国内で作られていた!?

続いては、東京・中野に本社を構える、皆さんご存知のキリンビールへ。

キリンが手がける意外な国産とは何でしょうか?
キリンビールマーケティング部の藤田さんにお話を伺いしました。

藤田さん:バドワイザー、ハイネケン海外のビールです。

販売額世界一!アメリカが誇るバドワイザーと、ヨーロッパナンバーワン!オランダのハイネケン。
この2つの海外ビール、日本で飲まれているものは、輸入じゃなく、キリンビールが、国内の工場で作っているんです!

でも、わざわざ国内で作る理由は何なのでしょうか?

日本で作ると、その分コストは高いけど、輸入するときの関税や輸送費を考えると費用は同じくらい。
それだったら、出来たての美味しい商品を提供したい!
ということで、国内の工場で作っているのです。

でも、本場アメリカの味を、どうやって作っているんでしょうか?

それをこの目で確かめたい!と、滋賀県多賀町(たがちょう)にある、

バドワイザーの製造工場へ!
滋賀工場の浅野さんが案内してくれました。
最初の工程は…

浅野さん:麦のジュースを作る工程になります。

ビール作りは、タンクの中に、麦芽を入れ、お湯と混ぜ合わるところから始まります。
これが麦のジュース。
そこに、苦味や香り付けのためホップを投入するのですが…

浅野さん:本社からレシピが送られてきまして厳しいレシピ通りに行っています。
スタッフ:厳しいんですか?
浅野さん:はい、かなり厳しいです。

ここのビールは、バドワイザー本社から届く、極秘レシピを元に製造!
このレシピ、材料から比率、温度、成分、分量などかなり細かい!

浅野さん:バドワイザーの原料は限定されているので、「このホップを使え」とか、ホップの加工・販売会社も指定されています。麦芽も指定されています。

そう、原料となる麦とホップはバドワイザーが指定した、海外の生産者のものしか使えません。
それだけじゃないんです!

浅野さん:使用している水なんですが、こちらもアメリカ本社で厳しい基準がありまして、企業秘密なんですけど数十項目あるんです。

原料に使う水も、水質や含まれる成分に細かい基準が何十項目もあり、基準をクリアした水を日本で調達するのが一苦労なんだとか。
そして、ここからがいよいよ本番!

浅野さん:アメリカから送られてくる酵母を保管している酵母タンクになります。酵母の特性で味は変わってきます。

ビールの味を決める「発酵」。

そのための「酵母」は、これまた、アメリカから送られてきた、極秘のオリジナル酵母。
さらに、秘伝の隠し味が!

浅野さん:バドワイザー特有の工程で、ビーチウッドというウッドチップを入れる工程があります。木のチップを入れることで、バドワイザーらしいすっきりした味、色が薄いすっきりした感じになります。

バドワイザー特有の“すっきり”の決め手は、ブナの木片を入れるってことだったのです!
この工程によって、世界で一番飲まれている、あの軽やかな味わいになるんです!
国内ブランドのビールや発泡酒の出荷量が、13年連続で減少傾向にあるのに、バドワイザーとハイネケンは、去年よりも出荷数が増加するという大健闘ぶり!

キリンビールは、海外ビールを国内で作ってがっちり!

山形で一流ブランドの服を手掛ける!

続いては、山形県南陽市(なんようし)へ。
人口3万程、のどかな地域にある会社が…

「ナカノアパレル」
ここで作ってる意外な国産とは何なのでしょうか?
ナカノアパレル代表の中野さんに話を伺いしました。

中野さん:海外ブランドの洋服でございます。
スタッフ:どんなブランドを?
中野さん:これはジル・サンダーです。

ナカノアパレルは、ドイツのブランド「ジル・サンダー」の洋服を作っているんです。

ジル・サンダーといえば、世界的な一流ブランド。
なのでそのお値段も…

Tシャツでも3万円超えと超高級。

ジル・サンダー以外にも、みなさんよくご存知の…

中野さん:プラダさんが企画した商品もあります。

ハイセンスなプラダのパーカー、メイドイン・イタリーではなく、メイドイン・ヤマガタ!

そう、ナカノアパレルは、世界の名立たるブランドの洋服作りを手がけているのです!
しかし、誠に失礼ながら山形県の小さな町の工場にどうして、海外の一流ブランドが声をかけてくるのでしょうか?
その秘密を石田副工場長にお伺いしました。

石田さん:こちらが無縫製ミシンになります。これは糸では無く糊なんです。

ナカノアパレルが、海外ブランドを虜にする理由…それは、独自の縫製技術!

例えば、「無縫製ミシン」では…

特殊な糊を塗った両面テープを、針のついていないミシンで生地に貼り付け、生地と生地をあわせる。

そして、ポイントとなるのが、もう一つの機械。

石田さん:こちらがプレス機です。先ほどのノリを熱で溶かしています。最適な温度・時間・圧力などが生地によって変わりますし、その生地の色でも変わります。もともとはウェットスーツ屋さん、ビニール関係の縫製に使われていた技術なんですが、綿で使用したのはうちが初めてです。

綿は、ポリエステルなどに比べて生地が厚いため、ノリだけでくっつけるのは至難の技。

でも、ナカノアパレルはノリの種類やプレスする最適な圧力、温度などを研究して、綿での無縫製を実現させたんです。
ところで、無縫製に、どんなメリットがあるんでしょうか?

石田さん:無縫製で接着しているので縫い合わせる必要がないんです。

その差は比べてみれば一目瞭然!

縫い目があるよりも…

無縫製のほうが、首回りがスッキリ!

プラダのパーカーも縫い目がまったくない。

さらに、無縫製以外にも、独自の縫製技術が!
女性服の首周りや、袖口を彩るチェーンの縫い付け作業に革命的な技術が使われているんです!
それは…

石田さん:ボールチェーン千鳥留めです。以前は手でひとつひとつ縫い付けていたんですよ。
それを、ミシンを使って数秒でできるようになりました。

今まではチェーンを手作業で一つ一つ縫い付けていたのですが…

ナカノアパレルは、チェーンを縫えるミシンを開発。
そのおかげで…手で縫うと1時間くらいかかるものがわずか10秒でできてしまうのです!
作業効率が360倍にアップ!

それにしても、どうしてナカノアパレルは、海外ブランドも注目する縫製技術を、次から次へと編み出せるんでしょうか?

それは、ナカノアパレルでは、業務用ミシンの改造に取り組んでいて、新しい裁縫パターンができないか、日夜研究を重ねているからなんだとか。

そして、今では海外ブランドだけでなく、オンワードといった国内の有名ブランドも手がけるようになり、10年前は、18億円だった売上げが…

2017年度は、33億円!
およそ2倍増える見込み!

ナカノアパレルは一流ブランドの服を作って、がっちり!

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